モンスター芸人役に挑む野村周平「男性が欲に忠実に生きたらクロちゃんになる」

公開: 更新: テレ東プラス

クロちゃん安田大サーカス)の半生をドラマ化したParaviオリジナル 人生ドラマ劇場「クロちゃんずラブ~やっぱり、愛だしん~」が、動画配信サービス「Paravi」にて独占配信中!

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生徒会長だった高校時代、イケメンと恋のバトルを繰り広げた短大時代など、クロちゃんの恋愛模様を中心に、“ほぼ実話”のエピソードを描く本作。配信がスタートするなり、SNSでも「クロちゃんにそっくり!」と話題になっているのが、主演の野村周平さん。世間をザワつかせるモンスター芸人・クロちゃん役に、どのような思いで挑んだのか⁉

“愛”が詰まった撮影方法


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――後のクロちゃん=黒川明人役と最初に聞いた時のお気持ちは?

「率直にうれしかったのですが、『なんで俺?』とは思いました」

――(笑)そう思いながらもオファーを受けた理由は?

「クロちゃんが好きだったからかな。最初は“クロちゃんの実写化”って言われて、実在しているのに?とワケがわからなすぎたんですが、これをしっかりやったら、めちゃくちゃ面白いものになると思いました。“やらなかった人が全員ちょっと後悔すればいいのに”と(笑)。僕からしたら、この役を受けたヒロインの方々がすごいなと思います」

――(笑)クロちゃんが好きとのことですが、クロちゃんの魅力は?

「逆に、“なんでこの人に魅力があるんだろう”って感じています(笑)。面白すぎるから許されているだけであって…。だから“面白すぎる”ところが人を魅了しているのかなと思います。面白すぎる人とカッコよすぎる人って、何しても許されるんですよね」

――実在の人物を演じることに関して、難しさや面白さはありましたか?

「現実に存在しているので、役作りはテレビを見ればできるんですよね。現役の芸人さんで人生を実写化されているのは、ビートたけしさんや明石家さんまさんとかレジェンドの方々で。言い方は悪いですが、クロちゃんはそこまでレジェンドじゃないから少し気が楽でした(笑)」

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――(笑)最初は、野村さんとクロちゃんは、クロちゃんには失礼ながら似ても似つかないと思っていたのですが、ドラマを観るとあまりに似ていることに衝撃を受けました。

「 “クロちゃんに寄せるのか、寄せないのか”は、撮影初日になってもまだみんなで悩んでいました。やっぱり“声は高い方がいいんじゃないか”ということから、じゃあクロちゃんをちゃんとやろう、と。そこから声も変化させて、口元をアヒル口にして、ブリッ子にしておけば大体クロちゃんになれました。

そこから体重も増やすことになったんですが、この役作りは楽ですよ。だってビールをずっと飲んでおけばいいんですもん。太っていても、役作りでここまでやるなんて『この人すごいな』って言われるんですよ(笑)。こんなに自由にやっていい仕事は初めてでしたし、これが許されるなら、ずっとこれがいいなと思いました(笑)」

――野村さんご自身も、かなり意見を出された現場だったとか。

「『カメラワークはこうした方がいいんじゃないですかね』とか言ってました。クリント・イーストウッドばりに(笑)。楽しく意見交換しながら撮影できました。みんなが撮りたいものを撮って、僕も映してほしいものをやる。“愛”が詰まった撮影方法だなと思いました。

地上波ではできないことばかりやっています。“これだけ面白いことが日本もできるよ”と感じ取ってもらいたいですし、“日本も捨てたもんじゃねぇな”と思ってもらえたらいいですね」

三大欲求の一つがクロちゃん


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――特に印象に残っているセリフやシーンは?

「実際に言って気持ちいいなと思ったのは、『あ~ん、アグネス・チャンさんみたいに言わないでっ』ですね(笑)。あと、第4話にクロちゃんがプロデュースしているアイドルグループ『豆柴の大群』がキャバ嬢役で出演しているんですが、僕がパンツを覗くシーンがあって。クロちゃんからすると娘みたいなものなので、『自分の娘のパンツを見ようしてる感じがしてすごくイヤだっ』と言っていたのが面白かったです」

――各話ごとにヒロインとの一方的な恋が描かれますが、野村さんのお気に入りは第何話ですか?

「第2話で、電車の中でのかなり衝撃的なシーンがあるんですけど、クロちゃんから『あんなにやってくれていいんですか!?』と言われるくらいやりました。クロちゃんにそう言わせたことが、誇らしいです」

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――クロちゃんにインタビューさせていただいた時、現場で野村さんにアドバイスをしたとおっしゃっていました。どんなお話を?

「最初にビッグサンダーウェーブ(クロちゃんの必殺技)のやり方について、『手は真っ直ぐじゃなくて、振り下ろし気味がいいんです』と言われた時には、『何言ってんの?』と思いました(笑)。後半は僕もクロちゃんになっていたので、“Wクロちゃん”でずっとしゃべってましたね。(クロちゃんの声で)『2人もクロちゃんはいらないからっ!』って(笑)」

――(笑)クロちゃんを演じてみて印象に変化はありますか?

「昔から好きだったんです。最初は、周りから言われているように“本当にこの人はクズなのかな?”と思っていましたが、演じるうちにクロちゃんは男の欲求をさらけ出している人なんだなと感じるようになりました。ただ欲に素直に生きていたら、ああなった。

世の中の男性が、我慢せず欲に忠実に生きたらクロちゃんになりますね。男性はみんな、少なからず共感するんじゃないかな。三大欲求の一つがクロちゃんです」

――芸人としての“クロちゃん”と、“黒川明人”さんに違いはありますか?

「一緒ですね(笑)。プライベートも同じような感じで。まだ見せてくれてない部分もあるとも思うので、今後またご飯に行ってお酒を飲んで、いろんな面が見られたら面白いですね」

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――もしご自身の人生をドラマ化するとしたら、野村周平役はどなたに演じてほしい?

「うーん…アル・パチーノとか、そういう次元になってきますよ。ロバート・デ・ニーロとかジョー・ペシの若い頃がふさわしいかな。日本にはいないので、申し訳ないです(笑)」

――(笑)クロちゃんの人生に負けないような強烈エピソードはありますか?

「あってもここでは言えないですね。僕の人生を描く時に言います(笑)」

Paraviオリジナル 人生ドラマ劇場「クロちゃんずラブ~やっぱり、愛だしん~」は、動画配信サービス「Paravi」にて独占配信中!

【プロフィール】
野村周平(のむら・しゅうへい)
1993年11月14日生まれ。兵庫県出身。2010年俳優デビュー。2012年、連続テレビ小説「梅ちゃん先生」で脚光を浴びる。ドラマ「恋仲」、「好きな人がいること」、「僕の初恋をキミに捧ぐ」、映画「日々ロック」、「ちはやふる」シリーズ、「帝一の國」、「純平、考え直せ」、「WALKINGMAN」など多数出演。

(取材・文/nakamura omame)

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Paraviオリジナル 人生ドラマ劇場「クロちゃんずラブ~やっぱり、愛だしん~」(全5話)
【主演】 野村周平
伊原六花(1話)、田鍋梨々花(2話)、川津明日香(3話)、佐野ひなこ(4話)、松井愛莉(5話)
【脚本】 政池洋佑、平岡達哉
【プロデューサー】 宮崎陽央 山田奈那子 渡邊宏 内田安妃子
【監督/演出】 原央海(企画)、田島与真(監督)