「ブラジルで一人暮らす父に会いたい!」ニッポンに住む娘一家が、25年ぶりに実家へ!:世界!ニッポン行きたい人応援団

公開: 更新: テレ東プラス

続いて紹介するのは、ブラジル北部の街・トメアスに住む、日系1世の草野恒雄さん。

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6歳の時、福島からブラジル・アマゾンの奥地へと移住した恒雄さん。63年ぶりの故郷ニッポンにご招待し、出稼ぎのため、ニッポンにいる長男の照雄さんと次女のリアさんと再会。夢のような1週間を過ごしました。

あれから6年。リアさんには、恒雄さんについて気がかりなことが。家業のフルーツ農園を一人で守っている恒雄さんですが、連絡も頻繁に取れず、3カ月に一度のメールには体調がすぐれないとの文面も。
ニッポンへ出稼ぎに渡って以来、アマゾンの実家には一度も帰っていないリアさん。夫のジウマールさんやお子さんたちも、おじいちゃんを心配しています。

そこで今年3月、ジウマールさん、長男の龍くん、次女のルアナちゃんと共に、25年ぶりにブラジルの実家に帰ることに。
今回は、恒雄さんの75歳の誕生日に合わせて里帰り。ブラジルまでの直行便はなく、飛行機を乗り継いでサンパウロの空港へ。その後はブラジル国内を北へ移動し、ブラジル北部最大級の都市・ベレンに到着。6年前、恒雄さんと一緒にご招待した妹のきよ子さんも、サプライズで里帰りに誘います。
スピードボートで2時間かけて、アマゾン川の上流へ。さらに車で3時間…。ニッポン出発から約100時間後、日系移民が切り開いた街トメアスに到着しました!

実家を訪れると、恒雄さんが驚きながらも出迎えてくれました。この3年、持病の糖尿病に加えて胸膜結核も患い、仕事を控えていましたが、今年に入って体調が回復。フルーツ栽培を再開したそう。

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たまたま実家を訪れた、トメアス在住の兄・幸雄さんとも15年ぶりに再会。父の様子を見に来てくれる幸雄さんに、「いつも父さんを支えてくれてありがとう」と感謝を伝えることができました。
幸雄さんの息子・イゴルくんと、歳が近いルアナちゃんは、紹介されるまでもなく意気投合。2人で森に遊びに行くという出来事も。

この日は、朝からイゴルくんも遊びに来て、みんなで農園のお手伝い。リアさんは「うれしいです。子どもたちにおじいちゃんのお手伝いをさせたかったので」と話します。

そんなリアさんには、今日中にどうしても果たしたい夢がありました。ブラジルにいるお姉さん、お兄さんと一緒に、恒雄さんの誕生日を祝いたいのです。

3つ上の姉・奈美さんは、リアさんが小学生の時、ニッポンへ出稼ぎに出た母の代わりに、さまざまなことを教えてくれました。高校を卒業するまでの8年間、心の支えになってくれた奈美さんとは、17年会っていません。

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と、そこに奈美さんが! 17年ぶりの再会に、リアさんは「うわぁ信じられない!」とびっくり。しかし、今回の里帰りはブラジルの家族全員に秘密だったはず。「サプライズなのに、なんでリアがブラジルにいるのがわかったの?」と恒雄さん。

実は、ベレンの街中で撮影していたところを、地元の新聞記者が目撃。独自に番組の情報を調べ、記事にしていたのです。タイトルは「日本人帰国」。たまたまその新聞を見た奈美さんがきよ子さんに連絡し、逆サプライズに協力してもらったというわけです。

17年ぶりの再会を果たしたところで、恒雄さんを元気づけるため、家族揃っての誕生日パーティーの準備。本人にバレないよう、恒雄さんにはお孫さんたちと近所の釣り堀に出掛けてもらい、リアさんと奈美さんは、サプライズに欠かせないある物を手に入れるため、トメアス市街地へ。そこで25年ぶりに再会したのは、リアさんの幼馴染、日系2世の花輪エリアーネさん。小さい時から何をするにも一緒だった大親友で、今回バースデーケーキをお願いしていました。日系人の間では、お菓子作りが得意な花輪さんにお願いするのが大人気!

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ホイップクリームでデコレーションしたケーキは、ジェニパポというフルーツから採れる天然色素で真っ青。ブラジルでは、青いスイーツがトレンドなのだとか。

リアさんがバースデーケーキを無事手に入れた頃、家ではきよ子さんと幸雄さん、ジウマールさんが部屋の飾り付けをしていました。
そこに訪れたのは、恒雄さんの弟・重雄さん。69年前、4歳の時、一緒にブラジルへ移住しました。この日は兄の誕生日を祝いたいと、170キロ離れた町から奥さんと2人でやってきたのです。

こうして準備が整ったところで、何も知らない恒雄さんが自宅へ。バースデーソングで出迎えられ、バースデーケーキのろうそくを吹き消した恒雄さん。メガネにケーキのクリームがつくハプニングもありましたが、みんなに「ありがとう」と感謝の気持ちを伝えます。

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こうして25年ぶりに家族が揃い、誕生日会がスタート! 料理の主役はお寿司です。内陸部のトメアスではなかなか食べられませんが、300キロ離れたベレンなどからネタを仕入れて作ってもらうそう。

「子どもや親戚が集まって、こうして食べるっていうことは滅多になかったよ」と恒雄さん。ここまで盛大に食卓を囲むのは初めて!

重雄さんは「僕は兄さんを誇りに思っています。両親から受け継いだこの土地を一生懸命守ってくれています。感謝しています」、奈美さんも「父さん、本当に誕生日おめでとう」と伝えます。

家族が揃った貴重なひととき…。「父さん幸せ?」と聞くリアさんに、「もちろん」と答える恒雄さん。「父さんがうれしいなら、私はもっとうれしいです」と、笑顔があふれます。
そして、リアさんから恒雄さんに、もう一つサプライズが! フルーツの収穫に役立つ、高枝切りバサミのプレゼントです。

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早速、梁に引っかかったクラッカーの中身をつかんでみると、恒雄さんは「これは使える!」と大喜び。

ルアナちゃんは、みんなに内緒で描いた絵と手紙をプレゼント。「ママを大事に育ててくれてありがとうございました。また会えると聞いた時、うれしすぎて泣きそうでした」と手紙を読み上げます。

最愛の父の誕生日に、最高のお祝いを贈ることができたリアさん。その後も家族で故郷を満喫し、10日間の里帰りはあっという間に過ぎていきました。

ニッポンへ帰国する日…。空港の近くまで見送りたいと、ベレンのきよ子さんのお宅に、家族の皆さんが集まります。

「まずはみんなにお礼を言いたい。日本から娘が駆けつけて来てくれて、家族みんな一堂に集まってくれて……」と話す恒雄さん。リアさんは「短い間でも家族が集まれて幸せでした」と目を潤ませます。

「心が苦しくて……本当に辛い。もっともっとみんなと顔を合わせたい」と奈美さん、「機会をくれた全ての人に感謝しよう」と幸雄さん。リアさんも、「感謝の言葉がないくらい、感謝しています」と話します。

ここでリアさんが、手紙を読み上げます。「父さんに再び会えたのは本当に奇跡でした。何よりもうれしかったのが、父さんが健康でいてくれたことです。15年以上離れていた姉さんと兄さんに会えたこと……嬉しくて言葉になりません。一生心に焼き付けたい思い出は宝物です」。

手紙を受け取り、「また全員で会いたいね」と恒雄さん。龍くんからは、恒雄さんとリアさん、奈美さんと幸雄さんが写った、誕生日パーティーの写真とフォトフレームが贈られました。

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別れの時。ハグを交わし、別れを惜しみます。「会えてよかった」「ありがとうね、来てくれて。元気で頑張れ!」と、涙するリアさんと恒雄さん。何度も手を振りながらベレンを後にしました。

家族の絆を確かめ合えた、25年ぶりのブラジルへの里帰り。帰国を前にリアさんは、
「遠く離れた私たち家族にとって、かけがえのない瞬間でした。今度はニッポンの私たちのところへ呼べるように頑張ります。いつかその夢を叶えられれば。皆さんありがとうございました!」と語りました。

月曜夜8時からは、月曜プレミア8「世界!ニッポン行きたい人応援団」を放送!
「ニッポンの“切り絵”が大好き!」
ブルガリアで“切り絵”に夢中になっているアネリアさん。3年前に念願の初来日! 憧れのニッポンで、「早川鉄兵さん」「福井利佐さん」「福田理代さん」と3人の切り絵作家からそれぞれ直接テクニックを教わる。
そして今回…アネリアさんから「ブルガリアでお世話になったニッポンの作家さんと展示会を開催したい!」と招待状が! そこで、早川鉄兵さんが海を渡り現地で新作を制作することに!

「お世話になった“ニッポンの切り絵作家”をブルガリアへ逆ご招待!」
3年ぶりに再会した切り絵作家・早川鉄兵さんとアネリアさん。「早川さんへの恩返し」としてブルガリアの各所を案内。さらに、歓迎会が!
そこで出迎えてくれたのは…日本大使! 切り絵展の宣伝のためにテレビ出演するなど、とんでもない展開に! 果たして、わずか3日で制作した早川さんの新作は? 展示会は成功するのか?

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