“おにぎり”店を営むポーランド人が超人気店「ぼんご」で修業後…人生変わっちゃった!!:世界!ニッポン行きたい人応援団

公開: 更新: テレ東プラス

ニッポンに行きたくてたまらない外国人を世界で大捜索! ニッポン愛がスゴすぎる外国人をご招待する「世界!ニッポン行きたい人応援団」(月曜夜8時)。毎回ニッポンを愛する外国人たちの熱い想いを紹介し、感動を巻き起こしています。

今回は「ニッポンにご招待したら人生変わっちゃった!スペシャル」をお送りします。

【動画】「ニッポンに行きたくて行きたくてたまらない」と願う外国人に密着!そこにはたくさんの感動が!

人気店「ぼんご」でおにぎりを学んだポーランド女性が、帰国後驚きの展開に


紹介するのは、ポーランドに住む「おにぎり」を愛するカタジーナさん。

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ニッポンの国民食「おにぎり」。コンビニだけでも年間60億個以上が売れるといわれ、コロナ禍以降テイクアウトの需要が高まったことで、おにぎり専門店の出店が増加。ニッポンのみならず、欧米、アジアなど全世界でおにぎりがブームに。

おにぎりの歴史は古く、弥生時代の竪穴式住居跡からも発見されています。古来、ニッポンでは山に神が宿るとされ、おにぎりの三角形は神の形をイメージしたものだとか。江戸時代になると海苔の養殖技術が発展し、栄養が豊富な上に手にご飯がつかないという利点から海苔を巻く習慣が根付いたそう。

インターネットで目にしたおにぎりに一目惚れして、見よう見まねで作り始めたカタジーナさん。早速作ってもらうことに。

お米を研ぎ、30分ほど水を吸わせたら炊飯器へ。炊き上がると、30分蒸らしてから塩をまぶしておにぎりに。具は梅干し、おかかに鮭も。ニッポンのような塩鮭は売っていないため、日本酒に一晩漬けてから醤油で味付けしています。三角形に握ったら、海苔を巻いて出来上がり! この日の夕食はおにぎりづくし。週3回はこのメニューだそう。

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実はカタジーナさん、おにぎり好きが高じ、5年半前におにぎり屋さんをオープン。店頭販売の他、日本食レストランにも納品。すべて一人で行っています。

夢は、人気のおにぎり専門店に行って勉強すること。そして、学んだことをポーランドに持ち帰り、おにぎりの良さを広めたいと願っています。

そんなカタジーナさんを、ニッポンにご招待! 4年前、念願のニッポンにやってきました。

向かったのは、東京・豊島区北大塚にある、おにぎり専門店「ぼんご」。午前11時半の開店と共に、集まるお客さんは後を絶たず、1日の売り上げは1000個以上! 「ぼんご」の真骨頂は、他では味わえない“ふわふわなおにぎり”です。

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迎えてくださったのは、「ぼんご」で47年女将を務める右近由美子さん。カウンターでは、元寿司職人の越部努さんがおにぎりを握ります。まるで機械のような手さばきで、強く握ることなく次々と出来上がるおにぎりに、カタジーナさんは興味津々! 「ぼんご」の最大の特徴は、握らないこと。これこそ絶妙なふわふわ食感の秘訣なのです。

メニューは58種類! 不動の人気は、築地直送の脂がのった鮭、プリプリの筋子、北海道産の生たらこだそう。

悩んだ末に、カタジーナさんはじゃこマヨネーズとホッキサラダを注文。念願のおにぎりをいただき、「こんなに美味しいおにぎりを食べたのは初めてです! 握っていないから食感がふわふわです。完璧です」と絶賛します! ふわふわなおにぎりの作り方を、特別に教えていただけることに。

「ぼんご」のおにぎりに使われているのは、右近さんの故郷でもある新潟県産のコシヒカリ。産地である岩船郡関川村は、朝日は浴びますが西日が差さない山間部。寒暖差が激しく、稲は自身を守ろうと栄養を蓄積し、旨味成分の多いお米になるそう。

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「おにぎりは米粒が大きい方が美味しいですよ。空気がたくさん入る方が美味しいんです」と右近さん。岩船産のコシヒカリは一般的なものと比べて大粒で、お米の間に空気の層ができ、ふわふわな食感になるのです。

炊く前にも秘密が。約1時間しっかり水に浸けておくことで、芯まで柔らかく、ふっくらとした炊き上がりに。大事なのは前の日に冷蔵庫に入れておくこと。芯まで浸したお米を冷蔵庫で冷やすと、寒さから身を守るためデンプンが糖分に変化。これを糖化現象といい、甘味が格段に増すそう。

続いて、中に入れる具材、「ぼんご」の看板メニュー「卵黄の醤油漬け」を教えていただきます。卵は冷凍庫で一晩凍らせると、黄身の中のタンパク質が結びつき、丸く固まった状態に。これを醤油に4時間つけると、卵黄の醤油漬けの出来上がり。「こんなおにぎりのアイディアを初めてみました」。通常は握れない卵黄を具材にするための、右近さんオリジナルのアイデアです。

ここで、特別に握り方を教えていただきます。右近さんのおにぎりも、越部さんと同じく、あくまで形を整えるだけ。3回優しく手で包み込むようにしています。「握ったら握った分だけ固くなっていくから、あくまでも握りたくないんですよ」と右近さん。炊きたてのお米の美味しさを最大限に生かすため、「ぼんご」のおにぎりは握らないのです。

他にもさまざまな工夫が。手を十分に濡らし、ご飯を手に取ったら、具でご飯を圧迫しないようにくぼみを作ります。握る際には、沖縄県産のミネラル豊富な塩に、風味が良くなるようゴマを混ぜたものを手に取っているそう。最後に巻く海苔は、少し厚めの大きな海苔を使うことで包装紙のように包み込み、ふわふわでも崩れないおにぎりに。

カタジーナさんもおにぎり作りに挑戦! 米を押しつぶさないよう形にする、その感覚を手に覚え込ませます。右近さんが教えてくださったのは、固めたアルミホイルをおにぎりに見立てた練習法。左手に乗せて右手で何度も転がすことで、握らない絶妙な力加減を養います。カタジーナさんは「これがコツなんですね」と、感覚を掴めてきた様子。

夜ご飯はお店ですませることが多いという右近さん。カタジーナさんも一緒に卵黄のおにぎりをいただき、夕食の後も練習を重ねました。

翌日。右近さんの提案で、一から握るテストをすることに。右近さんと越部さん、従業員の河田さんがお客さんとして審査します。

カウンターの中に立ったカタジーナさん。日本語で「いらっしゃいませ! 何にしましょうか?」と注文を聞くところから始め、皆さんの前でたらこと鮭のおにぎりを作ります。

緊張しながらも具材をたっぷり入れ、「ぼんご」特製のゴマ塩を手につけ、いよいよ握る工程へ。教わった通りに形を整えて海苔を巻き、最後に中身がわかるよう上に具をのせて完成!

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カタジーナさんのおにぎりを食べた右近さんは、「本当に美味しい!」と褒めてくださいましたが、海苔の外側に米粒がついていることを指摘。見栄え良く包むのが難しかったそうですが、「やや合格だね」と合格点をくださいました。

別れの時。カタジーナさんは「ここで学んだことを国に帰って生かせるよう、毎日練習に励みます。私に修業のチャンスをくださり本当にありがとうございました」と感謝を伝えます。すると右近さんから、ぬか漬け用のぬかと、塩のお土産が。昨晩の夕飯で初めてぬか漬けを食べたというカタジーナさんのために、母国でも作れるよう、用意してくださったのです。

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カタジーナさんからは、甘いお菓子とポーランドの陶器のお皿をプレゼント。右近さんと握手を交わし、「ありがとう! また来てね」「今度は家族を連れてきます」と再会を約束しました。

あれから4年…。右近さんに、カタジーナさんからのビデオレターを観ていただきます。

去年7月に2店舗目をオープンしたカタジーナさん。以前は、1日の売り上げ70個でしたが、今では500個に!
パンが主食のポーランドでおにぎりを広めるため、現地の好みに合わせて具材を開発するなど試行錯誤。「ぼんご」で習ったふわふわの食感も評判を呼び、ピーク時には40分待ちになることも! 祭りなどのイベントにも出店し、精力的におにぎりを広めています。

ここで、おにぎり作りを見せてくれることに。もちろん今も、作り方は「ぼんご」流。帰国後もふわふわなおにぎりを作れるようにと、挑戦を続けたそう。

まずは、ご飯を型に入れていきます。「あれはスピードと量を測るため、全然オッケーですよ」と右近さん。混雑時など多くの注文がある時は、型を使うことで米の量を均一にでき、効率的におにぎりを提供することができるのだとか。

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「ぼんご」と同じく具をたっぷり入れ、ごはんで蓋をします。握らず包み込むように形を整え、海苔を巻いて完成。海苔はぼんごと同じ厚さのものが手に入らないため、薄い海苔できれいに巻けるよう工夫しているとのこと。現在は、定番の梅や昆布、教えていただいた卵黄の醤油漬けなど17種類のメニューがありますが、常に新しいメニューを考えています。

と、ここで、カタジーナさんから右近さんに相談が。2店舗を集約して1店舗にする計画があるとのこと。実は1号店は立地が良く、集客はできるものの、敷地が狭く、調理スペースが確保できないそう。2号店は広いキッチンがあるのに、立地が悪く集客が少ないため、作ったおにぎりを1号店まで運んでいる状況だといいます。

1号店に近い広い場所で、おにぎり作りと販売、イベントもできるような“おにぎりセンター”を作りたいと話すカタジーナさん。右近さんは「(店舗が増えると)スタッフも増えますよね。すべて一から最後まで見届けられる人がいないと絶対伝えられない。なので一つにした方がいいと思う」とアドバイスしました。

カタジーナさんの夫・マルチンさんからも報告が。10年勤めたポーランドの最大手銀行を退職し、カタジーナさんのお店で配達やSNSでの宣伝を担当していました。

コロナ禍でリモートワークになった際、カタジーナさんの仕事を手伝っていたマルチンさん。お客さんとの触れ合いや、カタジーナさんと一緒にいられる時間が増えたことに喜びを感じ、お店に入る決意をしたのです。

「右近さんのおかげで私の人生が変わりました。これからも家族でおにぎりを世界に広めていきたいと思います」。「次は私が右近さんをワルシャワにご招待して、おにぎりを食べてもらいたいです!」と話すと、右近さんは「会えるのを楽しみにしてまーす!」と手を振りました。

カタジーナさんをニッポンにご招待したら、さらなる飛躍を目指し、夫と二人三脚でおにぎりの魅力を広めようとしていました!

江戸時代から続く工房で、伝統的な鐘造りを学ぶ


続いて紹介するのは、アメリカに住む、ニッポンの「鐘」を愛するドンさん。

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日本人が鐘の存在を最も身近に感じる「除夜の鐘」。中でも17人の僧侶が打ち鳴らす京都・知恩院の除夜の鐘は圧巻。欲望や怒りといった人を苦しめる108つの煩悩を、鐘を打ち鳴らすことで清め、新年に備えてきました。

鐘の歴史は古く、1300年前の飛鳥時代に、仏教の伝来と共に中国から伝わったといいます。ニッポンで独自に発展したのが、長い余韻。余韻が大きくなったり小さくなったりする、美しい音の響きが「うなり」。西洋の鐘は高い所に設置するため重量が軽く作られ、高音で余韻が短いのです。

ニッポンの鐘をこよなく愛し、鐘だけでなく鐘撞き堂まで自作したドンさん。「いつの日か、ニッポンの鐘みたいに大きなものを作りたいんです」と話します。

そんなドンさんを、ニッポンにご招待! 6年前、念願の初来日を果たしました!

向かったのは、富山県高岡市。古くから鋳物の街として栄えてきた高岡市で、鋳造で鐘を作っている最も歴史のある工房「老子製作所」へ向かいます。江戸時代中期に創業した老子製作所では、広島の平和の鐘や成田山新勝寺など、名だたる鐘を製作。今回ドンさんの熱意を伝えたところ、快く協力していただけることに。

代表の元井秀治さんが案内してくださったのは、井波別院 瑞泉寺。こちらには、井波彫刻という伝統技法で装飾された鐘が。除夜の鐘の時にしかつかない鐘を、元井さんの計らいで特別についていただきます。

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この鐘は、元井さんの祖父である名工・老子次右衛門が約86年前に製作したもの。元井さんは「祖父とかが造っているものにまた出会えて、祖父と会っているような感じが、私の仕事のありがたいところでもあるんです」と話します。

鐘をついていただくと、「信じられないぐらい余韻が長い」と驚くドンさん。長い余韻とうなりの秘密は、下に向かって肉厚になる構造にあります。鐘をついた時に薄い部分がたわみ、その反動で下の厚みが揺れ、長い余韻とうなりを生むのです。この鐘をどうやって造るのか、見せていただくことに。

職人歴24年の楠正樹さんが見せてくださったのは、溶けた銅を注ぎ込む部分。そもそもニッポンの鐘は、銅を型に流し込む鋳造という方法で作られます。

ドンさんも鋳造で作りたいと考えたものの、そこまでの技術はなく……1950年代のプロパンガスのタンクを鐘の大きさに短くカットし、塩と酢につけて侵食させ、古い風合いを出す方法をとっています。

そんなドンさんが知りたかった、鋳造での鐘づくり。大きさにもよりますが、製造期間は3カ月から1年かかるそう。

まず、原寸大の鐘の設計図を作り、「回し型」と呼ばれる型を作成します。これは、鐘のサイズに合わせた、いわばコンパス。軸を中心に回しながら土を削りとることで、鐘の外側になる「外型」を作ります。

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鐘の内側の形を決めるのが「中子」。この中子に外型をかぶせると、その間に隙間が。ここに溶けた銅を流し込み、鐘を作るのです。模様などの装飾は、砂でできた型を外型に埋め込んでいるそう。出来上がった鐘は、1トンクラスでおよそ500万円。最大で40トンを超えるものも製作できるといいます。

ドンさん、念願だった作業を見学することに。鐘の上部に付けられた突起物、乳という装飾を造るところを、この道20年の盤若砂代子さんに見せていただきます。そもそも鐘は仏の姿を模しており、乳は仏の髪の毛「螺髪」にあたるもので、その数は煩悩の数と同じ108個。この乳作りにも手間がかかるそう。

盤若さんが造り始めたのは、乳の型。この型を外型に埋め込むことで、鐘に乳がつきます。乳には多くの種類があり、鐘によってさまざま。乳のサイズやデザインに応じ、回し型は全て盤若さんの手作りだとか。

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乳造りは、1つ作るのに約3分と、スピードが命。鋳物専用の土は水をつけた瞬間から固まり出すため、時間をかけると形になりません。作業を目にしたドンさんは、その速さにびっくり! 「簡単に見えますが、難しさは伝わってきます」との言葉に「それを言われると嬉しいです」と盤若さん。

鐘の型を決める外型造りも見せてくださることに。職人歴27年の森田雄二さんが教えてくださるのは、完成した外型に乳などの装飾をはめる「埋け込み(いけこみ)」という作業。鐘を鳴らす際に木があたる「撞き座」をはめる穴を、釘のようなもので掘り進めていきます。掘る深さは経験でわかるそう。

今度は堀った穴に土を敷き詰め、撞き座の向きが正確になるようにはめこみます。「揺さぶりながら奥へ押しこんでいく。平均的な力で」と森田さん。鐘の仕上がりに直結するため、偏りが出ないよう少しずつ慎重に進めます。こうして1週間かけて装飾がはめ込まれ、ようやく銅を流す準備が整うのです。

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その後もつきっきりで、2日にわたり教えていただいたドンさん。「皆さんの仕事に職人としての誇りを感じます」と話します。

鐘づくりもクライマックス。溶かした銅と錫を型に流し込みます。1200度に達する炉で1トン以上の銅と錫を溶かし、炉から取鍋に移していきます。

この時、欠かせないのが藁を焼いて作った藁灰。銅が空気に触れ、酸化するのを防ぐと共に、浮いてくる不純物を吸着させます。その間も、湯(銅)の温度は1100度に保たなければなりません。温度が低ければ隅々まで行き渡らず、高過ぎれば型が壊れてしまうのだとか。

型に流し込む前に行われるのは、鐘に魂を込める入魂式。この儀式を経て、初めて鐘は特殊な力を持つといわれています。

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入魂式が終わり、いよいよ型に湯を流し込みます。流し込む際には、引火性のガスが溜まって爆発しないよう、火を近づけてガスを誘引。1歩間違えれば、2カ月かけ準備した作業が全て水の泡に。鐘の良し悪しを決める緊張の瞬間です。阿吽の呼吸で作業を続け、無事に終了すると、工房の皆さんから拍手が起こりました。ドンさんも「子どもが産まれたみたいです」と感動!

この後、一昼夜置いて固まるのを待ち、型から取り出します。造られたばかりの鐘は銅と錫が混ざっておらず、音色が不安定。全ての砂を落として外に出し、3カ月風雨にさらして成分を落ち着かせることで、音がまろやかになるそう。

その日の夜、元井さんのご自宅に招かれたドンさん。元井さんの奥さんが朝早くから用意してくださった、香箱ガニや富山の郷土料理に舌鼓を打ち、楽しいひとときを過ごしました。

別れの時。ドンさんは、「アメリカから来た僕を受け入れてくれて、ありがとうございました。瑞泉寺でおじいさまの鐘を一緒について祈ることができたのは、とても感動的でした」と、感謝の気持ちを綴った手紙を読み上げます。

すると、なんと鐘のプレゼントが! しかも、ドンさんが開いた護身術の道場の名を盤若さんが彫ってくださいました。大感激のドンさんは「これからも良い鐘を造り続けてください」と、盤若さんに伝え、皆さんとハグを交わしました。

あれから6年…。元井さん、楠さん、盤若さんに、ドンさんのビデオレターを観ていただきます。

早速、ドンさんが見せてくれたのは、今まで造った中で一番大きな鐘。どのように造ったのか、作業場で見せてもらいます。

鐘の大きさやデザインをパソコンで設計し、3Dプリンターで型を造っていると話すドンさん。実は4年前、鋳造のために3Dプリンターを購入。3カ月の独学で、プラスチックの鐘の型が作れるように。この型をしっかり固定し、石膏を流し込んで鐘の型をとり、一晩寝かせて固めます。釜で熱すれば、石膏部分は残って中のプラスチックの型だけ溶ける仕組みです。

鐘に使う金属はというと、銅は高価なので、使い古した錫製のお皿を奥さんに内緒で溶かしているそう。30分後、石膏を慎重に壊していくと、鋳造で作った鐘が。表面を磨き、酸を塗って錆を出せば完成です。

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これにとどまらず、ドンさんはさらなる進化を遂げていました! 最初に買ったプリンターでは小さいものしか作れず、2台目を購入したのです。ちなみにお値段は1台約100万円! 帰国当初と比べると、2倍の大きさの鐘も作れるように。さらに、「老子製作所」で習ったことを実践。撞き座も同じようなデザインにしました。

帰国して製作した鐘の数は100個以上。大きさや形、デザインもさまざまな鐘を作り出しているドンさん。完成した鐘を自身のSNSにアップしたところ、譲ってほしいという人が何人も! この6年間で100個以上売れ、家のローンも返済が楽になったとか。「売り出したらライバルです(笑)」と元井さん。

実は「老子製作所」も、この6年で大きな変化が。銅板を叩いて造る鍛造しかなかったウイスキーの蒸留器を、世界で初めて鋳造で造ったのです。銅92%、錫8%の合金でできており、錫には酒質をまろやかにして雑味成分を取る働きがあるそう。

そんな皆さんに、ぜひ見ていただきたいものがあるというドンさん。そこで、中継を結ぶことに!

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ドンさんがビデオレターと一緒に送ってくれたのは、新作の鐘。出来栄えを聞くと、「すごく良いです。音も良いですよ」と楠さん。さらなる進化のためのアドバイスを求めると、「あんまり言えないですけど……肉(鐘の厚み)のバランスとか」と教えてくださいました。

ここで、ドンさんから「いつも、鐘を販売する値段に迷ってしまうのですが、皆さんに値段をつけていただきたいです」と相談が。皆さんで相談した結果、出した値段は600ドル。日本円で約9万円、「老子製作所」の鐘と同じ値段です。

「もうプロの仕事だから、これ以上何も教えられません(笑)」と元井さん。ドンさんは「これからも鐘造りを研究して、もう少し大きな鐘も造れるようにチャレンジしていきたいと思います!」と語りました。

ドンさんをニッポンにご招待したら、鐘造りのプロも認める職人になっていました!

月曜夜8時からは、月曜プレミア8「世界!ニッポン行きたい人応援団」を放送!

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