国公立大学に200人以上合格!校則も制服もない東大寺学園中・高等学校。自由な校風の秘密に迫る

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名門校の知られざる姿を、生徒や親、教師など、さまざまな視点を通して紐解く情報ドキュメンタリー「THE 名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週土曜午前10時30分)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回紹介する名門校は、世界遺産・東大寺を母体とする「東大寺学園中・高等学校」。
国公立大学への合格率は全国有数。制服も校則もない自由な校風の中、国公立大学合格者を数多く生み出す秘密に迫る。

さらに番組は、6つの部活動・同好会で活躍する高校2年生に密着。英語部で活躍を続け、暗号同好会では複雑な暗号文を難なく解読。多彩な才能と意欲の持ち主だが、そんな彼が最も力を入れているのが囲碁将棋部だ。2022年の全国大会で団体戦優勝に導き、高校竜王戦でも優勝。
ところが、絶対視されて臨んだ奈良県大会で予選敗退。その大会で優勝したのは、同じ将棋部の部員で仲良しの同級生だった...。彼らの熱い青春を、カメラが追った。

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奈良県屈指の進学校「東大寺学園中・高等学校(以下、東大寺学園)」は、近鉄・高の原駅から徒歩20分ほどの場所にある。東大寺学園の歴史は古く、1926年に東大寺の僧侶たちが勤労青少年のために境内に設立した夜間学校「金鐘中等学校」が始まり。1986年に現在の場所に移転した。

全校生徒1236人の中高一貫の男子校。2022年春は、東京大学25人、京都大学76人、大阪大学18人をはじめ、国公立大学に217人が合格。県内トップクラスの合格実績を誇る。

世界遺産・東大寺の境内で創設され、規律が厳しい仏教系の伝統校のイメージとは違い、東大寺学園には制服どころか校則もない。そこには、こんな理念がある。

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森宏志校長は、「できるだけいろいろなことにチャレンジしてほしい。自分の可能性を広げて、その中で最終的に自分の進むべき道を見つけてもらいたいと思っています。自発性は、自由な環境にいないと育たない。チャレンジする場を提供し、できるだけ認めてあげる。認めるということは、実は失敗を認めないといけない。失敗を許容するということ...それが本校の特徴の一つです」と話す。

生徒たちに話を聞くと、「自由な校風がいい」「縛られるものがなくて、自分が輝ける!」と、生き生きとした表情で話してくれた。果たして、どんな環境で学んでいるのか...伝統ある学び舎を訪ねてみよう。

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校門を入り通路を進むと、正面にあるのが「転心殿」。中央には東大寺の大仏様の分身が刻まれており、前を通る生徒たちが一礼している。かつて学園が東大寺境内にあった頃、生徒たちは登下校の際、大仏様に礼拝するのが習慣だった。それが、今の生徒たちにも受け継がれているのだ。

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こちらは、県内でもトップクラスの蔵書数を誇る図書館。その数なんと6万冊以上で、仏教に関する専門書も充実。東大寺からの寄贈図書コーナーもある。休み時間や放課後は、多くの生徒が自習している。

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多くの生徒でにぎわうのは、「サンガティ・スクエア」と呼ばれる中庭。「サンガティ」とはサンスクリット語で「会うこと・交流」を意味するが、その名のとおり、中学生と高校生が学年の垣根を越えて談笑していた。ここは、生徒たちが交流を深める広場になっている。

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運動施設も充実! 2つのグラウンドは、テニスコート、サッカーコート3面、野球場2面がとれるほどの広さだ。生徒たちは、体育の授業や部活で伸び伸びと活動している。

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地下1階には食堂があり、「アイスクリーム全品100円」という貼り紙も。 生徒から要望があり、生徒会と先生が話し合って販売に至ったそうだ。

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東大寺学園は、授業もユニーク! ある日の英語では、まるでクイズのような授業が。これは「ペアワーク」と呼ばれる授業で、ペアを組んだ1人が、例えば「tomato」なら「a vegetable...」のように英語で次々とヒントを出していく。答えを見ていない生徒はそのヒントを聞き、書かれた英単語が何なのかを答える。英語で伝えるのは難しそうだが、ゲームのように楽しく学べる。
理科の実験室も4つあり、みんな積極的。さまざまな体験や実践を通して学び、自由な校風であるからこそ、生徒たちの主体性が育まれる。東大寺学園は、自由な空気で満ちている。

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自由を尊重する校風は、盛んな課外活動にも表れている。運動部は11あり、ハンドボール、陸上競技、テニス、卓球は、全国大会の出場経験もある強豪。文化部も17あり、クイズ研究部、百人一首、電子工作、科学、囲碁将棋などが全国大会で活躍している。中でも、クイズ研究部はテレビにも出演し、全国に名をはせる超強豪だ。さらに、ドラえもんやポケットモンスター、ロケット、マジックなどを研究するユニークな同好会も。
実は、多くの生徒が複数のクラブや同好会を掛け持ちしており、楽しみながら幅広い経験を得ている。

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今回カメラが注目したのは、「英語研究部」「登山同好会」「文藝同好会」「暗号同好会」「新聞部」「囲碁将棋部」と、6つの部活と同好会で活躍する高校2年生の金田夏輝くん。英語部で活躍を続け、暗号同好会では複雑な暗号文を難なく解読。さらに、前期の図書委員会の委員長も務めるなど、多彩な才能と意欲の持ち主だ。

そんな彼が最も力を入れているのが、将棋。去年開催された全国大会では団体戦優勝。「2022年第35回全国高等学校将棋竜王戦」でも優勝、「高校生日本一」に輝いた。
しかし、去年11月に行われた県大会では、前回王者だったにもかかわらず、予選で敗退。その大会で優勝したのが、同じ部の部員で、しかも仲の良い同級生の大西康平くんだった。

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親友だからこそライバル、絶対に負けたくない相手...。夏輝くんは、久しぶりの直接対決を申し込み、康平くんも受けて立つことに。対局に向け、放課後も地元の将棋クラブで自主練する夏輝くんだが、実はここでコーチも務めており、子どもたちから頼られるお兄さん的存在でもある。

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いよいよ迎えた対局の日。お互いに実力を認め合う、ライバル同士の勝負の行方は...?

番組ではこの他、体験型の授業やユニークな同好会の様子、勉強と部活動を両立する夏輝くんの放課後の過ごし方などを紹介する。

毎週土曜午前10時30分放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)をどうぞお見逃しなく!