観月ありさ、吉沢悠が40代夫婦のリアル語る。パートナーと円満でいるために大切にしていること:週末旅の極意

公開: 更新: テレ東プラス

水ドラ25「週末旅の極意~夫婦ってそんな簡単じゃないもの~」(毎週水曜深夜1時)は、40代の夫婦が温泉旅を重ねながら夫婦だけの時間を過ごす新感覚の旅ドラマ。

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今回の作品で、夫婦役を演じる観月ありさ吉沢悠に、ドラマを通じて感じた40代夫婦のリアルを語ってもらった。

「観月さんは、僕にとってのパワースポット」(吉沢)


――観月さんと吉沢さんは、40代夫婦の真澄と仁を演じています。まずは、お互いの印象をお聞かせください。

観月「以前、少しだけ共演させていただいて、その時は二人とも、企みを抱えている悪役だったんですよね。今回はお互いに純粋な良い人の役なので、うれしいです(笑)。
吉沢さんはさりげない優しさのある方。撮影で一緒に旅をしていて、朗らかな気持ちになります」

吉沢「前回ご一緒したのは1、2シーンぐらいでしたよね。今回はずっと一緒なので、芝居している時の観月さんと普段の観月さん、両方を目にする機会があるんですけど、“こんなにフラットな方がいるのか”と驚きますし、すごいと思います。
観月さんを見ていると、どこか気持ちが落ち着くというか…。僕は観月さんに『どうしたらそんな風にいられるんですか? イライラしたりしないんですか?』とか質問していて(笑)。パワースポットみたいな方なんですよ」

――吉沢さんの素朴な疑問に、観月さんはどう答えたんですか?

観月「そうですねぇ…。イライラする瞬間ももちろんあるんですけど、あまり出さないようにしているのかも。現場がピリッとするのは嫌だなとも思いますし、ふわっとした雰囲気で撮影できた方がみんな平和ですよね(笑)。いつもそんな感じでいるので、波がないんです」

――真澄と仁はバリバリのキャリアで、子どもがいない夫婦です。仲は良いけど、お互いに「このままでいいのかな」とも思っているようで…。そんな夫婦関係をどのように感じていますか。

観月「仕事に一生懸命でキャリアへのこだわりが強く、忙しく働いている夫婦ですよね。このドラマは、そんな二人が旅をすることによって夫婦関係を再構築していくという、とても大人な夫婦の形を描いています。
真澄は天真爛漫で、何でも素直に口に出すタイプ。一方の仁は、いろんなことを突き詰めて考えるタイプ。穏やかで知識を持っている仁は、真澄にとって、いろんなことを教えてくれる相手でもある。バランスのいい関係性だと思います」

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吉沢「夫婦の形はいろいろあって、子どものことを優先する家族もあると思うんですけど、真澄と仁は、お互いの仕事を優先しています。忙しくて夫婦としての会話ができていなかった真澄と仁が、旅先でまったりしながら、今までちゃんと話していなかったことを語り合う。“こういう夫婦って現実にいるだろうな”と思えるストーリーだし、共感していただける夫婦像になっていると思います」

――食事のシーンも見どころです。第1話では、真澄と仁が、宿泊先の豪華なビュッフェで食事をしながら「食べ物の取り方に人間性が出る」と話すシーンも。ご自身のビュッフェの取り方はいかがですか?

観月「真澄は食べたいものを食べたいだけ…というタイプなので、たくさん取るんですよね。仁は少なめで本当に食べたいものだけを取るタイプ。私だったら…どうだろう? やっぱり、ビュッフェでは食べたいものを全部取っちゃうかも(笑)。でも、一つずつはそんなに多く取らず、ちょこちょこ食べて楽しむ感じ。吉沢さんはどうですか?」

吉沢「僕は、まず『全部食べられるかな?』と考えちゃいますね。残したらいけないと思うので。一番食べたい物から3番目に食べたい物ぐらいまで取って、それを全部食べた後、まだ余裕があったらもう一回取りに行きます」

観月「なるほど~。慎重派ですね!(笑)」

――息の合ったお芝居が楽しみですが、演じる上で心がけていることは?

観月「大人夫婦の落ち着いた感じを意識してお芝居しています。何もしゃべらない時間、セリフとセリフの間が長いシーンが多いんですよ。“無”の瞬間があるドラマになっています」

吉沢「間が長いという点では、最初はちょっと戸惑いました。今までのテレビドラマのテンポと比べると“大丈夫かな”と思うぐらい、ゆったりとしたテンポ感ですよね。でも、ロケ地の風景を素敵に切り取った画で見ると、長い間があってもいいんだとよく分かりました。旅ドラマならではの間なのかもしれないですね」

観月「そうかもしれないですね。今回は、間を長く取りながら、ゆっくりのんびりお芝居しているような気がします」

「40代女性の現実を直視する物語でもあり、身に沁みる脚本だと思いま」(観月)


――真澄と仁の夫婦の物語には、40代ならではの葛藤や幸せが詰まっていますよね。お二人も実際に40代でパートナーがいらっしゃるわけですが、演じていて感じることは?

観月「子どもや出産にまつわる話も取り上げていて、40代女性の現実を直視する物語でもあり、すごく身に沁みる脚本だと思います。新婚なら子どもについて話す機会もあるでしょうけど、結婚して年月が経つと、今更話すことでもないかと思ってしまったり、夫婦の会話も減っていったりしますし…。そういうところも丁寧に描かれています。
真澄のように、夢中で働いていて、気づけば出産のタイミングを逃したという女性も多いでしょうし、そういうところにも切り込んでいるドラマだなと。40代、その前後の世代で共感してくださる方は多いのではないでしょうか。
私も同じ40代で子どもがいない夫婦なので、役を身近に感じますし、こういうテーマの作品に出演したいと思っていました」

吉沢「40代夫婦にとって繊細な部分に切り込んでいる脚本だと感じます。夫婦で旅をし、温泉で体も緩んでおいしいお酒を飲む。そんな非日常の空間だからこそ、ちゃんと話せていなかったことが語り合える夫婦の会話が上手に描かれています。うちも子どものいない夫婦なので、共感しながら芝居している部分はありますね。
個人的には、40代がめちゃくちゃ楽しくて! できることも増えているし、充実しています」

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――週末旅がテーマということで、ご自身の休日の過ごし方や、ご褒美としてやっていることがあれば教えてください。

観月「私は、夏になると海に行き、マリンスポーツをすると“ご褒美だな”と感じます。あと、お酒が好きなので、昼間からお酒を飲める時。すごく優雅な気持ちになります。良い一日だな~と(笑)」

吉沢「僕は、自分にとってのご褒美と言われると、いつも“何なのかな?”と考えちゃうんですよ。休日も、稽古とか何かしていないと気が済まなくて、近所のスパでサウナに入るだけで最高! みたいな(笑)」

――最後に伺います。お二人がパートナーと円満でいるために大切にしていることはありますか?

観月「お互い自立していることは、大切なんじゃないかな。夫婦の形はそれぞれですが、自立した者同士が、ともに生活するという形がいいのかなと思います」

吉沢「今回の撮影を通して、“夫婦でやっていくためには思いやりが必要だ”と感じました。相手に対してはもちろん、自分が我慢するのもよくないので、自分自身に対する思いやりも持っていたいかな。ずっと一緒でも窮屈になってくるし、かといって、離れすぎても他人になってしまうし…。夫婦間のバランスはとても難しいと思います。年月をかけながら、お互いにとって良い頃合いを見つけていければいいですね」

(取材・文/伊沢晶子)

【第1話】
「時々思う。仕事に明け暮れ、すれ違いの日々を過ごす私たち夫婦を、夫婦たらしめているものとは一体なんだろう…」と。私は夫に週末旅を提案した。壮大な景色に抱かれた、箱根の芦ノ湖が一望できるホテル「はなをり」で温泉や贅沢なビュッフェに舌鼓を打ち、久しぶりに二人の時間を満喫する真澄と仁。そこで、上品な白髪の老婦人・浅井乃扶子(矢野陽子)に出い…。結婚10 年目、夫婦の週末二人旅が始まった。