廣津留すみれを育てた母・真理が明かす“娘との現在地”「子と親は独立した存在であり、互いに依存しないことが大切」

公開: 更新: テレ東プラス

――ハーバード大に進学したすみれさんは、日本の大学ランキングや偏差値などは何も知らないそうですが、真理さんは、偏差値至上主義の日本の教育をどう捉えていますか。

「さまざまな意見や選択肢があるのが社会であり、正直、日本の教育に文句を言っても仕方がないと思っています。定員があるため、どうしてもふるいにかけなければいけないのが試験です。競走過多になっているので、その内容はどんどん難しくなっています。親も教育機関も本来の目的を見失っていて、子どもをものすごく苦しめる謎のシステムだなとは思います。
ただ、前編でもお話ししましたが、問題はそこではなく、親も子も、”ぶれないこと”、”振り回されないこと”、”人のせいにせず、自分軸で生きること”が重要ですね」

記事画像
「個人的には、子どもの“好き”や“得意”を伸ばすことが大切だと思います。大手企業で出世を目指す、という価値観だけでなく、YouTuber、マーケッター、投資家…と、日本も多様性のある社会になってきました。子どもたちが段階ごとに“進路を決めさせられる、決めなきゃいけない”と思う心、そう追い込まれる環境が一番まずいのでは? と感じます。どこか強迫観念のようになっている。
学歴は、“この人は点数をアップさせることに関しては極めて優秀だ”というシグナリングとしては有効ですから、向いている人には良いのでは。ですが、学歴以外にもその子が才能を伸ばせる領域はたくさんあります。私のように”得意”がいつのまにか’好きな仕事”になる、そういう人生もありますよ」――今回出版した本には、“好き”と“得意”を伸ばすための子育てのルールや取捨選択の大切さも書かれています。

「誰にとっても時間というのは限られています。その中で、自分軸を持って、他人にふりわまされることなく、何をするか、しないかを決められることが大切です。その取捨選択法、優先順位の付け方を15のルールでお伝えしたのがこの本です。
子どもを変えようとするのではなく、親が人と比べることなく自分軸を持つことで、子育てはぐっとラクになります。すると、家庭に笑顔が増えて、子どもは自ら伸びていきます。
ここでお伝えしているルールを一つでも試していただいて、変化を感じていただけたら嬉しいですね。未来は予測するものではなく、自分で作るものですから!」

記事画像ハーバード生たちに学んだ『好き』と『得意』を伸ばす子育てのルール15

【廣津留真理 プロフィール】
ディリーゴ英語教室主宰/株式会社Dirigo代表取締役/一般社団法人Summer in JAPAN代表理 事兼CEO。早稲田大学卒業。英語指導歴30年。大分の公立小中高から留学経験なしで米国ハーバード大学に現役合格した娘・廣津留すみれの家庭学習指導経験から確立した汎用性のある「ひろつるメソッド」でディリーゴ英語教室を運営し、これまでに数万人を指導、英検や難関大学合格に導く 。
現役ハーバード生が講師陣のサマースクール Summer in JAPAN(2012~ )で多様性重視のグローバル教育を推進し、2014年経済産業省「キャリア教育アワード」奨励賞受賞。「徹子の部屋」「羽鳥慎一モーニングショー」(テレビ朝日系)などのテレビ出演で反響を呼ぶ。
著書に、『英語ぐんぐんニャードリル ひろつるメソッド 最短最速! ゼロから一気に中2終了』『英語ぐんぐん ニャー単600 ひろつるメソッド ゼロから一気に中1終了』、 『成功する家庭教育 最強の教科書』(講談社)などがある。

画像ギャラリー