稲垣吾郎、新垣結衣、田中圭、浜辺美波ら豪華スターが大集結!「第36回東京国際映画祭」【写真多数】

公開: 更新: テレ東プラス

10月23日(月)、「東京ミッドタウン日比谷」で、「第36回東京国際映画祭」が開催。
「東京ミッドタウン日比谷」のステップ広場から日比谷仲通りにかけて敷かれた165mのレッドカーペットを205名の豪華ゲストが彩り、会場には国内外のマスコミと観客計510名が集結。大きな熱気に包まれた。

「ゴジラ-1.0」から、山崎貴監督、神木隆之介、浜辺美波

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「正欲」から、稲垣吾郎新垣結衣磯村勇斗佐藤寛太東野絢香稲垣は「出演者一同、覚悟がいる作品だった。それが報われる素晴らしい作品に仕上がりました。ぜひ大きなスクリーンで観ていただきたい。僕は堅物で皆さんと対峙するような役なので、ずっと眉間にしわを寄せています。嫌なヤツと思われるかもしれない」とコメント。

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連続ドラマW「OZU~小津安二郎が描いた物語~」から、城定秀夫監督、田中圭、吉田康弘監督、柄本佑、松本優作監督、前田敦子。

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「監督特集 映画の職人 城定秀夫という稀有な才能」から、城定秀夫監督、磯村勇斗、久保和明プロデューサー。

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最後は、ヴィム・ヴェンダースが監督・脚本を務めた「PERFECT DAYS」より、役所広司ら総勢23名が登壇した。

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性自認が曖昧な年齢の“ジェンダー問題”を描くことに、大きな意味がある


10月31日(火)、「丸の内TOEI」(東京・中央区)にて、「第36回東京国際映画祭」で新設されたアワード「エシカル・フィルム賞」の授賞式が行われた。

【動画】エシカルってなに?

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受賞対象となるのは、ジェンダー平等、環境、貧困、多様性、差別といった現代の重要な社会テーマに向き合った作品。
エシカルの定義を「人や社会・環境を思いやる考え方・行動」とし、エントリーされた新作の中から、エシカルの基本理念に合致する優れた作品を選出。「20000種のハチ(仮題)」、「漁師」、「パワー・アレイ」の3作品がノミネートされた。

第1回「エシカル・フィルム賞」に選ばれたのは、自分の性別に悩みを持つ8歳が主人公の「20000種のハチ(仮題)」。自分の性別に悩みを持つ少年と、それを見守る家族の優しさを描く作品だ。

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表彰式には、エスティバリス・ウレソラ・ソラグレン監督が登壇。受賞について、エスティバリス監督は「2018年、バスクで16歳のトランスジェンダーの男の子が自殺してしまったことを機に、この作品を作りました。彼は日本の文化や侍が好きだったので、日本でこのように受賞できて、私もうれしく思います」とコメント。

作品のきっかけとなったバスクでの事件について、「彼は自らの命を断つことによって、同じ悩みを抱える人たちが、これからの時代に生きやすくなってほしいと願いました。彼が願った世界を描けたら…」とエスティバリス監督。
「映画には社会を変える力があると信じている。映画を見ることによって、知らない世界を現実として受け入れ、共感してもらうことができる。それこそが、映画にとって必要なことではないでしょうか」と力強く語った。

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授賞式後は、審査委員を務めた渡辺一正さん(住友商事執行役員・メディア事業本部長)、工藤里紗さん(テレビ東京制作局 クリエイティブ制作チーム チーフ・プロデューサー)、坂口真生さん(a・unエシカル百科店エシカルプロデューサー)、水野誠一さん(a・unエシカル百科店スーパーバイザー、元西武百貨店社長)によるトークセッションが行われた。

選出理由について、渡辺さんは「主人公がジェンダーに悩み、家族や周囲の人々が当惑しながら前向きに乗り越えていく姿が、エシカル・フィルム賞にふさわしいと感じた」とコメント。

記事画像▲テレビ東京・工藤里紗プロデューサー

エスティバリス監督の『映画には社会を変える力がある』というコメントについて、工藤プロデューサーは、「社会を変えていくには、その問題に多くの人が触れた方がいい。まずは知らない世界を知ることで、変わっていくかもしれない」と共感。
さらに、「主人公が8歳というところが素晴らしい。昨今、10代〜大人のジェンダーについては多く描かれていますが、まだ性自認が曖昧な年齢のジェンダー問題を描くことに大きな意味がある。そして何より、作品全体が美しく、エンターテインメントとしても素晴らしかった」と作品を称賛した。

最後は、審査委員からエスティバリス監督に「ハチが重要な役割をしていますが、ハチをフィーチャーしたのはなぜですか? ハチという存在とトランスジェンダーの問題に共通点があるのでしょうか」と質問が。
エスティバリス監督は、「ハチは怖いイメージがあるかもしれませんが、実は知的で素晴らしい昆虫。私は、自然界の中でハチは多様性のシンボルであると考え、人間界でも同じように多様性が認められればと思います」と笑顔で答え、トークセッションを締めくくった。

「20000種のハチ(仮題)」は、邦題「ミツバチと私」として、2024年1月5日より公開される。

(取材・文/みやざわあさみ)