ふるさと納税で町が激変?寄付額「関東1位」の小さな町:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

12月15日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「活況!ふるさと納税 その先に…」。
「ふるさと納税」の寄付総額は9654億円で、過去最多を記録。そんな中、関東で第1位を誇る小さな町がある。財政危機に瀕していた町が、ふるさと納税で激変! 町長と“返礼品ヒットメーカー”がタッグで仕掛ける戦略を追った。
一方、ふるさと納税から除外された町も。返礼品3割ルールに違反したことが理由だが、町役場の若き職員が動き出した。新たな名物を作る…目を付けたのはラーメンだ。復帰に向けて奮闘する自治体に密着する。

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返礼品は約600種類!人気自治体が見据える「ふるさと納税」の先…


ふるさと納税とは、応援したい自治体に寄付をすると、そこから3割相当の返礼品がもらえるというシステム。さらに翌年の住民税や所得税から寄付分が引かれるため、寄付した人もされた自治体もお得だ。

茨城県・境町。人口2万4000人足らずの町だが、ふるさと納税の寄付額は、6年連続関東1位で59億5300万円(2022年度)。町では、ふるさと納税の寄付金で導入された自動運転バスが走っていて、観光施設や役場、病院を巡回している。

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全天候型の公園や国際大会にも対応できる日本最大級のBMX競技場も、ふるさと納税の賜物だ。ここで大技を練習しているのは、白井玲恵奈さん(12)と兄の伶穏さん(14)。2人は全国大会でも優勝した注目の選手で、町は兄妹を応援している。

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「この施設を毎日使いたい」と東京から移住してきた白井家の自宅は、移住者向けの賃貸住宅。3LDKの一戸建てで、家賃は月13万円。ガレージまでついている。
都内の会社に勤めるお父さんは、この家でリモートワーク。この賃貸住宅も、ふるさと納税の寄付金でつくられ、25年間住み続けたら家がもらえるという驚きの特典も。境町は、関東一の寄付金で、移住者まで増やしていた。

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9月16日に開催された町最大のイベント「利根川大花火大会」に、今年は30万人が詰めかけた。その一角にあったのが、有料観覧席の入場ゲートだ。このテーブル席の一部は、ふるさと納税の返礼品になっていた。境町は、ふるさと納税の寄付を集めるだけでなく、多くの観光客を呼び込むことに成功していたのだ。

町長の橋本正裕さんは「10年前は3000発の花火だった。そこから5年で2万3000発まで大きくして、今年は3万発で全国一番」と話す。しかし就任当初、町は崖っぷちだった。

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「10年前の境町は、いつ破綻してもおかしくない自治体だった。1741市町村の中で後ろから29番目の財政の悪さ。ふるさと納税という制度が拡充され、この10年で飛躍的に改善した」。

まさに、ふるさと納税さまさま。寄付金を伸ばすため、町長と二人三脚で返礼品開発に取り組んでいる野口富太郎さんは、数々の人気返礼品を生み出したヒットメーカーだ。

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寄付金1万8000円で、地元が誇るブランド豚・梅山豚の脂の乗ったバラブロック(650グラム)、寄付金1万円で「境町の秘伝のたれ」に漬けた「国産うなぎ」(3尾)、寄付金1万2000円で、境町で育てられた常陸牛の霜降りスライス(400グラム)が届く。

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一番人気は米で、食べ比べセットにしたところ人気に火が付いた。寄付金1万4000円で、お米4種食べ比べ(20キロ)が届く。

「ふるさと納税に関しては、ブランドがあるものからやっていくべき。知らないものを出しても(人気が)出ない。認知度のあるものは(人気が)出る。おいしければリピートにつながるので、まず市場を取る」。

野口さんの本業は、地元で約150年続く日本茶の専門店「野口徳太郎商店」の5代目。
この辺りは、「さしま茶」という銘茶の産地で、濃厚な味と香りが特徴。自慢のお茶は、ふるさと納税の返礼品にもリストアップされている。

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「事業は地元と密接につながってくる。自分たちばかりが儲かってもダメ。(地域)全体が盛り上がっていかないと、いずれはしぼむ」。
町全体が盛り上がって行かなければ、未来はない…そう感じていた野口さんは、2016年、橋本町長の強い誘いで、ふるさと納税を取り仕切る「さかいまちづくり公社」の社長に就任。返礼品の開発を任されるようになった。
そんな野口さんが、今、特に力を入れている商品とは――。開発の舞台裏に迫る。

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ふるさと納税から除外された町…住民サービス維持へリベンジ!


宮崎県都農町。日向灘を見渡す丘の上にある「都農ワイナリー」は、九州では珍しいワイン工房だ。都農町はもともとブドウの栽培が盛んで、30年ほど前、ワインに転用。国内だけでなく、イギリスのワイン専門誌で“最もエキサイティングなワイン100選”に選ばれたこともある。

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しかし去年1月、その町に衝撃が走った。2年間にわたり、ふるさと納税の対象から外されてしまったのだ。人気の宮崎牛の注文が一事業者に集中して返礼品を提供できなくなり、町が高い肉を買い集めてこれを補った結果、“返礼品は寄付金の3割まで”というルールを大きく逸脱。当時町長だった河野正和さんは、「集まる寄付の額に対して、我々の体制が十分ではなかった。100億円も来ると、目の前の業務に追われる」と振り返る。

ふるさと納税除外の波紋は、町の人が頼りにしている「都農町国民健康保険病院」にも。
ふるさと納税の10億円で財団を設立。宮崎大学医学部と協力し、医師が常駐する体制を整えたが、財団の資金はあと5年でなくなるという。ふるさと納税に復帰できなければ、病院の経営も厳しくなるのだ。

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9月に行われた選挙で新町長となった坂田広亮さんは、「来年の1月に改めて申請し、(ふるさと納税)制度にまた復帰したいと考えている。信頼を取り戻して、しっかりとした運営をする」と前を向く。

その重大な任務を託されたのが、役場に入って6年目、都農町 ふるさと納税係の河野匠さん(29)だ。河野さんは、今年の春まで2年間にわたり、宮崎県庁に出向していた期待の星。同僚の妻と町内に家を建てたばかりだが、そんな河野さんに、大きな責任がのしかかる。

11月。河野さんは、都農町財政課の伊達崇博さんと一緒に宮崎県庁へ。「謹慎期間」は来年1月までだが、最短で復帰できるよう、相談しにやって来たのだ。
会議は約1時間。県からの説明は、返礼品につての細かい情報にまで及んだが、都農町の復帰を後押ししてくれた。河野さんのもう一つ大きな仕事は、魅力ある返礼品を、再び揃えることだ。

ふるさと納税の業務を委託している「シフトプラス」原澤龍之介さん(24)とやって来たのは、牛肉の生産、販売を行っている「ビッグファーム」。宮崎県の場合、返礼品に牛肉は欠かせない。
500頭余りの黒毛和牛を育てている「ビッグファーム」はエサに特徴があり、出荷前の牛に一定期間、都農ワインとその搾りかすを混ぜて与えている。
こうすることで肉が格段にやわらかくなるというが、それをワイン牛としてブランド化。ふるさと納税が取り消しになるまで、都農町の人気の返礼品の一つだった。

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「ビッグファーム」は問題を起こした業者ではないが、河野さんは返礼品を提供してもらう量について、決して無理をしないようにとお願いした。
その後、河野さんたちが足を運んだのは、町内にある人気ラーメン店。九州なのに、豚骨ベースではないこのラーメンに、“都農町の未来”がかかっていた――。

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