紗倉まなが明かす“不器用な”恋愛事情「恋愛でボロボロに切り裂かれたとしても、いいなと思ってしまう」

公開: 更新: テレ東プラス

――2016年に、初の小説「最低。」を出版。デビュー当時と今を比べて、変化を感じていますか。

「小説は4冊しか書けていませんし、書きたいことを書く力はまだまだ足りないですね。AV女優という畑から出てきて書かせていただいているので、作家として名乗れるような身分ではありませんが、依然として、書くことが楽しくて好きであることに変わりはありませんし、“書くことは裏切らない”というのはあります。
過去の作品でも、書き続けてきたことがいい意味で自分に跳ね返ってくることが多く、“書くことで救われたな、苦労して書いた甲斐があったな”と感じる瞬間が増えました。なので今も昔と変わらず、自分が書けるものを書ければいいのかなという思いでいます」――執筆する上で、大切にしていることは?

「以前、ある編集者の方から『背伸びしている、かっこつけているように見えます』と言われたことがあって、自分の中でそれを感じたことはなかったんですけど、そう思われるのは恥ずかしいなと思ったんですね。そもそも自分自身に堅苦しい部分があるので、そこが出てしまわないように少し肩の力を抜いて、なるべくその人物像を動かすことをしようと心がけています。
あと、以前の私は家に引きこもりがちだったんですけど、書くようになってからは、あえて面倒くさいことを引き受けるようになりました。面倒くさいことをしている時にこそ気持ちが動く気がしていて。人と関わることを避けていると、観察もできないし、理解することもできない。もっと言うと、世の中の動きすら分からなくなってしまうので…。
なので自分自身にノルマを課して、あえて感情を動かすように努力しています。自宅に帰ると、まず“本当に嫌だった。疲れた…”と思うんですけど、そこでもう1歩、“でも、なんでこんなに疲れたんだろう? 何を嫌だと思ったんだろう?”と紐解いていくと、出会った人の癖みたいなものを感じることができるようになったんです。そういう発見はなるべく見落としたくないなと思いながら、日々生きています」

――ありがとうございます。それでは最後に、読者にメッセージをお願いします。

「3年ぶり、4作目の小説です。恋愛を題材とした三編で、これまでとは違う文体や題材になっています。ぜひ女性の方にも読んでいただけたら嬉しいです」

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紗倉まな プロフィール】
1993年、千葉県生まれ。工業高等専門学校在学中の2012年にSODクリエイトの専属女優としてA Vデビュー。著書に小説『最 低。』『凹凸』『春、死なん』 、エッセイ集『高専生だった私が出会った世界でたった一つの天職』『働くおっぱい』などがある。初めて書き下ろした小説『最低。』は瀬々敬久監督により映画化され、東京国際映画祭にノミネートされるなど話題となった。文芸誌「群像」に掲載された『春、死なん』は、20年度野間文芸新人賞候補作となり注目される。

(取材・文/蓮池由美子)

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