――写真集の巻末では、兼近さんを取り囲むさまざまな芸人さんやスタッフさんがコメントを寄せています。相方のりんたろー。さんは、兼近さんについて、「承認欲求高め男子」とコメントしていますが、ご自身でもそう思いますか？
「僕、自己顕示欲のバケモノなんですよ（笑）。だけど承認欲求が高くない人は、まずこの世界に入ってこないですからね。何かしらを認めてほしい気持ちがないと、芸人なんてやらないじゃないですか。僕に関しては、『面白いと思われたい』という欲求が強すぎて芸人になった。でも、実は目立ちたくない一面もあって…そういう裏表はあります」
――親交のある大先輩・明石家さんまさんからのコメントも。兼近さんはファンサービスが"神対応"だそうですが、さんまさんの影響もあるのでしょうか。
「デビュー1年目の時から、ファンの方を大切にすることを心がけてきました。何もなかった自分を応援してくれる人たちに『親切にしたい』という気持ちはずっと持っていて。だから、さんまさんもそうなんだって聞いて、よりブレなくなりました。
若手の頃は、劇場でファンサービスをしていると『カッコ悪い』とか『ファンに媚びるな、お笑いだけやっとけ』みたいに言われてしまう風潮があったんです。でも僕は、全部無視してやり続けました。むしろ、“成功者であるさんまさんがやっていることを、劇場にいる人たちはなぜやらないんだろう”と。全然苦ではないですし、自分にとっては当たり前のことなんですよ」
――さんまさんだけでなく、MISIAさん、同期の四千頭身、かが屋、宮下草薙など…写真集に寄せられたコメントから、兼近さんがたくさんの人たちに愛されているのが伝わってきます。
「コメントが豪華すぎて、“これだけで3000円分以上の価値があるな”と思っちゃいました（笑）。お笑い第七世代として一緒にやってきた人たちもいれば、それより前に出会ってプライベートで仲良くしている人たちもいて…。いろんな場所で出会って、それぞれの中にいろんな俺がいる。芸人になりたての頃からずっと見守ってくれた先輩も書いてくれたので、ありがたいなって思います」
――他にも、寄せられたコメントによると、“兼近さんはどんなに疲れている時でも笑顔”だと。なかなかできることではないと思いますが…。
「人間なので、機嫌が悪い時はもちろんあるんですけど、現場に着いたら面白いことをするのが使命なので、自然と切り替わりますね。自分でちょっとテンション低いなと思ったら、エナジードリンクを飲んで元気出します（笑）。ある程度の疲れは気にならなくなります」
――これまでの芸人人生で、大変だったことはありますか？
「芸人になる前の方が、つらいことや大変なことが多かったので、芸人人生で大変だったことはないですね。好きなことしかしてないので、作家さんから『面白くない』なんて小言を言われた時でさえ、ただただ楽しい(笑)。『楽しかったな～』っていう思い出しかないです」
――兼近さんにとって、相方のりんたろー。さんはどういう存在ですか？
「やっぱりパートナーですよね。人生を共にしているので、パートナー以外の言葉が見つからない。仲が悪かったら一緒にやってられないですしね。結局、この世界で残っていくコンビって、仲が良くて、パートナーとしてお互いを大切にしている人が多いのかなと思います」
――最後に「EXITのベルギー行ったらモテるやつ」（毎週土曜 夜11時30分 テレビ東京）について聞かせてください。番組の楽しさをどこに感じますか？
「“自由度”ですね。サッカー番組なのに、あまりサッカーに触れない（笑）。今って、制作側も失敗したくないし、スポンサー側も確実なものしかやりたくないというのがあるから、みんなカッチリした番組しかやりたがらないじゃないですか。だけどたまにあるんですよ、この番組みたいに『どうなってもええで』って番組が（笑）。『テレ東でこんな無茶することある!？』っていう、型にとらわれない面白さがあると思います。土曜の夜、楽しんでもらえると思うので、ぜひご覧ください！」
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【兼近大樹 プロフィール】
1991年5月11日生まれ。北海道出身。NSC東京校19期生。2017年、りんたろー。と、お笑いコンビ「EXIT」を結成。テレビ東京「にちようチャップリン」「ゴッドタン」に出演する他、フジテレビ「EXITV～FODの新作・名作をPon!Pon!見せまくり!!～」などレギュラー出演多数。
歌手、作家、音楽活動や洋服ブランドのプロデュースなど、芸人の枠を超えて幅広く活動中。
（取材・文／みやざわあさみ）
