ゲーム反対派の小籔千豊が語る、子育てそして心境の変化「将来のことを考えたら、ゲームより勉強だと…最初はものすごく否定的でした」

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人気ゲーム実況者“フォートナイト下手くそおじさん”としてYouTubeでも活躍する芸人・小籔千豊が、初の著書「ゲーム反対派の僕が2年で4000時間もゲームをするようになった理由」(辰巳出版)を出版。
全世界での競技人口3.5億人以上を誇る超人気バトルロイヤルゲーム「FORTNITE(以下、フォートナイト)」にハマるまでの過程と日常を、赤裸々に綴っている。

4月23日(日)には、自身が主宰するイベント「第3回 親子大会 featuring Fortnite」の決勝戦を、渋谷ヨシモト∞ホールにて開催。「フォートナイト」親子デュオ30組が熱戦を繰り広げる。

「テレ東プラス」は、これまでゲーム反対派だった小薮が、たった2年で4000時間のゲーム配信を行うようになった理由、「フォートナイト」の魅力、ゲームを通して親子の交流がどう行われているかなどを取材。インタビューから見えてきた小籔家の子育て、オンラインゲームと子どもの正しい関わり方とは…?

小籔千豊

『フォートナイト』に限っては、大人よりも子どもの方が優位。そんな世界はハッピーやなと思う


――たった2年で4000時間…。芸人として多忙な日々を過ごす小籔さんが、そこまでゲームに時間を割いていたとは驚きです。まずはハマった理由から教えてください。

「何でここまでハマったのか、実は未だに分からないんですよ。息子から『めっちゃオモロイからパパもやってみぃ!』と言われたのがきっかけで、初めは渋々でしたが、いつの間にかやりたい欲が出てきて…。今振り返ると、意味が分からん部分が多かったのが気になった理由だったのかもしれないです。他のゲームは、昔あったものの進化形という感じがするので、想像できうる延長線上にある。でも『フォートナイト』は、戦いながら壁を作ったり建築したりという概念がめっちゃ不思議で、『なんでそんなことするん?』というところから興味がそそられて、気づいたらハマっていたのかなと思います」

――小籔さんご自身は、子どもの頃からよくゲームで遊んでいましたか?

「自分が子どもの頃は、もうバリバリ。親に『いつまでやっとんねん! 早よ寝!』とよく怒られました。家庭用ゲーム機はもちろん、ゲームセンターで100円積んで、ひたすら戦ったり、20歳超えてもゲームセンターで馬を育てるために10万円課金したり(笑)。
ただある時、お金と時間をやみくもに費やしているということに気づいたんです。で、その時間は仕事につながってないなと…。そこから一切、ゲームをしなくなりました」
――お子さまが生まれてからは、「ゲーム禁止」だった小薮家。その理由は何だったのでしょう。

「ゲームに費やす時間を英会話や六法全書を読む、漢字検定の勉強する…みたいなことに使った方がいいと思ったからです。大人になった時にお金になりやすいから。将来のことを考えたら、やっぱりゲームより勉強だと思うんですよ。最近は、ゲームでお金を儲ける人もいますが、それは本当に一握りなので、ゲームに対してはものすごく否定的でした。
“子どもには安定した職業に就いてほしい”と勝手に思ってしまうんですよね。世の親御さんはみんな願うことだと思いますが、我が子が大人になった時、できるだけ苦労のない生活を送らせてあげたい。そのための最短距離を考えたら、やはりゲームより勉強かなと。
ただ、僕も芸人になるために最短距離できたわけではなく、紆余曲折があって、今の自分にたどり着いた。そんな僕の遺伝子を持っている子どもなので、そもそも無理な話なんですけど(笑)、ゲームより身になるものを…という考えが強かったです」

――そんな小籔さんですが、娘さんが幼稚園の時、「1日1時間」というルールのもと、ゲームを解禁されたんですよね。

「娘の友だちがみんな持っていたので、さすがにかわいそうだなと思って、3DSを買いました。嫁はんが“1日1時間”のルールを決めたんですけど、僕は“制限されるのは絶対嫌やろうな~”と思いながらも、横目で嫁はんと子どもたちとのやり取りを見ていて、“そんなことで嫌な気持ちになるんやったら、最初からゲームのない世界の方が良かったんちゃう?”と思ったこともありました。時間にうるさい親に子どもは腹が立つし、時間を守らん子どもに親はイライラする…。これは親子の摩擦しか生まれんやろうと。まぁ嫁はんのルールは揺るがなかったんですけど、息子は何度か『休みの日は、少し時間を増やしてほしい』と交渉していましたね」

小籔千豊
――そのような背景から「1日1時間」というルールを撤廃。ゲームに対して考え方が変わっていったということですか?

「まぁこれは『フォートナイト』にハマってから気づいたことなんですけど、ゲームは思っていたほど悪いもんじゃないと。僕らの子どもの頃よりもいろんなことが学べるんですよ。それはテクノロジーが進化したことも関係あるんですけど」

――今はネットにつなげて、みんなで協力してプレーできますからね。

「世間話をしながら遊べるというのはいいと思います。初めて会った人と話をする時、何かしら共通の話題を探さなあかんけど、ゲームをやっている人との間では、すでに共通の話題がある。僕も知らん子どもと遊びますが、これがまた楽しいんですよ。
普通はどんなに共通の趣味があるといっても、やっぱり大人の方が少し優位に立ちますよね。知識や経験、お金があったりするので。でも『フォートナイト』に限っては、子どもの方が優位な気がする。そんな趣味ってなかなかないと思います。で、そんな世界はハッピーやなと。大人が子どもに真剣に教えてもらう…こんな面白い経験は今までなかったですね」

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