家族で気軽に宇宙遊覧の旅を!北海道発ベンチャーの夢:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

1月27日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは「宇宙時代がやってきた!~夢を現実に ニッポンの挑戦~」。
遠いとおもわれてきた宇宙が、いよいよ身近な存在になりつつある。アポロ計画から半世紀、人類が再び月を目指す「アルテミス計画」が始動した。果たして日本企業は"宇宙大航海時代"の波に乗れるのか?

今から半世紀前、人類は初めて月を目指した。アポロ11号が月面に着陸、その快挙はテレビで生中継され、世界中が熱狂の渦に包まれた。そして今、人類は再び月へ。宇宙旅行が、現実のものになろうとしている。

2年前、ネット通販で巨万の富を得た前澤友作さんが、国際宇宙ステーションを訪れた。12日間滞在した宇宙旅行の費用は数十億円とも言われている。アメリカの民間企業が開発した宇宙船は、飛行機から切り離したロケットで高度80キロ以上に上昇し、数分間、無重力を体験できる。値段は45万ドル、約6000万円だ。

そんな宇宙旅行をもっと手軽なものにしたいと考えた日本のベンチャーがある。彼らが選んだ乗り物は、ロケットではなく「気球」。

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2016年に創業した「岩谷技研」の 社長の岩谷圭介さん(36歳)は、「時間として、気球の方がロケットよりも長く楽しめる。気球の方がゆっくり上がっていくので、力がかからない」と話す。

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岩谷さんが構想する気球旅行は、約2時間かけて高度25キロの成層圏まで上昇し、1時間ほど宇宙遊覧を体験、その後、気球のガスを抜いてゆっくり地上に戻ってくる。体への負担も少なく、誰もが参加できるという。
「家族で乗れるというところを目標にしていて、小さな子どもを含めてみんなで乗れるものを作り上げたい」と話す岩谷さん。

しかし、そこに強力なライバルが出現した。アメリカ企業「スペース・パースペクティブ」が開発を進めるのは、9人乗り気球型宇宙船。船内を自由に歩け、軽い食事もできるという。2024年後半から商業飛行を予定しており、料金は約1600万円。日本でも「エイチ・アイ・エス」がチケットの販売を始めている。

ライバルとの開発競争が激しさを増すなか、「岩谷技研」は実験を積み重ね、今年3月までに高度4000メートルの有人飛行を目指す。そして来年春までには、2人乗りの気球で、世界初の商業飛行をスタートさせる計画だ。番組は「岩谷技研」の飛行実験の様子に密着した。

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人工衛星版"下町ロケット"の挑戦!

福岡市に、宇宙ビジネスで世界と渡り合う企業がある。2005年に創業した九州大学発のベンチャー「QPS研究所」だ。極秘に開発を進めているのが、特殊な人工衛星・SAR衛星。

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SAR衛星は、アンテナからマイクロ波を飛ばし、物体を識別することができる。カメラとは違い、雲に覆われていても、夜でも地上で何が起きているかが分かるという。

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こちらは、SAR衛星が写した東京の様子。マイクロ波が東京ドームの屋根を通過し、内側まで見えている。

メード・イン・ジャパンのSAR衛星を開発するため、手を組んだのが、九州でモノづくりをしている町工場の職人たち。金型やアルミ加工など、SAR衛星に使われる部品のほとんどを九州の約20社が造っている。「QPS研究所」の社長、大西俊輔さん(36歳)は、「通常のSAR衛星はマイクロバスくらい大きくて、質量が1トンから2トンと重い。QPSの衛星はコンパクトで100キログラム級と軽く造っている。これで質量が従来の20分の1」と話す。

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小さく軽くすることでロケットでの輸送コストを大幅にダウン。しかし、アンテナだけは大きくしないと高い解像度が得られないため、それを解決するために頼ったのが、60年以上続く町工場「峰勝鋼機」(福岡・宇美町)だった。企業の要望に応えてあらゆるバネを製造している。

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完成したのは、板バネという特殊なステンレス。普通のステンレスは、力を加えると曲がり、その後は曲がったままだが、板バネは、バネの力で元の形に戻る。これを使えば、宇宙に運んでからアンテナを大きく広げることができるのだ。

世界で最も解像度の高い小型SAR衛星ができた。大西さんたちは、すでに2つの衛星を打ち上げ、地表の観測に成功。合計36基打ち上げて、世界中を観測できる体制を作ることが目標だ。「九州に宇宙産業を根付かせたい。福岡版の下町ロケット。これがあるからこの先の発展につながる」と大西さん。

去年10月。最新の衛星を打ち上げる日を迎えた。衛星を運ぶのは「JAXA」が開発したイプシロンロケット。従来よりも低価格で打ち上げを可能にした、日本が誇るロケットだ。
今回、3号機と4号機、2つの衛星を搭載。高度600キロの宇宙で、新たなSAR衛星になる。ところがこの後、予想もし得ない事態が待っていた――。

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「月に住む」スペースコロニー計画

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「アルテミス計画」の次を見据えて、鹿島建設と京都大学は共同で"ルナグラス"という構想を発表した。月にシャンパングラスのような形の建物を建設し、それを回転させることで、地球と同じ重力を生み出すという。まさにSFアニメさながらの"月面スペースコロニー"だ。

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さらに京都大学は、地球と火星など惑星間を移動する手段として、列車を活用した宇宙船も構想している。「アルテミス計画」によって動き出した人類の新たな宇宙の旅とは?

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