東大合格者数が22年で1人から50人超へ。横浜翠嵐高校の「生徒の心に火をつける授業」とは?

公開: 更新: テレ東プラス

名門校の知られざる姿を、生徒や親、教師など、さまざまな視点を通して紐解く情報ドキュメンタリー「THE 名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週土曜午前10時30分)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回紹介する名門校は、「神奈川県立横浜翠嵐高等学校」。東大合格者数が22年で1人から52人に増えるという、驚異の大躍進を遂げた県内屈指の進学校だ。キーワードは「生徒の心に火をつける授業」!? いったいどんな授業が行われているのか、躍進の秘密に迫る。

カメラは、東大合格を目指しながら、音楽にも情熱を燃やす高校2年生に密着。彼は本格的な受験モードに入る前に、音楽で挑戦したいことがあるという。翠嵐生たちが奏でる青春の1ページを追った。

meimonkou_20230210_01.jpg
神奈川県横浜市にある「神奈川県立 横浜翠嵐高等学校(以下、翠嵐高校)」は、来年創立110周年を迎える伝統校。全校生徒数1065人の男女共学校だ。

多くの生徒が、東大をはじめとする難関国公立大を志望する進学校でもある。2022年の春の大学合格実績は、東大が52人。これは県内の公立高校でトップだ。さらに難関の京大・一橋・東工大 は合わせて31人、東大理三を含む 国公立大医学部にも25人が合格している。

meimonkou_20230210_02.jpg
特に東大合格者数は、全国の公立高校の中でも東京都の日比谷高校に次いで第2位という見事な実績だ(出典:大学通信ON LINE)。これには全国の公立高校が注目している。というのも、昔から高い合格率を誇っていたわけではなく「今から22年くらい前は東京大学の合格者が1名だったと聞いています」(校長の加藤俊志先生)とのこと。大躍進を遂げた秘密を探るため、さっそく校舎へ。

meimonkou_20230210_03.jpg
三ツ沢の丘に建つ翠嵐高校。多くの生徒が利用している横浜駅からの通学路にある階段は、およそ200段! 翠嵐生たちは「登山」と呼んでいるそうだ。毎朝"登山"はちょっとしんどいかな...と思われる方もご安心を。横浜駅から学校の前まで、市営バスが運行している。高台にある広い敷地は、青々とした山を意味する「翠嵐」の言葉どおり、豊かな緑に包まれている。晴れて空が澄んだ日には、校舎の窓から富士山も見えるそうだ。

meimonkou_20230210_04.jpg
正門を入り、緑豊かな敷地の奥へ進んでいくと、5面が並ぶ広さがあるテニスコート場が見えてくる。隣接するグラウンドも広大で、体育の授業や部活動で伸び伸びと運動する生徒たちの姿があった。

meimonkou_20230210_05.jpg
校舎には外履きのまま入れるようになっている。職員室の前まで来ると、廊下にはテーブルとイスがズラリと並んでおり、生徒が先生と真剣に話し込んでいる。実はこのスペースは生徒たちが勉強や進路の相談をする場所になっているのだ。

蔵書数およそ3万冊という図書室へ向かうと、休み時間中も多くの生徒が訪れ、自習や読書に励んでいた。人気の漫画コーナーでは息抜きする生徒の姿も。

meimonkou_20230210_06.jpg
定時制も併設している翠嵐高校。月~金曜日に利用できる食堂は、昼は全日制、夜は定時制の生徒たちで賑わっている。メニューは20種類以上あり中でも人気なのが、肉うどん(360円)とチキンカツカレー(450円)。注文を受けてから、熱々を盛り付けてくれる。

いよいよ、全国の公立高校も注目する翠嵐高校の授業内容を探るべく、教室へ向かおう。

「生徒にも『目標を高く高く持て』と言っていますので、日本一の公立高校を目指したいと思っています」と語るのは校長の加藤先生。そして学校全体で取り組んでいるのが「生徒の心に火をつける授業」だと明かす。

meimonkou_20230210_07.jpg
そこで1年生の教室を覗いてみると...、数学の授業中なのに、多くの生徒が席を離れ、思い思いに話し合っている。まるで休み時間のようだ。一体これは...。

meimonkou_20230210_08.jpg
実はこれは先生が出題した問題に対して、クラスメート同士でそれぞれの考えを言い合うことによって解答の糸口を見つける「フリータイム」。考え方の異なる仲間たちと協力することで生徒たちのやる気が刺激されるのだ。まさに「心に火をつけられた」生徒たちの真剣な表情...、ぜひ番組で見てほしい。

こうして生徒のやる気を刺激する独自の教育方針が実を結び、翠嵐高校は東大合格者数を飛躍的にアップさせたのだ。

meimonkou_20230210_09.jpg
文武両道な翠嵐高校は、学習面のみならず部活動や学校行事も充実している。体育系・文化系を合わせて33のクラブがあり、全校生徒の90%以上が部活動に参加している。

6月には文化祭の「翠翔祭(すいしょうさい)」、9月には体育祭が開催される。体育祭の名物は「可愛子(かわいこ)」というダンス種目。もともとは1年生男子が可愛さとカッコよさを競うものだったそうだが、昨年から女子生徒も参加! 一風変わった種目だが、実は50年以上も続いている伝統なのだとか。

meimonkou_20230210_10.jpg
そんな翠嵐高校で、東大合格を目指しながら音楽に情熱を注ぐ生徒がいる。2年生の伊東脩平くんだ。音楽が大好きで、弦楽部の他にポピュラーソング部にも所属している。好きな言葉は「唯一無二」だという彼は、3年生への進級を前にして翠嵐での高校生活でまだやり残していることがあると感じていた。

翠嵐生でいる間に、自分たちが作ったオリジナル曲をライブでお客さんに届けたい! 脩平くんは、そんな強い想いをバンドメンバーに打ち明けた。その提案に仲間たちの心も躍る。しかし、ライブで演奏するためのオリジナル曲を作るのは、今回が初めて。頭に思い浮かんだメロディをキーボードで奏で、その音をパソコンの音楽編集ソフトに取り込みながら曲を作っていく。

3週間後に迫るライブ本番。果たして"唯一無二"のオリジナル曲を披露できるのか、ぜひ番組で見届けてほしい。

番組ではこの他、体育祭で行われる「可愛子」の様子や部活動の練習風景、受験生になる息子を見守る脩平くんの両親の心境などを紹介する。

毎週土曜午前10時30分放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)をどうぞお見逃しなく!