林遣都&高梨臨&佐藤隆太、改めて感じた俳優としての魅力

公開: 更新: テレ東プラス

林遣都&高梨臨&佐藤隆太、改めて感じた俳優としての魅力
林遣都高梨臨佐藤隆太トリプル主演のドラマ「MALICE」が、9月14日(木)より U-NEXT独占配信! とある大学の事務局長が殺害された事件を、警察、容疑者、マスコミという3つの視点から、事件の裏に潜む「MALICE=悪意、敵意、恨み」に迫り、真相を暴いていくヒューマンサスペンス。主演の3人に話をうかがった。

3つの視点から描く人間たちの葛藤


林遣都&高梨臨&佐藤隆太、改めて感じた俳優としての魅力
――第1話では林遣都さん演じる事件の担当刑事・星野尚人、第2話では高梨臨さん演じる殺人の容疑を掛けられた女性・谷村夏帆、第3話では佐藤隆太さん演じるスクープを狙う週刊誌記者・丸山奏太、この3人の視点から事件の真相に迫ります。

佐藤「3人が主演ということで、毎話ごとにそれぞれにフォーカスが当たっていくストーリーが面白いと思います。ひとつの事件を違った角度から追って見ていけることで、いろいろな側面からの感情も出てくるので、それもこのドラマならではですね。自分がメインではない回がどうなっていくのかとても気になりますし、楽しみです」

――プロデューサーの森安彩さんが「描きたかったのは“生身の人間たちの等身大の葛藤”」とおっしゃっていた通り、人間の感情が赤裸々に描かれている作品だと思います。それぞれの役について、特に人間臭いなと感じたところはありましたか?

「刑事の星野尚人については、監督と相談してドラマでは描かれていない人物設定を考えながら演じました。星野は、最初は正義感に満ちた強い志を持って刑事になったのですが、その“誇り”が、組織の中では必要ではない場面、理不尽な現実をたくさん経験して、塞ぎ込んでしまったのではないか、と。そんな心情を抱えた状態からドラマは始まっていきます。

実は、こうしたことは、日常を生きている中で多くの人が経験していることなんじゃないか、とも思うんですよね。乾いた感じというか、どこか諦めてしまっている感じというか。そういう部分を持った星野に、すごく人間っぽさを感じました」

林遣都&高梨臨&佐藤隆太、改めて感じた俳優としての魅力
高梨「大学講師の谷村夏帆は、誰も信じず、とにかく自分だけを信じてのし上がるという生き方をしてきた人間です。男性社会の中で、女性が出世するのが難しい世界で、葛藤を抱えながら生き抜いてきたんだろうなという強さも感じました。

そんな中で、夏帆は“容疑者”として取りざたされて、世間から冷たい視線を向けられ、勝手にイメージを決めつけられてしまいます。容疑者ではないと証明されれば風向きは一気に変わるのに、もう自分の力ではどうしようもなくなってしまうんですよね。悪意を向けられる側の辛さや、多くの意見に惑わされてしまう人間の感情の動きや滑稽さに、人間臭さを感じながら演じてました」

林遣都&高梨臨&佐藤隆太、改めて感じた俳優としての魅力
佐藤「週刊誌記者の丸山奏太は、娘の親権を争っていて、“娘の親権を取りたい”ということが彼にとっての正義になんです。同じ娘を持つ父親として丸山を見たときに、“そこはちょっと詰めが甘いんじゃない?”と突っ込みたくなるところもあるんですが、“でも、それが人間なのかな”と思ったりもしたんですよね。完璧な人間なんていなくて、得意なこともあれば不得意なこともあるわけで、不器用さがたくさんあるところが人間っぽい。丸山のそんなところに人間らしさを感じながら演じました」

役者としての魅力


林遣都&高梨臨&佐藤隆太、改めて感じた俳優としての魅力
――今回トリプル主演という形で共演されて、お互いに役者として改めて感じたことはありましたか?

佐藤「遣都くんは真摯にお芝居に向き合う人なので、一緒に芝居をしていて気持ち良かったです。臨ちゃんは、以前、別の現場でご一緒する機会はあったのですが、こうやって一緒にお芝居をするのは初めてだったので、新鮮でしたし、男らしさというかカッコイイなと感じました。僕は1つのセリフを言うにもいろいろと悩む方ですが、臨ちゃんは覚悟を持って飛び込むところがあって、すごく気持ち良いお芝居をする人で。今回、臨ちゃんの役どころは大変で、留置所の面会室でのシーンが多く、動きとしてはあまり変化のない場面なので、その難しさがあったと思います。自分の感情と向き合う演技の中で戦っていたと思うので、本当に大変だったと思います」

高梨「でも、留置所のシーンではスウェットだったので、すごく楽だったんです(笑)」

佐藤「そういう楽さはあったんだ!(笑)」

林遣都&高梨臨&佐藤隆太、改めて感じた俳優としての魅力
高梨「メイクも20分しかかからなかったから(笑)。隆太さんは、普段と変わらないテンションで、すーっとお芝居に入られる方だなと思いました。自然過ぎてドキッとするというか、“あ、もうお芝居始まっているんだ!”と思うくらい、気付いたらお芝居しているという感じで、すごくワクワクする経験でした。台本を読んで私が想像していた丸山奏太とは雰囲気が違っていて、“隆太さんが演じる丸山”で。隆太さんならではのお芝居を改めて感じさせていただきました。

遣都くんとお芝居するのも久しぶりでした。以前から共演はしていましたが、なかなか絡みがなかったりしたので。10年くらい前は大人しい印象を持っていましたが、今回お会いして、大人になったなぁって思いました(笑)」

「ありがとうございます(笑)」

佐藤「そりゃもう、遣都くんだって、成長した姿を見せたいと思って来てますから!(笑)」

林遣都&高梨臨&佐藤隆太、改めて感じた俳優としての魅力
高梨「そうですよね(笑)。お芝居ももちろんですが、10年前は私も人見知りだったので、お互い人間的に大人になったなと感じたんです(笑)」

「人間としてね(笑)」

高梨「もちろん、役者としての成長も素晴らしいなと感じました。今回は、役柄もあって、すごく謎めいていたんです。“この人何を考えているんだろう?”と、本気で探りながら演じることが出来て印象深かったんです。ストーリー的に、それぞれの過程が全く見えない中でのお芝居でもあったので、謎の多い林くんの演じた星野尚人は、私の中で本当に魅力的でした。そう感じさせてもらえたのも、遣都くんの役者としての素晴らしさなんだろうな、と。遣都くんが演じる星野も、台本から想像していた星野とは違っていて意外で、一緒にお芝居をしていて楽しかったんです。隆太さんと遣都くんならではの個性と演技を改めて感じさせてもらえました」

「高梨さんは、自然体そのものでした。ナチュラルで、みんなと楽しそうに話している姿がすごく印象的で。でも、カメラの前に立つと、いつの間にか夏帆になっているんです。その切り替えも自然で、いつ切り替わったのか分からないくらいで。長丁場のシーンが続いた現場でも淡々とお芝居をしていて、すごい方だなと改めて思いました。現場で監督からの指示にも柔軟に対応されていて、カッコイイ方だなと感じました」

高梨「ありがとうございます」

「隆太さんは、とにかく心強くて、一緒にお芝居をしていて楽しかったです。今作は、事件を3人の視点から追うということもあり、それぞれがそれぞれの場所で撮影をしていていることが多く、そのためお互いの役どころの心情など、全員で会った時の確認作業が必要な状況でした。隆太さんはいつも先頭に立って、時間のない中でも妥協せずにコミュニケーションを取って下さったんです。役者としても、役の膨らませ方が素晴らしくて、隆太さんが演じるからこその“丸山奏太”という人間味あふれる人物が出来上がっていったんです。

隆太さんには、お芝居している時だけでなく、カメラが回っていないところでも楽しませていただきました。普段何気なく話している時も、ワードチョイスがすごいんですよ!」

佐藤「えーっ!どんなところが?」

「監督やスタッフさんとの何気ないやり取りもワードチョイスがすごくて。そういうところが、丸山を演じる中でアドリブとして出ていることもあって、そこに人間味が宿るんです」

高梨「それは私もすごく感じました。“隆太さんが演じるからこその丸山奏太”を楽しんでもらえたらと思います」

後編】では、タイトルの「MALICE」にちなみ「悪意」や「嫉妬」についてのトークを!

【プロフィール】
林遣都(はやし・けんと)

1990年12月6日生まれ。滋賀県出身。2007年、映画「バッテリー」主演で俳優デビュー。「火花」(Netflix)、「おっさんずラブ」(テレビ朝日系)などに出演。現在、ドラマ「VIVANT」(TBS系)に出演中。映画「アリスとテレスのまぼろし工場」(2023年9月15日公開)、映画「隣人X 疑惑の彼女」(2023年12月1日公開)、映画「身代わり忠臣蔵」(2024年2月9日公開)など出演作が控える。

高梨臨(たかなし・りん)
1988年12月17日生まれ。千葉県出身。2008年、映画「GOTH」で俳優デビュー。ドラマ「花子とアン」(NHK)、「恋がヘタでも生きてます」(読売テレビ)、大河ドラマ「西郷どん」(NHK)、「バツイチがモテるなんて聞いてません」(MBS)、主演映画「ライク・サムワン・イン・ラブ」(2012年公開)などに出演。現在、ドラマ「VIVANT」(TBS系)に出演中。
Instagram:@rintakanashi_official

佐藤隆太(さとう・りゅうた)
1980年2月27日生まれ。東京都出身。1999年、舞台「BOYS TIME」で俳優デビュー。「木更津キャッツアイ」、「ROOKIES」(ともにTBS系)、「純愛ディソナンス」(フジテレビ) 、主演映画「ガチ☆ボーイ」(2008年公開)、「漫才ギャング」(2011年公開)など出演作多数。「クイズ!あなたは小学5年生より賢いの?」(日本テレビ系)などバラエティ番組のMCも務める。現在、待望の再演となる一人舞台「エブリ・ブリリアント・シング」上演中。
Instagram:@ryutasato