英国名門大にも!「進化した国際教育」を実践する巣鴨中学校・高等学校。努力したくなる「硬教育」の秘密

公開: 更新: テレ東プラス

名門校の知られざる姿を、生徒や親、教師など、さまざまな視点を通して紐解く情報ドキュメンタリー「THE 名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週土曜午前10時30分)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回紹介する名門校は、「巣鴨中学校・高等学校」。例年、早慶上理をはじめとする難関大学や、一流大学の医学部に数多くの合格者を輩出。イギリスのオックスフォード大学にも現役合格者を出すなど、世界を視野に入れた多彩な才能を育てている。その原動力である、巣鴨伝統の「硬教育(こうきょういく)」と多種多様な「進化した国際教育」に迫った。

さらに番組は、陸上競技に情熱を燃やす高校2年生に密着。彼は今、未知の経験に挑もうとしていた…。

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「巣鴨中学校・高等学校(以下、巣鴨)」は、東京都豊島区にある中高一貫の私立男子校。全校生徒数は1474人。創立者は、日本社会学の祖・遠藤隆吉博士で、男子の英才教育と人間研究の実践を目指し、大正11年、「旧制 巣鴨中学校」を創立した。

2023年春の大学合格実績は、難関私立大の早慶上理に146人、国公立、私立大の医学部医学科に合計112人と、多くの合格者を輩出している。

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巣鴨には、創立から100年受け継がれる「硬教育」という教育理念がある。「努力主義、つまり“自分で努力しなさい”。それが『硬教育』の元です」(校長・堀内不二夫先生)。

「硬」という字が厳しい教育を思わせるが…「厳しい学校だと思って心配していましたが、入学前のイメージと全然違って、先生方もすごく細やかに子どもを見てくださっている」(高校2年生の保護者)。

百聞は一見にしかず。早速、「硬教育」の現場を見ていこう!

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同校は、JR山手線の池袋駅、大塚駅、東武東上線の北池袋駅などから徒歩10~15分ほどの場所にある。正門をくぐると、樹齢約70年の大きなヒマラヤスギがあり、その奥に、2015年に新しく竣工した5階建てと6階建ての校舎が見えてくる。大きな窓がスタイリッシュな近代的建物だ。しかし、校舎内に入るとその印象は一変! 壁も天井も扉も、ロッカーまでもが天然の木で造られている。大きな扉や天井に使われている木材は、校舎建て替えの際に伐採した敷地内の木を活用。教室内も、床や壁に木がふんだんに使われており、都心にありながら、自然の温もりが感じられる癒やしの空間が広がっている。

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生徒たちに学校の魅力を聞くと、「都会なのに木がいっぱいあって、空気が美味しいです!」と、元気に教えてくれた。あふれる笑顔から、伸び伸びと学校生活を送っていることが伝わってくる。

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次は北校舎へ。図書館は2フロアあり、蔵書数は約3万2000冊、生徒のパソコンで電子書籍も閲覧できる。1階は自習スペース。放課後になると、黙々と自習に励む生徒でいっぱいに。
校舎の奥へ向かうと、大きなグラウンドが広がっている。都心にある学校らしく運動設備は効率的で、新タイプの人工芝はさまざまな競技に対応。

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グラウンドに面したモダンな建物は「ギムナシオン」。古代ギリシャのスポーツ施設の名に由来する体育館だ。校舎同様、木を使った内装で冷暖房完備。体育館の屋上には、テニスコートと野球部の練習場があり、バッティング練習場と投球練習場を備えている。

2限目の授業が終わると、続々と校舎から生徒たちが出てきた。休み時間に全校生徒が校庭に集まって何が始まるのかというと…

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始まったのは、巣鴨オリジナルの「巣園体操」! 休み時間に毎日行われるため、業間体操とも呼ばれている。昭和41年から57年間続く伝統の体操で汗を流す。これも「硬教育」の一環だ。

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50年以上続く伝統行事は他にも。春は、山梨県の大菩薩峠を越える「強歩大会」、夏は、水泳学校で遠泳に挑戦し、日本の伝統泳法を学ぶ。秋は、文化祭と体育祭の「巣園祭」が行われる。

体育祭は、「東京2020オリンピック」のメイン会場となった新国立競技場で一般にも公開して開催。全校生徒たちが張り切る姿を見ることができる。

「巣鴨の6年は、人生の土台を作る時期。特に身体を使う教育を通して、共感力を得ることができる」(堀内校長先生)。

さまざまな場で楽しく身体を動かす…これこそ、100年受け継がれてきた「硬教育」を実践するひとつの形だ。“硬教育”とは、「楽しさや感動の体験を通して、自ら努力したくなる気持ちを育てること」なのだ。国際教育部部長の岡田英雄先生は、「努力はさせるものではない。巣鴨では、生徒が努力したくなるように100年考えてきた。努力したくなる仕掛けを作ることが大切」と話す。

その仕掛けのひとつが、近年力を入れている「進化した国際教育」だ。

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たとえば英語。巣鴨では、身につけた英語をアウトプットできるさまざまなプログラムが用意されている。マンツーマンで英語でのコミュニケーションを学ぶ「オンライン英会話レッスン」や、海外の名門校へ3カ月間の短期留学ができる「ターム留学」。また、イギリスの歴代首相20人とウィリアム皇太子が通った名門・イートン校で3週間学べる「サマースクール」など、充実した海外留学プログラムも生徒たちに大人気!

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最も人気があるのが、長野県・白樺高原の施設で開催される「巣鴨サマースクール(通称:SSS)」。イギリスのオックスフォード大学やケンブリッジ大学出身の講師を招き、「真の学びと感動を与える授業」が行われる。歴史の専門家やミュージカルの音楽監督、水泳の元イギリス代表選手など、第一線で活躍する人物が講師を務める。

「SSSは、終わってから生徒が英語をもっと勉強したくなるように考えられたプログラムです。イギリスから優れた講師を招き、直に触れ合うことで、世界には魅力的な人がたくさんいて、その人たちと話してみたい、そのためには英語を使えるようになりたいと思わせる仕掛けを作っている」(岡田先生)。
こうした国際教育が実を結び、現役でオックスフォード大学へ進み、卒業したOBもいる。

優れた講師から学ぶことで憧れや感動が生まれ、自ら努力する原動力になる…。巣鴨の「進化した国際教育」には、実体験を通して生まれる成長のカギが隠されていた。そしてそれこそが「硬教育」の目指すところなのだ。

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そんな巣鴨で今回番組が注目したのは、陸上部の部長、高校2年生の平林巧成くん。巧成くんは、来年のインターハイ出場を目指しているが、その前に越えたいハードルがあるという。ひとつは1500メートルで自己ベストタイムを更新すること、そしてもうひとつ、競技以外の目標があった。

今年4月、巧成くんは陸上競技を公正に行うために欠かせない、公認審判員の資格を取得。数ある役割の中から、難しいとされる陸上競技アナウンサーを希望し、都内で2人しかいない高校生アナウンサーに挑戦した経験も。

そんな巧成くんに、試練の日がやってきた。インターハイの地区予選となる「東京都高校総体」。その大きな大会のアナウンスで、予想外の大役を任されることになり…!?

番組ではこの他、授業や巣鴨サマースクールの様子、巧成くんがアナウンサーを務めた「東京都高校総体」本番の様子、さらに、巧成くんが選手として自己ベストに挑んだ大会の結果などを紹介する。

毎週土曜午前10時30分放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)をどうぞお見逃しなく!