「何食べ2」ケンジの後輩美容師役で注目!坂東龍汰「会った人全員の人生を知りたい」

公開: 更新: テレ東プラス

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ドラマ24「きのう何食べた? season2」(毎週金曜深夜24時12分)。ケンジ=矢吹賢二(内野聖陽)が勤める美容室「フォーム」の美容師・田渕剛役を演じる坂東龍汰さんにインタビュー。

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人との交流が好き


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――坂東さん演じる美容師の田渕くんは、第4話では、お客さんにずけずけとモノを言ったり、スキャンダル好きだったり、いろんな顔が明らかになりますね。

「いろんな面があって演じていても面白いです。今時の子ではあるけれど、意外とちゃんと軸もある。ただ明るいだけじゃなくて、感じる心をたくさん持っているからこそ、周りの人にいろいろなことを言えるんだろうなと思います。

でも、あれだけストレートな発言をして誰も傷つけない田渕くんってすごいですよね。彼はチャラいだけではなく、相手にちゃんと愛があるから、許されるし愛されるんだと思います」

――彼女・千波(朝倉あき)との関係でも、相手に対して愛を感じましたが…。

「賛否ありますよね(笑)」

――(笑)。ご自身は賛否どちらですか?

「両方です。田渕くんみたいなことを言われたら、彼女からしたら結構きついんじゃないかな。でも、彼に悪気はないというのも分かるんです。僕も、相手を楽しませたいとか笑わせたいという一心で言ったことが、『信じられない!』みたいな感じで受け取られてしまうこともあって。人生で何度か経験したことではあるので、田渕くんにはとても共感します」

記事画像「きのう何食べた? season2」第4話より

――第4話は“無意識に人は誰かを傷つけているかもしれない”というお話ですよね。ご自身は、対人関係で気を付けていらっしゃることなどはありますか?

「ひとりで黙々とする仕事ではなく、大勢の方々と関わる仕事なので、ちゃんと人と向き合って素敵な大人になりたいなとは思います…が、僕の性格は楽しいことは楽しいし、嫌なことは嫌とはっきりしていて。テンションが上がってしまうと周りが見えなくなってしまうので、そこをどうコントロールしていくかということには気を付けています。人から好かれようとか嫌われないようにしようとかいうことは考えないんですが、最低限のストッパーはかけながら生きていこう、と思っています」

――インタビューなどを拝見すると、人と交流するのがお好きなんだなという印象を受けます。

「好きですね。二十歳ぐらいの時は今よりもっと人に対しての興味がすごくて、誰彼かまわず好きになってしゃべりかけて、いろいろ話を聞いて…という感じでした。だって、面白くないですか? 自分と同じ人生を歩んでいる人なんて世の中にひとりもいないわけですから。それだけでも人の話を聞く価値があると思うんですよね。それを聞かないで死ぬのか、聞いていろいろ感じて死ぬのかと言ったら、僕は後者。会った人全員の人生を知りたいと思うんです」

――そうは言っても、人に話しかけるのって勇気が要りますよね。そっけなくされたらどうしよう、とか。

「これまでいっぱい怒られてきました(笑)。急に距離を縮められるのが苦手な方もいらっしゃいますし。だから、最近は『もうそろそろこういう風に人に近づくのは控えた方がいいな』と気を付けています。周りから見たらあまり変わっていないかもしれないですが(笑)。『今、嫌がられてるな』と感じた時は『抑えろ、抑えろ』と言い聞かせて自制しています。人付き合いの仕方を模索中です」

内野さんからのアドバイス


記事画像「きのう何食べた? season2」第4話より

――第4話では、田渕くんが料理を振る舞うシーンがあります。田渕さんは料理をされるんですか?

「今回、田渕くんがカルボナーラを作るんですが、事前にレシピと作り方の動画をいただいたので、家で何回も作って練習しました。最初は難しかったんですが、4日連続で作っているうちにだんだん慣れてきて。でも、フードコーディネーターさんが作ってくださった本番で食べるシーン用のカルボナーラはレベルが違いました! めちゃくちゃ美味しかったです」

――このドラマの料理は、西島秀俊さん、内野聖陽さんはじめキャストの方々みなさんが美味しくて楽しみにしているとおっしゃいます。

「本当に美味しいです。もちろん自分で作ったものも美味しかったんですが、現場のカルボナーラは破壊力がすごかったです。同じレシピと作り方なのに、僕が作ったものとは違って。4皿ぐらい食べちゃいました(笑)」

記事画像「きのう何食べた? season2」第4話より

――撮影ではケンジ役の内野さんとご一緒のシーンが多く、アドバイスもたくさんもらったとか。

「最初は、内野さんはストイックで近寄りがたい方かもしれないというイメージを勝手に抱いていましたが、実際お会いしてお話ししてみるととても優しい方で、初日からいろいろ話しかけてくださいました。僕があまりに緊張していたので、見かねて…ということかもしれないですが(笑)。内野さんの方からジャブを打ってくださって、そこから一気に『この人好き!』となりました(笑)」

――西島さんも、現場の全体の空気を内野さんが作っていらっしゃるとおっしゃっていました。

「本当にその通りですね。現場の空気を内野さんが引っ張ってくださっていたので、そこに“絶対に乗ってやる”“置いていかれないぞ”という気持ちでついていきました」

――具体的には、どんなアドバイスをくださったんですか?

「今回は、現場で感じたことを大事にしたいと思っていたので、あまり作りすぎずに現場に入りました。そんな中で、僕が悩んでいる時に、内野さんは『もうちょっと力抜いて、相手のことを考えすぎずにポンっと田渕らしく言葉を投げてみたら?』と言ってくださって。自分の中でモヤモヤしていたものが一気に晴れて、田渕くんの言葉を気持ちよく出せるようになりました」

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――おふたりの掛け合いのシーンも結構長いですよね。

「キャッチボールのように話すシーンを、アドバイスをいただきながら作っていけて良かったです。内野さんとお芝居をしてみて、“楽しんでやることって大事だな”と改めて思いました。コミカルなシーンも、内野さんがお芝居をちょっと変えたら現場でみんなが笑う、みたいなことがよくあって。だからこの作品って面白いんだなと納得させられる空気を感じました」

――スタッフさんも思わず笑ってしまうというのはすごいですね。

「カメラマンさんが一番笑っている、なんていうことも(笑)。内野さんのお芝居から、真面目な中にも遊び心を持ってやることが大事だということを学びました。これまでは芝居に関してはあまり密にコミュニケーションを取るタイプではなかったので、今回のように、ひとつひとつのシーンについていろいろ相談が出来ることが楽しかったです。この経験をした後は、他の作品の現場でも“何食べ”の時のことを思い出しながら臨むこともあって。それぐらい学びの多い現場でした」

後編】では、坂東さんにとって欠かせないものについてうかがいます。


(撮影:倉持アユミ/取材・文:高瀬純)

【プロフィール】
坂東龍汰(ばんどう・りょうた)
1997年5月24日生まれ。北海道出身。2017年、俳優デビュー。ドラマ「ユニコーンに乗って」(TBS系)、「真犯人フラグ」、「リバーサルオーケストラ」(日本テレビ系)、「王様に捧ぐ薬指」(TBS系)、映画「春に散る」、「バカ塗りの娘」(ともに2023年公開)など話題作に出演。映画初主演作「フタリノセカイ」(2022年公開)で「第32回日本映画批評家大賞」新人男優賞を受賞。北野武監督最新作「首」(2023年11月23日公開予定)、主演舞台「う蝕」(2024年公演予定)、主演映画「君の忘れ方」(2025年公開予定)など出演作が控える。
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