「ホテルニューアカオ」負債は100億円超...熱海・老舗ホテル再建の苦難:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

3月3日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「ニッポンの温泉地が激変!~あなたの知らない令和の熱海~」。
国内の人気温泉地ランキングで9年連続1位となった熱海。一時はハネムーンや団体旅行の減少で苦境に立たされたが、若者たちの人気を集め、V字回復を遂げたことで話題となった。
その熱海に、今、アメリカや中国など、海外資本のホテルが相次いで参入している。従来の温泉旅館とは一線を画す豪華なサービスとは。
「昭和の温泉地」から「令和のリゾート」へ変貌を遂げ始めた熱海の舞台裏に、「ガイア」が独占密着した。

「熱海名物」の巨大ホテルが蘇る!?「アカオ」復活を目指す経営再建のプロ

静岡・熱海市。昭和30年代は新婚旅行先としてブームとなり、その後は社員旅行で団体客が押し寄せ、にぎわいをみせた。
海にせり出す20階建ての巨大な建物「ホテルニューアカオ」(客室数250)ができたのもこの頃だ。

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今年で誕生50年を迎え、熱海のランドマークと称されてきた「ニューアカオ」だが、老朽化が進んだ上、時代とともに団体客から個人旅行へと旅の形が変わり、宿泊客は減少。
2018年には、台風の高波によって海に面したレストランの窓が大破。そこへコロナ禍が追い打ちをかけ、負債は100億円超に。そして、2021年に営業を終了した。

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そんな「ニューアカオ」の再生を託されたのが、"経営再建のすご腕"として知られる中野善壽さん(79)。中野さんは、伊勢丹など百貨店業界で活躍後、2012年に老舗倉庫会社「寺田倉庫」の社長に就任。個人が低価格で利用できる収納サービスや新事業を次々と打ち出し、業績をアップさせた。
さらに中野さんは、倉庫だった建物を店舗やイベントスペースなどに変え、それまで無縁だった若者たちを呼び込み、品川区・天王洲の倉庫街を人気スポットに一変させた。

2021年10月、中野さんは「アカオ・スパ&リゾート」のCEO(最高経営責任者)に就任。「ニューアカオ」「ロイヤルウイング」を含む、東京ドーム約14個分の敷地の運営を依頼された。

しかし、「ニューアカオ」の改修には、巨額の費用が必要だ。
「数字を見てびっくりして、躊躇どころじゃなかった。どうしろと言うんだと。ただ、行きもしないで断るのも良くないと思って来てみたら、熱海ってすごいんだね」と中野さん。その魅力を知り、賭けてみる気になったという。

その後は、「ニューアカオ」で世界中の芸術家を呼び寄せたアートイベントを開催。15万人を集めるなどし、中野さんの新たな取り組みは大きな注目を集めた。

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中野さんがどう熱海を変えてくれるのか。期待は大きくなるばかりだが、「ニューアカオ」は、2年前に営業を終了して以降、ほとんど使われていない。

去年11月、「ガイア」が「ニューアカオ」再生の難しさについて尋ねると、「ホテル2館の再生は、われわれの体力では無理。海の上に立っている50年過ぎている建物の再生をどうやるんですか。並みのお金じゃない。新しいものをつくった方がはるかに安い」と中野さん。

中野さんの決断は、「ニューアカオ」と旧「ロイヤルウイング」をアメリカの投資ファンド「フォートレス・インベストメント・グループ」に売却することだった。
決定を聞いたスタッフたちは動揺するが、中野さんは相手側にある条件を提示していた。それは、従業員たちをそのまま引き受けるということ。他のファンドや事業会社からも買収の話はあり、「フォートレス」以上の条件を出したところもあったが、中野さんは従業員の雇用にこだわった。

「ニューアカオ」を取得した「フォートレス」は、去年「西武百貨店」や「そごう」の買収で話題に。今後、莫大な改修費用がかかるとされる「ニューアカオ」を、あえて取得した狙いとは。その鍵を握る「フォートレス・インベストメント・グループ・ジャパン」の山本俊祐さん(45)が、「ガイア」の取材に応じた。

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一方の中野さんは、ホテル事業から撤退したと思いきや、新たな宿泊施設を計画していた。それは、50年前の「ニューアカオ」誕生に匹敵する斬新なものだという。

熱海に注目の大型高級ホテル出現 豪華ツアーを企画も...まさかの事態に

去年9月に開業した「熱海パールスターホテル」(客室87室)は、観光名所「貫一お宮の像」の目の前の超一等地にある。
ここには、政財界の重鎮も利用する宿として知られた「つるや旅館(つるやホテル)」があったが、バブル崩壊後の2001年に営業を終了。2005年に商業施設が建設されたが、事業主の経営破綻により、オープンしないまま10年以上も放置されていた。

2017年、その建物を中国の企業が取得し、「熱海パールスターホテル」に改装。部屋の露天風呂から相模湾の絶景を一望できるのが自慢だ。

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注目のリゾートホテルを率いる総支配人が、栗栖昌和さん(60歳)。「シェラトン」や「インターコンチネンタル」などの有名ホテルでホテルマンとして活躍し、「パールスターホテル」から声をかけられた。

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総支配人になるのは今回が初めて。重責を担う栗栖さんは、インバウンド需要が回復しない中、対応を迫られていた。

考えたのは「はとバス」とタッグを組んだ豪華ツアー。東京発の日帰りバスツアー客に、昼食を提供しようという試みだ。
「バスツアーのお客様にホテルに来てもらうことが目的で、"泊まってみたい"と思わせることが重要」と話す。

栗栖さんは長年の人脈を生かし、有名なホテルやレストランから腕利きの料理人を呼び寄せた。ライバルとなるホテルや食事処がたくさんある中、「はとバス」に選んでもらうため、精鋭のシェフたちが腕を振るう。

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メイン料理は、地元の海の幸をふんだんに使った「ブイヤベース」と、赤ワインで8時間煮込んだ「和牛頬肉」の2種類から選ぶコース料理。「はとバス」の企画営業を担当する旅行事業部 吉冨満里奈さんは、「すごくおいしいです。はとバスのお客様にも満足いただける食事」と絶賛した。

しかし、ひと月あまり経った2月16日。この日は「はとバス」ツアーの日だが、思いもよらない結果が待っていた......。

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