セックスセラピストに聞く!<セックスレスに陥らないための5カ条>

公開: 更新: テレ東プラス

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今の日本では、婚姻関係にあるカップルの半数以上(※「ジャパンセックスサーベイ2020」調べ)がセックスレスと言われている。恋愛初期はラブラブでも、「気づいたらセックスレスだった」「相手のことは好きだけど、いろいろと面倒なのでセックスはしたくない…」というカップルも多いのでは?
一方で、セックスの頻度が減ってしまった理由や、パートナーとの絆をどのように取り戻せばいいのか分からないというケースも。

そこで「テレ東プラス」は、心理カウンセラーと性機能を熟知した専門医がタッグを組む「カウンセリングルーム Esolve」で、オーガナイザー・アドバイザーを務める木村将貴氏をインタビュー。前後編に渡って、セックスレスの定義や、セックスレスに陥らないための方法を探る。

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記事画像▲「カウンセリングルーム Esolve」木村将貴氏

セックスレスに陥らないための5カ条とは?


――まずはセックスレスの定義から教えてください。どのくらい期間が空いたらセックスレスなのでしょうか?

「日本性科学会は、特殊な事情が認められないにもかかわらず、カップルの合意した性交あるいはセクシャルコンタクトが1カ月以上ない場合をセックスレスと定義しています。セクシャルコンタクトとは、肌の触れ合いなどを含めた性的なスキンシップのこと。必ずしも挿入行為を伴うわけではなく、キスや裸のスキンシップなども含まれます」

――ここ数年で、セックスレスのカップルが増加しているそうですが、これはコロナの影響もあるのでしょうか。

「コロナ禍においては、性的欲求が世界的に低下したという研究結果が出ています。特に2020年初頭の一番混乱していた時期は、性行為に積極的な人が少なかったように思えます。
しかしリモートワークが広まると、男女が一緒に家にいる機会が増え、以前は忙しくて顔も合わせず寝てしまっていたカップルが、強制的に向き合うことに。すると、『時間があるのに、なぜセックスできないの?』という考えに至ります。そういった意味では、コロナはセックスレスへの関心を引き起こすきっかけになったと言えます。
最近は、セックスレスがテレビドラマのテーマになることも増え、日本人の性に対する考え方が変化してきているようです」

――セックスレスそのものが増加しただけではなく、セックスレスへの関心も高まってきたと。

「これには、女性の社会的地位向上が大きく関わっていると思います。これまでセックスは、男性の欲求を満たすものとされ、女性の意見や欲求はあまり重視されませんでした。しかし男女平等が進むにつれて、女性が性的な欲求や不満を言うことが容認されるようになり、セックスレスに対しても女性が声を上げやすくなったのかなと思います」

――夫婦の場合、セックスレスは離婚の原因になるのでしょうか。

「セックスレスが離婚の原因になるかどうか、欧米では以前から頻繁に議論されてきましたが、最近は日本でも無視できない要素になってきています。
もともと日本人は諸外国に比べてセックスの頻度が少なく、性生活を重要視する文化ではありませんでしたが、ここ数年は特に20〜30代の意識が変化していると感じます。これには生殖年齢や不妊の問題も関わっていますが、先ほど言った通り、男女平等化が進んだことにより、むしろ男性より女性の意識が変化しているようです。表面上は『婚姻を継続しがたい一番の理由はセックスレス』というケースはそう多くはありませんが、突き詰めて考えるとセックスレスが離婚の発端になっていることは潜在的に多いと思います」

――夫婦間ではセックスレスでも、パートナー以外とはセックスできるという人もいます。

「そうですね。例えば、勃起不全のある夫が、不倫相手には挿入できるという例もあると思います。逆に、性行為を受け入れられない妻が、不倫相手は受け入れられたというケースもありました。夫婦で話し合い、合意を得られているのであれば、それもひとつの形かもしれませんが、一般的に健全な関係とは言えません。
テレビドラマなどでは、不倫が美化されて描かれることもありますが、現実には、やはり望ましくありませんし、私たちカウンセラーは、そのような事態になる前に対処したいと考えています。妻が離婚を決めてから夫が気づくケースも多々あるので、手遅れになる前に、早めに専門家の助言を求めることが重要です」

ここで木村氏に、セックスレスに陥らないための5カ条を聞いた。

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