歌声だけで審査するオーディション番組「目を閉じてお聴きください」（毎週水曜深夜1時30分）。アーティストは顔を出さなくても、売れることができる時代！ 視聴者はもちろん MC、審査員にも顔を見せず、「歌声」だけで審査していく番組です。

MCを務めるコットン(西村真二、きょん)のお2人にインタビュー！ 番組の見どころや、オーディションにまつわる話をうかがっていると……突如、「〇〇オーディション」が始まっちゃった！？

“声”へのこだわり

――「歌声だけ」で審査する新しい形のオーディション番組です。コットンさんはMCとして見届ける側ですが、ご自身のオーディションや面接など“選ばれる側”での思い出はありますか？

西村「アナウンサー試験ですね。芸人になろうと思ってはいましたが、その前に就職しようとアナウンサー試験を受けたら、意外にあれよあれよと進んで。実は、最初に落ちたのはテレ東さんかもしれません」
（※西村さんは「広島ホームテレビ」の元アナウンサー）

きょん「もったいないことしましたね～」

西村「本当ですよ、テレ東さん勘弁してくださいよ！(笑) でも、もし受かっていたら今のコットンはないと思うので、そういう意味では落ちてよかったです(笑)」

きょん「僕が一番印象に残っているのは、就活していた時のグループ面接ですね。グループディスカッションでリーダーになった方がアピールになるかなと思って立候補したんですが、みんなの前での発表の時に持ち時間が30秒くらい余っちゃって。とっさに『僕たちはこういう話し合いの結果にな〜りま〜～した〜～～♪』って、ミュージカル調みたいに歌を歌って(笑)。そうしたら人事部の人が爆笑して、そのグループで僕だけ受かったんです。印象に残すことは大切なんだなと学びました」

西村「周りを蹴落とす能力がすごいんだね」

きょん「そういう言い方になっちゃう!?」

――（笑）。「声」に特化した番組ですが、芸人さんにとっても声は大事ですよね。お2人の声に対するこだわりは？

西村「アナウンサーをやっていたとは思えないほど声帯が弱いので、とにかくメンテナンスは欠かせません。ポリープの手術も2回しているので、月に1回病院で声帯を診てもらっていますし、薬は常に持ち歩いています。毎晩寝る前に消炎剤を吸入して、声帯を潤った状態に保つ、というケアもしています」

――アーティストさんのようなケアをしているんですね！

西村「まさに、病院から処方されているのが、歌手の方がツアーの時期などに吸入する"アーティスト薬"と呼ばれているもので。その病院では僕はアーティスト扱いです(笑)」

きょん「僕は、声は弱い方ではないですが、女装からおじさんキャラまでコントの中で幅広く声を出すことが多いので、常にいい状態にしておこうと心がけています。『この女性はこんな感じの声だろうな』とか『このキャラはちょっと渋めの声かな』とか、キャラに入る時の声のこだわりは人一倍強いと思います」

西村「相方の僕が言うのも照れくさいですけど…きょんの声の高低の“つまみ”の数は多いですよ。僕は3つくらいしか声色がないけど、きょんは7〜8つある。やっぱり、あれってプロの技？」

きょん「そうかもしれないね」

西村「自覚ない？」

きょん「ゼロ！」

西村「さすが、天才っすね！」

――（笑）プロの技を教えていただいたところで…芸人さんにとって「声だけ」といえば、やはりラジオが思い浮かびます。コンビでのレギュラー番組「コットンのバタフライピンポン」（ラジオアプリ「GERA」）、西村さんは「キラスタ」（FM NACK5）などをやっていらっしゃいますが、今後、ラジオでの野望は？

西村「昔からラジオが好きでAMもFMも聴いていたタイプで。やっぱり『キングオブコント』で優勝して売れっ子になって『オールナイトニッポン』を持ちたいという野望はあります。

ラジオだけは100％本音でしゃべることができる場所だと思っていて。例えば、テレビだとスポンサーや時間帯の関係で、マイルドに『股間』って言うんですが、そりゃ僕らは『ち○こ』って言いたいんです！(笑)」

きょん「やっぱり男って、いくつになっても下ネタが大好きなんですよ。今でも楽屋で『ち○ちん』って言って爆笑したり、急に全裸になって『どこで着替えてるんだよ！』って笑ったり。本当にしょうもないんです(笑)」

西村「なぁ、コンビ揃ってち○この話して…。話題変えてや、頼むわ！(笑)」

――（笑）でも深夜ラジオって、中学生の放課後の雰囲気で、仲間内の盛り上がりみたいだったり、リスナーと秘密を共有している感じだったりがありますよね。

西村「そうなんですよ。それを盗み聞きしている感じが堪らなくて」

きょん「そういう中学生な感じに戻りたい！ 『オールナイトニッポン0(ZERO)』も2回くらいやらせてもらったり、オードリーさんのラジオにも呼んでいただいたりして楽しかったので、深夜ラジオはいつかやってみたいです」

――もしヴィジュアルや動きはなしで“声”だけで判断されるオーディションがあったら、お2人だったら何でチャレンジしますか？

きょん「犬の鳴き声オーディション」

西村「鳴き声だけで？」

きょん「そう。幼少期に犬を飼いたかったんですけど、両親が飼わせてくれなくて。いつか自分が家庭を持った時には、犬を飼いたいという思いがあるので、その時は鳴き声だけで決めようかなって」

西村「犬を鳴き声でオーディションするってことね。どういう鳴き声がいいの？一節やってもらっていい？」

きょん「バウッ！！」

西村「あー、なるほどね。僕もやってもいい？」

きょん「いいですよ」

西村「ワオーーン！！」

きょん「本気だね」

西村「負けたくないからね」

きょん「それは大型犬だね。僕は小型犬もできるから」

――パチパチパチパチ！ では大型犬と小型犬で、それぞれ優勝ということで(笑)

大躍進の1年、今後の目標は？

――結成10年の2021年にコンビ名を「ラフレクラン」から「コットン」に改名し、2022年の「キングオブコント」で準優勝。改名のきっかけにもなった「しくじり先生 俺みたいになるな!!」(テレビ朝日系列)出演時には、「今は、ホップ・ステップ、ジャンプの前に膝を曲げてる状態」とおっしゃっていましたが、今年は宣言通り“ジャンプ”の大活躍。ブレイクのきっかけはどこにあると思いますか？

きょん「あなた、しくじりっ子ですね？」

西村「しくじりっ子というよりは、若林(正恭)さん一派ですね？(笑)。芸人として頑張ってきたことや、『しくじり先生』で改名したことも大きなきっかけだと思いますが、1番大きな要因は、やはり2022年の『キングオブコント』だと思います。コットンを語る上では、キングオブコント“以前”“以後"のようにガラッと人生が変わりました。生活に彩りがついたし、WEB CM出演などお仕事の幅も大きく変わった。でも、ここで満足せずに『今後こうしていこうね』というのも2人でうまく話し合えているので、お互いにいい状態で膝を伸ばしていると思います」

――ブレイクしてのこの1年、見える景色や目指すところは変わってきましたか？

きょん「それは全く変わらないですね。小さい頃から見ていた番組に呼んでいただく機会も増えましたが、僕らの目標は、あくまでも『キングオブコント』優勝なので」

西村「そうですね。全ては『キングオブコント』優勝を経て、からの目標です。優勝して、単独ライブで好きなネタをやって、劇場にも出ながら、テレビで活躍することが理想です」

――2022年は「キングオブコント」準優勝、きょんさんは今年の「R-1グランプリ」でも準優勝されましたが、やはり“優勝”と“準優勝”では違いますか？

西村「天と地の差です！」

きょん「僕はやっぱり『キングオブコント』のトロフィーを持ちたいから、『R-1』でもあえて準優勝にしておいたんで」

西村「あえて！？」

きょん「あえてです。最初に一人でトロフィーを獲るより“あえて”準優勝で、コンビで今年の『キングオブコント』でトロフィーを持とうと」

西村「今の発言、(『R-1』優勝者の)田津原理音くん怒るんじゃない？(笑)」

きょん「田津原くんには、このインタビューを見せないようにしておいてください(笑)」

――では最後に、番組「目を閉じてお聴きください」の見どころをお願いします！

西村「スマホやタブレットで何でも観られる時代に、あえて声だけという攻めた番組です。すごく粋だなと思いますし、スタッフさんの想いや熱量も感じるので、令和の『ASAYAN』になるように、我々も令和のナインティナインさんになれるように、マジで頑張ります！」
※『ASAYAN』：テレビ東京で1995～2002年に放送され、モーニング娘。、鈴木あみ、CHEMISTRYなど数多くのアーティストやタレントを輩出した夢のオーディションバラエティー。番組MCはナインティナイン。

きょん「深夜1時30分からの放送ですが、深夜の番組の中で1番いい番組なんじゃないかと思います。なぜなら、“寝なくちゃいけないけど、テレビが観たい”っていう時、目を閉じたまま、音だけを聴いていても楽しい番組なので、これはもってこいです。とはいえ、この番組が話題を呼んで放送時間が上がったら、さらにいろんな人に知ってもらえる機会が増えるので、頑張りたいです。

あと…放送開始からの何回か、番組が終わった後にSNSで告知してしまっていたので、今後は放送前に告知するように意識します！(笑)」

西村「そこは目を閉じず、現実と向き合って！ 僕らも番組のハッシュタグ #めをとじ を入れてガンガンつぶやきます！」

みなさんも、SNSで #めをとじ をつけてつぶやいてくださいね！
番組Twitter：@mewotojiplease

【プロフィール】
コットン
2012年4月にコンビ結成。ツッコミ・西村真二（にしむら・しんじ） ボケ・きょん。2021年にはコンビ名を「ラフレクラン」から「コットン」に改名。「NHK新人お笑い大賞」2019年優勝、2022年「キングオブコント」初の決勝進出で準優勝、きょんは2023年「R-1グランプリ」で準優勝。「ラヴィット!」（TBS系)、「ヒルナンデス!」（日本テレビ系)などにレギュラー出演中。「目を閉じてお聴きください」（テレビ東京系）で地上波番組初MC！
Twitter：西村 @slimboy24
きょん @k_is_abokado