人生の8割は忘れていいこと!74歳の医師・鎌田實先生に学ぶ「人生を愉しむ極意」

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人生100年時代、高齢者から若者まで、全ての人に活躍の場があり、健康に生き生きと過ごしたいですよね。

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毎回さまざまな専門家がレギュラー出演中の生活情報番組「なないろ日和!」(毎週月~木 午前9時26分)から、74歳の医師・鎌田實先生に「"老い"を恐れず人生を愉しむ極意」を教えてもらいました。

鎌田實先生の「人生を愉しむ極意」

人生を愉しむには、身心ともに健康であることが重要。『がんばらない』(集英社)『60歳からの「忘れる力」』(幻冬舎)などの著者でもある鎌田先生の、心豊かに過ごすための極意とは?

【極意1】忘れる力
人生の8割は忘れていいこと
「まずは"忘れることの恐怖"から脱却すること。歳を重ねると、忘れること=認知症の始まりかも...と恐れてしまいがちですが、実は人生の8割は忘れていいことなんです。覚えておかなくてはいけない大事なことは2割程度で、嫌な気分や、他人からの評価、自分の年齢も忘れることが、幸せな老後を送る秘訣。頑張り続けることも忘れて、時にはずぼらでもいい。面倒なことは捨てて、好きなことだけで生きましょう」(鎌田實先生、以下同)

【極意2】ソロ立ち
夫婦の間でも距離をもつ
「夫婦といえど、それぞれ一人の時間があることが大事。特に定年退職後の男性は、仕事がなくなると時間の過ごし方が分からず妻にしがみついてしまいがち。それを防ぐために、お互いちょうどいい一人時間を持ち、自分の意思で一人の時間を楽しむ"ソロ立ち"をしましょう」

<例えば、こんな"ソロ立ち"は?>
何をしていいか分からないという方は、難しく考えず、こうした過ごし方から始めてみてはいかがでしょう。
「僕が素敵だなと思ったのは、あるご夫婦の京都旅行。現地に着いたら解散し、夫は趣味の神社仏閣を巡り、妻は駅前のデパートで買い物。お昼は予約していたレストランで待ち合わせて、ランチをしながら午前中の報告会。午後はまた別行動で、夕食はホテルで一緒に食べる。それぞれに好きな時間を過ごすことは、夫婦仲にとっても良いです。一人の寂しさを忘れること、一人でも楽しいと分かることが大事なのです」

<趣味や生きがいが見つからない人は?>
チェルノブイリやイラクなどへの医療支援、ウクライナからの避難民を支援する活動、東日本大震災をはじめ全国の被災地支援などにも取り組まれている鎌田先生は、「ボランティア」参加の提案を。
「研究結果によると、ボランティア活動をする人は、しない人たちと比べて死亡リスクが40%程度低いことが報告されています。子ども食堂にお手伝いに行く、地域の活動に参加することなどから始めてみるのもいいですね」

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【極意3】次世代を育てる
ジェネラティビティが自分の存在意義に
「"ジェネラティビティ"とは、中高年世代が次世代の支援・育成に積極的に関わろうとすることです。昨年、子どもや育てる人の気持ちに添った子育ての総合支援システム『子ども・子育て市民委員会』を立ち上げました。人口減少を防ぐためには、子どもを安心して産み育てることができる世の中にしなければいけません。地域で子育てを支え合うことが大事で、子育てを終えた方が"第二のお母さん"として地域の子どもの面倒を見るという取り組みも。それを見て、母親も『こうやって育てれば良いんだ』という気づきにもなる。優しい地域の繋がり、そしてジェネラティビティが、自分の存在意義にもなるのです」

鎌田先生の極意を参考に、人生を愉しみましょう!

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著書『60歳からの「忘れる力」』(幻冬舎)には、好きなことだけで生きるためのヒントがたくさん!

(取材・文/みやざわあさみ)

取材協力:鎌田實さん。東京医科歯科大学医学部卒業後、諏訪中央病院へ赴任。30代で院長となり赤字病院を再生。地域包括ケアの先駆けを作った。チェルノブイリ、イラク、ウクライナへの国際医療支援、全国被災地支援にも力を注ぐ。著書『がんばらない』『あきらめない』(共に集英社)はベストセラーに、近著に『奇跡の鎌田式ウォーキング』(家の光協会)、『開脚はできなくていい! カラダが10歳若返る 鎌田式ずぼらストレッチ』(宝島社)、『鎌田實の大人のわくわく健脳ドリル101』(二見書房)など多数。
オフィシャルHP:http://www.kamataminoru.com/