30代を迎える俳優・福士蒼汰「将来的に海外作品にもっと挑戦していきたい」

公開: 更新: テレ東プラス

 
ドラマ8「弁護士ソドム」(毎週金曜夜8時放送 ※初回2時間スペシャル/テレビ東京系)で主演を務める福士蒼汰。自身初の弁護士役、ダークヒーローを演じるにあたって、企画から参加、自らプロットまで書いたという渾身のドラマだ。

「弁護士ソドム」福士蒼汰×祖父江P 後編
インタビュー【後編】では、“俳優・福士蒼汰”のイメージどおりの努力家で真面目な素顔、作品の舞台裏に、同席した祖父江里奈プロデューサーとともに迫ります!

※【前編】はこちら

“俳優・福士蒼汰”の魅力


「弁護士ソドム」福士蒼汰×祖父江P 後編弁護士ソドム」第1話より

――福士さん演じる小田切渉のやり手弁護士としてのダークな部分にも期待が高まりますが、祖父江さんは「キュンとするシーンもあります」とおっしゃっていました。それって玄理さん演じる人権派の“マチ弁”若松まどかとの…!?

祖父江「直接的なラブシーンではないですけが、いろんな場面でキュンとさせてくれるんじゃないかと思っています。法廷シーンと普段の渉とのギャップとか」

「弁護士ソドム」福士蒼汰×祖父江P 後編
――動画メッセージでも、生きていく上で「学び」は欠かせないという福士さんは、非常に向上心のある方だと感じます。祖父江さんからご覧になって“俳優・福士蒼汰”の魅力はどんなところだと思いますか?

祖父江「その言葉どおり真面目で努力家な俳優さんだと、お会いするたびに思います。監督や私によく細かな内容の相談もされるんですが、“作品”としての見え方を考えていらっしゃるんですね。自分の役のことだけではなくて、他の俳優さんの見え方についても、広い目線で全体を見られる俳優さんだと感心しています」

福士「自分以外の役も…というのも、結果的に渉というキャラクターに繋がってくるので、それぞれに注目するようにしています。全体がよくなれば主人公もより魅力的になるし、主人公がそうなれば周りの登場人物も個性が生きてくるかな、と。その結果、作品全体がいいものになる、と思っています」

「弁護士ソドム」福士蒼汰×祖父江P 後編「弁護士ソドム」第1話より

――他の俳優さんの見え方というところで、渉と行動をともにする加藤清史郎さん、山本美月さんら若い俳優さんにアドバイスなどもされるんですか?

福士「具体的には言いませんが、“このシーン、きっと悩んじゃうだろうな…”と思う場面では、事前に話をしたり、擦り合わせをしたりして、悩みを解消できるようにしてあげたいと思います。僕もかつてはそういう経験をしましたし、少しでも助けになれたらいいな、と」

祖父江「頼もしい座長ですね」

福士「いえいえ。あくまで僕の経験ですが、真っ直ぐお芝居するところは、そのまま真っ直ぐにやればいいと思うし、その方がいいお芝居ができることが多い気がするんです。それが巡り巡って、結果、いい作品になると思っています」――企画から参加し自らプロットも書き、現場では全体に目配せもできる。そうなってくると、俳優としてだけではなく、制作者・プロデューサー的な仕事にもご興味は?

福士「どうでしょう…今回は自分の中のアイデアをお伝えする場を設けていただきましたが、脚本にしても、いちから書けるのかと言われたら難しいと思います。餅屋は餅屋じゃないですけど、その場その場のプロがやるのが、やはり一番かなと。ただ、今回の経験を通じて、役者以外としてのドラマへの関わり方に興味が湧きました」

「弁護士ソドム」福士蒼汰×祖父江P 後編
――お話を聞いていますと非の打ちどころがない印象の福士さんですが、渉の異名である「ソドム」は旧約聖書に登場する街の名前で、「退廃」や「悪徳」の象徴とされる言葉。ご自身の中にそういった部分はあったりするんでしょうか?

福士「う~ん、何でしょう(熟考)。自分では分からないですけど…」

祖父江「私も福士さんの中の“悪”は、今のところ全く見つからないです。最終回の撮影までに何とか見つけたいと思います(笑)」

福士「この作品、この役をやるにあたって、これから“悪”にかけた質問が多くなると思うので、次までに考えておきます!」

――(笑) きっと佳境となる終盤の撮影をしているであろう5月30日に30歳の誕生日を迎えます。本作は30代の福士蒼汰を占う試金石にもなるのではないかと想像しますが、ご自身はいかがですか?

福士「そうですね。大事な役、大事な作品になりそうです。気を引き締め直します」

祖父江「オリジナル作品を増やしたいテレ東としましても、『ドラマ8』という枠としましても試金石になりますので、我々スタッフも気を緩めずに努力します」

福士「最初にお話をさせていただいたときから“新しい夜8時の枠でエンターテイメントを見せたい”というコンセプトがあったので、そうなるべく、僕ら俳優陣も努力したいです」

――30代はどんな俳優でありたいですか?

福士「年齢とともに演じる役も変わってくると思います。今までは新人や若手の役でしたが、中堅や今回のような弁護士の役も少しずつできるようになってくるし、子どもがいるパパの役もあるかもしれない。そういう変化を前向きに楽しみつつ、将来的に海外作品にもっと挑戦していきたいので、海外でも通用するよう自分の能力を上げていく。“趣味=学び”というくらい勉強することは大好きなので、30代も引き続き学び続けていきたいです」


弁護士ソドム
――では、最後に「弁護士ソドム」と、福士さんオススメの見どころを。

福士「たくさんありますが、回想シーンで高校生の渉も僕が演じさせていただきました。もしかすると最後の制服かもしれないので、楽しみにしていただければと思います!」

祖父江「そこもキュンなポイントのひとつですね」

福士「実は、17歳の渉が後の彼の人格形成に大きくかかわってくるので、そこのお芝居は特に力を込めました。みなさんの想像を裏切る展開が待っていますので、最後まで楽しんでご覧ください」


(取材・文/橋本達典)

「弁護士ソドム」福士蒼汰×祖父江P 後編
ドラマ8「弁護士ソドム」初回2時間スペシャルは?

第1話
人情に厚い篠崎誠(でんでん)の法律事務所に所属する若手弁護士・若松まどか(玄理)のもとに、友人の水元沙耶(秋元才加)が結婚詐欺にあったと駆け込んでくる。マッチングアプリで知り合った男性に300万円を騙し取られたという。結婚資金として貯めたお金だと涙ぐむ沙耶を救うため、まどかは弁護を引き受けることに。ところが相手側の弁護士は、SOGA法律事務所所属、周囲からは“法曹界のソドム”と呼ばれ恐れられている小田切渉(福士蒼汰)だった…!「ソドム」とは旧約聖書に登場する街の名前で、「退廃」や「悪徳」の象徴とされる言葉。その名の通り、詐欺師専門の悪徳弁護士として名を馳せている彼に、篠崎は気をつけるよう忠告するが…。


【プロフィール】
福士蒼汰(ふくし・そうた)
1993年5月30日生まれ。東京都出身。2011年ドラマ「美咲ナンバーワン!!」(日本テレビ系)で俳優デビューし、同年「仮面ライダーフォーゼ」(テレビ朝日系)でドラマ初主演。「神様のカルテ」(テレビ東京系)、「大奥」3代・徳川家光×万里小路有功 編(NHK)など出演作多数。その名を全国区にしたNHK連続テレビ小説「あまちゃん」がNHK BSプレミアムで再放送中。主演オリジナルドラマ「NoMAD Workout -FUKUトレin NY-」(U-NEXT)が5月6日(土)より配信、初の海外ドラマ「THE HEAD」Season2(Hulu)が、6月17日(土)より配信。
Twitter:@fukushi_staff
Instagram:@ fukushi_sota_official

祖父江里奈(そぶえ・りな)
1984年7月14日生まれ。岐阜県出身。2008年、テレビ東京入社。「YOUは何しに日本へ?」などのバラエティ番組を担当し、2018年より制作局ドラマ室に。「来世ではちゃんとします」シリーズ、「生きるとか死ぬとか父親とか」「運命警察」などを担当。
Twitter:@RSobby

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