事故物件メリットとは?賃貸や投資で積極活用する人が増加する背景

公開: 更新: テレ東プラス

事件や自殺、孤独死が起きた住居は事故物件と呼ばれ、住むのを回避する人が多い。そのため販売価格や賃貸料が安く、最近では積極的に活用する人が増えているという。

「テレ東プラス」は、事故物件を専門に取り扱う「成仏不動産」事業を手掛ける「マークス不動産」の有馬まどかさんを取材。事故物件において発生しがちなトラブルや、あえて選んで住むのはどんな人かなど、話を聞いた。
※前編はこちら

jikobukken_20230227_01.jpg▲「マークス不動産」の有馬まどかさん

不動産会社が隠したことでトラブルに

――「事故物件だと知らずに入居してしまった」というケースは、多いのでしょうね。

「一般的に事故物件とされる要素は、ある程度は共通認識があるものの、定義や線引きが曖昧な点があるなど、以前は告知義務の基準も明確ではありませんでした。2021年10月に策定された国土交通省のガイドライン(以下、ガイドライン)によって、賃貸の場合は事案の発生から概ね3年。売買契約では経過期間に関係なく、買主に告知しなければならないと明文化されたので、今後はそうしたトラブルが減っていけばいいですね」

――やはり隠していたことが発覚して、トラブルになるのですね。

「現在は売買物件に特化している上、『成仏不動産』は事故物件を専門に扱うため、当社で問題が起きることはないですが、一般的にはそうですね。『知っていたら、契約しなかった』となるのが、ほとんどだと思います。

仲介業者などが告知せず、事故物件であるのを隠して契約しても、かなりの確率で発覚するのではないでしょうか。特に近隣住民の方は近所で起きたことで、事情をご存知です。ご契約者様が入居されて、ご近所付き合いをするようになる中で、『あんなことがあった物件に...』という話から、知るケースが多いと聞きます」

――物理的な不具合がなくても、精神的な問題で簡単に割り切れないでしょうし、係争事案などのトラブルになるのでは?

「情報を隠され、知らずに契約したことから、『知ってしまった以上は、住めない』と、引っ越しにかかる費用などを損害賠償請求するケースは、少なくないようですね。

知らずに契約してしまう場合に加え、事故物件であることを気にせず、むしろ積極的に探している人が見つけにくい状況があり、『成仏不動産』はそうした問題を解決することも目指しています。そのため昨年、一般の方と不動産業に従事する方それぞれに、事故物件とガイドラインに関する意識調査を実施しました」

事故物件と告知しないスタンスの事業者も

――どういった調査結果が出たのでしょう?

「まず不動産業の従事者では、ガイドラインを『詳しく知っている』と回答したのは8.2%。『ある程度は知っている』『聞いたことはある』が合わせて47.2%で、『知らない』が44.6%でした。知らない人が多い印象かと思いますが、別の質問で事故物件を取り扱った経験を聞いたところ『ない』が77.5%で、そもそも事故物件に関わらない不動産関係者が多いです。

事故物件を『扱わない』と決めている事業者に限らず、『成仏不動産』事業を本格的に始める前は、当社も年に1件あるかないか...といった状況でした。勉強不足ではなく、関わる機会がないというのがほとんどだと思います。だから、同業者に『これは事故物件になるのか?』という相談や確認のご連絡をいただくこともありますね」

――事故物件に関する告知については、皆さんどう考えているのですか?

「『事故物件の告知についてどのようにすることが望ましいか?』という質問には、『丁寧に告知すべき』が60.1%で最も多く、次いで『必要最低限の情報のみ』が30.0%。『告知しない』『聞かれたら答える』がいずれも4.9%で、合わせると9.8%。
売買物件に関しては、告知内容を聞いた質問で『告知しない』と回答した人が9.7%で、ほぼ一致。残念ながら『隠していた』と言われても仕方ないスタンスの方が、1割近くいるとわかりました。

ただし、『丁寧に告知すべき』と考えている人が過半数で、告知方法や告知内容もしっかりした形を想定している結果が出ており、きちんとした事業者であれば、事故物件にありがちなトラブルは起きないと感じます」

―― 一般の方は、事故物件をどう感じているのでしょう?

「『事故物件に住めますか?』という質問に、『いいえ(住めない)』と答えた人は62.9%。『事故の内容次第』が23.8%、『物件の条件次第』22.2%で、内容や条件による方が計46.0%。複数回答なので、『住めないけど、内容や条件次第かな』と考える方も、一定数いるとわかる結果です。また、『はい(住める)』と回答した人も3.9%いらっしゃいました」

jikobukken_20230227_02.jpg▲「成仏不動産」では事故物件のご供養も実施している 画像提供:成仏不動産

――「内容や条件による」は、死因や物件の現在の状態の他、一般的な条件と同じ、築浅、駅近や周辺施設、家賃などかと思いますが、他に大きな要素はありますか?

「経過年数です。『事件や事故の発生から、どれくらい経てば住めると思うか?』に対する主な回答は、『3年』が11.1%、『5年』が38.9%、『10年』が42.6%でした。時間が経過することで、抵抗感は薄れるようです」

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