「がってん寿司」で食べたい旬のネタ、「くら寿司」の幻の魚とは?脱100円と新たな挑戦:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

1月6日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「回転寿司サバイバル!~脱100円と新たな挑戦~」。年始から活況の回転寿司、サバイバルの現場に密着。今こそ食べたい知られざる旬のネタとは? "幻の魚"を全国へ...日本初の"オーガニック魚"養殖の舞台裏をカメラが追った。

"遅咲き"の新店長、試練の年末商戦に挑む!

回転寿司の市場規模は、ここ10年で約1.6倍に急成長した。しかし今、ネタの仕入れ価格が急激に上昇し、"安くてうまい"を守るために、各社とも生き残りに必死だ。

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関東を中心に約90店、韓国や中国など海外にも店を持つチェーン店「がってん寿司」。
価格は大手チェーンより少し高めの、いわゆるグルメ回転寿司だ。主に北海道でとれる希少な白身魚「八角」など、他店では見られない珍しいネタもそろえる。
注文が入ると「ほいきた!がってん承知!!」と威勢のいい合言葉が店内に飛び交うなど、活気の良さもウリとなっている。

「がってん寿司」は、店長が好みの魚を発注することができるため、店によってメニューが異なる。「練馬土支田店」(東京・練馬区)店長の原島將誠さん(30)は、20代で店長に抜てきされ、1日の売り上げ新記録をたたき出した凄腕。原島さんは冬のボーナス商戦に向け、人気のマグロやサーモンではなく「実は今が旬」だというサワラで勝負をかける。

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小田原漁港から届いたのは、4キロを超える立派なサワラ。握り寿司にすると約80皿分になる。1皿352円だが、注文するお客の手が次々と挙がり、あっという間に売れていく。原島さんの狙いは当たり、売り上げ目標を大幅に更新した。

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「がってん寿司 加須店」(埼玉県・加須市)店長の丸加裕さん(43)は、高校を卒業後、寿司職人に。24歳で「がってん寿司」に入社したが、店長に昇格したのは去年10月。20代、30代の店長がいる中では遅咲きだ。
寿司には人一倍のこだわりを持ち、ネタの切り方ひとつにも、丸加さんならではの技が隠されている。寿司職人として確かな腕を持つ丸加さんだが、店長への昇格が遅れたのには理由が...。

店を覗くと...どこか活気がない。丸加さんは内気な性格もあり、「がってん寿司」ならではの、威勢のいい接客ができないことに悩んでいた。
「本当に変わらないと。店長になったからには結果を出したいし、成果を出したい。月間の売り上げをつくりたい」と意気込み、ボーナス商戦へと狙いを定めた。

12月6日。「先輩の店長から学びたい」という丸加さんがスーツ姿で向かったのは、「がってん寿司」の旗艦店である「熊谷石原店」(埼玉・熊谷市)。店内の雰囲気は明るく、スタッフにもしっかり教育が行き届いている。
丸加さんが最も気になったのは、店長・松本純一さんの動き。「がってん寿司」の中でもトップレベルだという松本店長は、自ら動き、店員に次々と声をかけていた。丸加さんは、松本店長に、活気のある店にするための極意を聞くことに。すると、「店長が動かなければ店は変わらない」とのアドバイス。果たして丸加さん、このアドバイスを生かせるのか。勝負の日が迫っていた。

ところが、ボーナス商戦本番の12月10日。加須店には、丸加さんの姿がどこにもなかった。
丸加さんはどうしたのか――。

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「幻の魚」を回転寿司に! その味は...全身トロ!?

業界2位の回転寿司大手「くら寿司」は、人気の寿司が100円台からという低価格路線で急成長、去年度の売上高は約1830億円(2022年10月期)と過去最高を記録した。

そんな中、10月に値上げに踏み切った「くら寿司」は、国産の養殖魚を新たな目玉に据えようとしていた。養殖に乗り出したのは、水揚げ量が少なく、市場にほとんど流通していない「幻の高級魚」スマガツオ。その身は柔らかく、マグロのトロのように脂が乗っているという。

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国内で養殖に取り組むのには、切実な理由があった。「くら寿司」田中邦彦社長は
「海外の魚を買ってきていた。これまでは安く買えたが、日本以外の国が魚を食べるようになり、円安になって、海外の魚すら買えないような状況。もう時間がありません。必死です」と話す。

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四国と九州の間に浮かぶ愛媛県・日振島は、クロマグロやマダイの養殖が盛んな島。「KURAおさかなファーム」水産事業本部長・清水雅彦さん(40)は、船に乗って養殖の現場に向かう。
海上に並んだいけすの中には、丸々と太った元気なスマガツオが。

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「くら寿司」と二人三脚でスマガツオを育てているのは、漁師の髙鍋順哉さんだ。
髙鍋さんによると、最盛期、島の養殖業者の数は40件近くあったが、収入が労働と見合わないため、現在は約半分に減っているそう。そこで「くら寿司」は、養殖で一番お金がかかる餌代を負担し、育った魚は全て買い取っている。さらに餌やりには、人工知能を使う最新のシステムを導入した。

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「くら寿司」と組むことで、より安定した収入が見込めるようになった髙鍋さんの仕事を手伝うのは、2人の息子たち。新たな養殖に挑む父の姿を見て、後を継ぐ決意をした。

11月29日。スマガツオの水揚げの日を迎えたが、船がいけすに近づくにつれ、怪しい雲行きに。海は大荒れだが、この日に水揚げしないと売り出しに間に合わない。
「めちゃくちゃデリケートな魚なので、網に引っかかったりしてここで死んだら意味がない」と清水さん。

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暴風雨と格闘しながらも、なんとか500尾を水揚げ。「くら寿司」では、無事にスマガツオの販売初日を迎えたが、清水さんの奮闘はこれで終わりではなかった。

12月、和歌山・衣奈漁港。実は清水さん、ここでもう1つの大きなプロジェクトを抱えていた。それは日本初の養殖魚「オーガニックはまち」。
オーガニックを名乗れるのは、餌や飼育環境など国際的な基準を満たし、認証を受けた魚だけ。認められた養殖魚は、「くら寿司」のはまちが国内第1号なのだ。清水さんは
「漁獲量と漁業従事者が減っている中で、育てていくのも今後の責任」と話す。

「オーガニックはまち」を使って、回転寿司チェーンの枠を超える、新たなビジネスに挑む姿を追う。

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