「空飛ぶクルマ」開発の舞台裏に密着!気軽に空を移動できる未来はやってくるのか:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

4月7日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「クルマよ…大空を飛べ!~万博の夢が再び~」。
電動で離着陸する未来の乗り物「空飛ぶクルマ」。誰もが気軽に空を移動できる未来はやってくるのか、開発の舞台裏に密着した。

メード・イン・ジャパンの「空飛ぶクルマ」開発の舞台裏


今年2月。来たる「大阪・関西万博」の移動手段として、“空飛ぶクルマ”を運航する事業者が発表された。未来の大阪の空を移動する空飛ぶタクシーで、会場の夢洲と大阪市の中心部など、車なら30分かかるところを10分足らずで結ぶ計画。
空飛ぶクルマは、垂直に離着陸するため滑走路は必要なし。電動のため環境に優しく、ヘリコプターと違って音も静か。空を行くので、もちろん渋滞知らずだ。
さらに進化すると、車が自由に空を飛び回るSF映画のような世界が、意外と早く実現するかもしれない。

万博で運航する4つのグループは「ANAホールディングス」「日本航空」「丸紅」。そしてもうひとつが、自動車や航空機のエンジニアが集まって作ったベンチャー「スカイドライブ」だ。
代表の福澤知浩さんは東京大学工学部出身で、「トヨタ自動車」を経て、5年前に「スカイドライブ」を設立。自動車メーカーの「スズキ」など、多くの企業が出資しており、約147億円を集めていた。

「空飛ぶクルマ」開発の舞台裏に密着!気軽に空を移動できる未来はやってくるのか:ガイアの夜明け
「スカイドライブ」が3年前に完成させたのが、1人乗りの「空飛ぶクルマ」。まずは空を飛ぶことを優先課題にしているためタイヤは付けておらず、将来的には空と陸、両方で利用できる「空飛ぶクルマ」を目指している。

「空飛ぶクルマ」開発の舞台裏に密着!気軽に空を移動できる未来はやってくるのか:ガイアの夜明け
現在開発中の機体はプロペラが12枚あるのが特徴で、どれかが故障しても他のプロペラがバックアップし、安全に飛び続けることができるという。
福澤さんは「大阪・関西万博を機に、空飛ぶクルマという新しい産業を作り上げたい。空飛ぶクルマを、朝起きてすぐ乗れる機体にしたい。100年ぶりのモビリティ革命です。2025年の販売開始を目指して活動していこうと思っています」と話す。

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こちらは、「スカイドライブ」が目指す未来の姿。道路を走っている車が渋滞にぶつかると…

「この先渋滞中、飛行モードを推奨します」

と空へ。混雑を避けたい時は飛んで移動し、自動運転で車と飛行機を使い分け、快適に目的地まで移動できる。

去年夏、愛知県豊田市。「スカイドライブ」の開発チームは、出来上がった実物大キャビンの模型で乗り心地を確認していた。キャビンの設計を担当する構造・客室チーム・寺井裕紀さん(31)は、飛行距離を少しでも延ばすため、いかに機体を軽くするか試行錯誤していた。バッテリーが機体の重量の約3割を占めるため、少しでも軽くしなければならない。

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機体の重量は2人乗った状態で軽自動車並みの1.1トンを目指し、4枚あったドアを左右1枚ずつの2枚に変更。「ドアの枚数を減らすと、取り付けの金具や部品の点数が減るので、それだけ重量を下げることができる」と寺井さん。目標の重量をクリアできる目途が立った。

この日、「スカイドライブ」の開発チームが「JAXA 調布航空宇宙センター」の研究施設に運んだのは、実物の4分の1の実験機。巨大な施設を使って行うのは、人工の風を当てる風洞試験で、実際に飛行している状態を再現し、不具合がないか検証する。

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12枚のプロペラが生み出す気流が、飛行にどのような影響を及ぼすのか。その道のスペシャリストでも予測が難しい実験が始まった。

“空のタクシー”で絶景の観光地へひとっ飛び!

万博で「空飛ぶクルマ」を運航する大手商社「丸紅」がパートナーに選んだのは、イギリスのメーカー「バーティカル・エアロスペース」。
機体は5人乗りで最高時速325キロを誇り、「丸紅」はすでに200機を予約。日本で「空飛ぶタクシー」を商業化しようとしている。

「空飛ぶクルマ」開発の舞台裏に密着!気軽に空を移動できる未来はやってくるのか:ガイアの夜明け入社7年目「丸紅」航空宇宙・防衛事業部 高尾篤史さん(30)は、宇宙ベンチャーへの投資などを担当していたが、空飛ぶクルマの市場開拓を任された。

去年秋、イギリス西部の町・ブリストル。高尾さんが向かったのは、「丸紅」が予約した機体を開発している「バーティカル・エアロスペース」本社。最高戦略責任者のアンドリュー・マクミランさんが案内してくれた。

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こちらが開発中の機体で、全長13メートル、1機約5億3000万円。ただしこれは、PR用に作った機体で、実際には動かない。

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ラグジュアリーな機内は、4人が対面でゆったりと座れるが、高尾さんは「景色を楽しむのも重要な価値の一つ。もうちょっと真下を見られるようにした方が…」と感想を伝える。
パイロットが訓練するフライトシミュレーターも体験。サービス開始当初はプロのパイロットが操縦するが、将来的には自動運転できるようにし、自家用車のように使えることを目指している。
まずはこれを万博で運航し、その先のビジネスを生み出すことが高尾さんのミッションだ。

去年9月。高尾さんは、大手私鉄「南海電気鉄道」(本社・大阪)を訪れ、「空飛ぶクルマ」を使ったビジネスプランを提案した。
ヘリコプターによる「空飛ぶクルマ」の疑似体験ツアーで、目的地は和歌山県の那智勝浦町。周辺には、世界遺産「那智の滝」やパワースポットとして人気の「熊野古道」など、見どころが多い観光地だ。

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南海電鉄が所有する自慢の旅館「熊野別邸 中の島」(1泊2食付き 1人約3万円~)もあり、一番の自慢は、目の前に海が開けた天然温泉の露天風呂だ。

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夕食は南紀勝浦選りすぐりの食材を使った会席料理。海に囲まれた静かな島の宿で、極上の時間を過ごす…素晴らしいスポットでありながら、大阪の中心部から車で約4時間かかる場所にある。高尾さんはアクセスの悪い観光地にこそ、「空飛ぶクルマ」のニーズがあると考えていた。

実は、ヘリコプターで直接宿に来られるよう2年前に整備していたが、ヘリコプターをチャーターすると数十万円かかるため、利用した客は一組だけ。
手頃な値段で「空飛ぶタクシー」を運用できれば必ず需要はあるはずで、旅館も地域も、このアイデアに期待を寄せていた。

社内会議で検討を重ねた結果、片道の運賃を1人2万円台に設定し、史上初「空飛ぶクルマ疑似体験 1泊2日絶景温泉の旅」は、大阪府の「空飛ぶクルマ」実証事業に。ツアーは、30組募集したところ、すぐに埋まるほどの人気を得た。

去年12月中旬、大阪ヘリポート。いよいよツアー初日を迎え、大阪に住む夫婦2組が参加することになったが、果たして客の反応は。高尾さんは、「空飛ぶクルマ」の市場を切り開くことができるのか。

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ドバイ万博でニッポンが大人気!

2021年、アラブ首長国連邦のドバイで、中東初の万博が開催された。テーマは「心をつなぎ、未来を創る」。コロナ禍にも関わらず万博史上最多の192の国と地域が参加し、2400万人以上が来場した。

日本館のテーマは「アイデアの出会い」で、独自のカルチャーを世界にアピール。外観のデザインは折り紙を表現し、数あるパビリオンの中で最高の賞を獲得した。
炎天下の中、数時間待ちの行列となっていたのが、回転寿司の「スシロー」だ。イスラム教徒でも食べられる食材を使い、約120種類のメニューを提供。日本の食文化で魅了した。

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この時、日本には大阪万博につなげる目的もあり、博覧会協会の職員が各国のパビリオンを回り、参加を呼びかけていた。こうした努力もあり、大阪・関西万博には、すでに153の国と地域が参加を表明している。果たして、ドバイを超える熱狂となるか――。

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