手がかりは写真1枚…警察も全面協力!差別に苦しむ人生を変えてくれた恩人の行方:YOUは何しに日本へ?

公開: 更新: テレ東プラス

日本を訪れる外国人たちを空港で勝手に出迎え、アポなしインタビュー! そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(月曜夜6時25分~)。今回のテーマは「YOUのドッキドキの大捜査線SP」。日本で愛しいものを探しまくるYOUが大渋滞の95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか?

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羽田空港で声をかけたのは、アメリカから来たグレンさん(37歳)一家。妻の若枝さん(47歳)が番組の大ファンだそうで、「(取材を受けるのが)夢だったんです!」と大歓迎してくれた。これはうれしい! 来日はコロナ禍以来4年ぶりとあって、若枝さんの実家帰省や各地の観光を楽しむ予定だそう。

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そしてもう1つ、どうしても「会ってお礼を言いたい人がいる」というのだ。それは2014年の初来日で奈良公園(奈良県)を訪れた際、花見をしていた10人ほどの日本人家族たちで、“こっちへおいで”と気さくに花見にまぜてくれたそうだ。会話には翻訳アプリを使い、みんなで撮った写真も見せてくれた。「それで日本が大好きになって、また翌年も来日したよ。その時に妻と出会ったんだ。あなたたちのおかげで、愛する妻と子どもができた、と言いたい」…が願いだ。

しかし連絡先も名前もわからず、手がかりは撮影した記念写真のみ。探し方に悩むグレンさんは、「君たちの力も借りられないかな? 助けてください!」と、カイラちゃん(7歳)ともども懇願された。ここまでお願いされたら…、担当Dは「まったくわからないですけど、一緒に探しましょう!」と、恩人探しに便乗したところで密着決定!

2週間後、グレンさんファミリーと奈良で再び合流。手がかりゼロながら、カイラちゃんはやる気満々だ。さて、どうやって探すのか、まずは「地元の人たちに写真を見せて聞き込みするよ。奇跡が起きることを信じたいんだ」とグレンさん。今はまだ、1枚の写真だけが頼りなのだ。

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無謀なのは承知のうえで、まずは家族との出会いの地・奈良公園へ。そばで50年ほど前から店を構える『平宗』(柿の葉寿司が名物)で聞き込みをしたが、心当たりなし。別番組のタイトルも飛び出しつつ(笑)、他の知り合いにも聞いてみてくれることになった。ありがとうございます!続いて公園に入ると、たくさんの鹿に遭遇。鹿煎餅をあげたいというカイラちゃんだが、近づいてきた鹿に大騒ぎだ(笑)。ついでにお煎餅を売る女性たちにも心当たりを聞いて回ったが、進展なし。この日の気温は37℃の猛暑、ひと休みしてランチにしようとしたが、カイラちゃんの強い希望でこのまま捜索を続けることに。

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カイラちゃんのアイデアで、公園近くで23年間ほど人力車を引いているという方にも情報を求めたが、やっぱりわからない。ただ、撮影場所を特定してくれたので、9年前の出会いのスポットへ辿り着くことができ、一歩前進だ。

それにしても9年前、なぜグレンさんは奈良にやってきたのか?

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理由についてこう明かす。ニュージャージー州で生まれ育ったグレンさんは、「僕は黒人という理由で人にあまり歓迎されなかったんだ。前から歩いてきた人が僕を避けるように反対の道へ渡ったり、“カバンの中を見せろ”と職務質問されたり…。差別されて生きてきた」と。就職した金融会社でも嫌がらせを受け、退職することになった。

イヤなことを全て忘れようと、文化の違う日本を一人旅していて、あの日家族と出会った。「外国人である僕を歓迎してくれたことが嬉しかった。ただの奈良観光が、僕の人生で一番の日になったんだ」と、最高の日を振り返る。初めて歓迎され、何気ない優しさに触れ、希望が生まれた日。翌年再び来日すると、今度は妻・若枝さんと出会い、カイラちゃんを授かることができた。だからもう一度会って、感謝を伝えたいのだ。

次はどう探せばいいか途方に暮れるなか、重要な情報を思い出したグレンさん。それは、1人の男性は警察に勤めており、もうすぐ(2014年4月当時)定年退職すると言っていたこと。え、これって大ヒントじゃない!? 翌日は警察へ行くしかない!

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翌日はグレンさんが1人で行動。手始めに奈良駅前交番に聞き込みするが収穫はなく、直接警察署に行くことを勧められた。奈良県の警察署は全12カ所、総勢2,800人が働いている。まずは最寄りの奈良警察署で相談すると、対応してくれた署長さんが「これはなんとかしよーよ!」と、ご厚意で協力してくださることに。

県内でも数少ない女性幹部の方や副署長も登場し、なんと総動員で全面協力! しかも写真の方に見覚えがあるという方も現れたという。グレンさんは希望が見えた、とうれしそうだ。

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翌日、さっそく担当Dの携帯電話に署長から連絡が入った。家族は見つかったのか…!?片っ端から聞き取りしてくれたものの、結果的には見つからなかったらしい。グレンさんは表情を曇らせたが、「残念だけど帰国しないといけない。今回はここで断念するよ」と、悔しい決断。まだ探したいと号泣するカレンちゃんを、優しくハグするのだった。今回の密着はここまでだが、まだまだあきらめたわけじゃない!

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引き続き、番組では捜索を続けることに。心当たりのある方は、番組までハガキで家族の情報をお寄せください。