江戸版「ローマの休日」簡単に想いを伝えられないからこそエモい...望月歩×葵わかな対談

公開: 更新: テレ東プラス

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テレビ東京名物の新春時代劇が7年ぶりに復活! 新春ドラマスペシャル「ホリデイ~江戸の休日~」が、2023年1月6日(金)夜7時30分放送!

徳川三代将軍・家光と町娘の身分を越えたロマンチックな恋物語...主演の望月歩さんと葵わかなさんにお話をうかがいました。

江戸時代の恋は...!?

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――望月さんは、江戸時代の将軍・家光と、令和の会社員・孝平、葵さんは江戸時代の町娘・お仙と、令和の大学生・詩織を演じます。今回が初共演ですが、お互いの印象は?

望月「現場では、いろんなことをお話させてもらいました。二人ともテンションが同じぐらいだったので、一緒にいてすごく居心地がよくて。現代劇の部分では幼なじみという役どころだったのですが、おかげですごくやりやすかったです」

「望月くんのことは以前から映像作品で拝見していて、ご一緒してみたいと思う俳優さんの一人でした。共演が決まった時はうれしかったし、こうした願いが叶うことは多くはないので、ご縁を感じました。現場でも良い関係性と距離感でいられた...よね?」

望月「はい! ほどよい感じで(笑)」

――お互い、意外な一面などはありましたか?

望月「僕は、イメージ通りだと感じました」

「望月くんって、もっと少年のような人かと思っていたら、意外と大人っぽくて(笑)。クールな印象を持ちました」

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――撮影の合間によくお話しされていたそうですが、どんな話題を?

望月「好きなアニメとか、好きなものの話をしていました」

「映画の話もしたよね」

――作品を通じて江戸時代と現代の違い、または共通点をどんなところに感じましたか?

望月「将軍は家来にとって圧倒的な存在で、今で言う上司と部下の関係とはまったく違う、上下関係の差を感じました。共通点は、この作品では"今も昔も、若い人は同じようなことを悩んでいた"ということがテーマとして描かれていて、恋愛や将来に対する不安など若者が抱えているものは江戸時代にも今と近いものがあったのかなと感じました」

「男女の距離感は、違うと思いました。家光とお仙の関係はプラトニックな淡い恋で、ロマンチックでもあって。対して現代パートでは、孝平と詩織は幼なじみですが距離感を近くすることで時代の違いを表せるよう演じました」

――江戸時代の恋愛は、何かとハードルが高そうですよね。

「好きな人ができても電話やメールに頼れないし、交流することを許されなかったり。だからこそ、ちょっとしか会えない時間を大切にする気持ちがあるような気がします。家光とお仙も、ひとつの出会いをずっと大切にしていく人たちなんだろうなと思いました」

望月「相手に気持ちを伝える手段が少ない分、想いが強くなるのかもしれないですね。現代のように生き方や恋愛の相手をいろんな選択肢から選ぶという感覚ではなく、決められた道を進むしかない中で、それでも好きになってしまった人への想いが募って抑えられなくなる――そういうところが"エモい"し、素敵な部分と思いました」

始まりは「なんでも鑑定団」

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――物語は、令和の孝平と詩織が、徳川家光が描いたと思われる絵をお宝として「開運!なんでも鑑定団」に持ち込むところから始まるんですよね?

「『なんでも鑑定団』から始まる時代劇は斬新ですよね。このドラマは『ローマの休日』の江戸版で、現代も交錯しながら内容も盛りだくさん。前向きになれる明るいストーリーです」

望月「現代劇から時代劇に物語が移って前向きな方向に進んでいくので、時代劇になじみのない視聴者の方にも観やすい作品になっていると思います」

――お2人にとっての"お宝"=思い出の品や大切にしているものは?

望月「小学生の頃からのお芝居の先生にいただいた台本ケースが宝物で、ずっと大切に使っています。先生のレッスンでは、他の生徒たちと話し合いながら準備して先生の前でお芝居を披露するのですが、上手くできなくて悔しくて泣いたり、みんなで反省して『今度はこうやってやろうぜ』と励まし合ったり...思い出がたくさんあります。ある仕事が決まった時、先生が台本ケースをプレゼントしてくださって、『頑張れよ』という先生の思いを感じ、やっと認めてもらえた気がしてうれしかったです」

「すごくいい話! 私は家以外の場所で眠るのが苦手なんですが、スヌーピーのぬいぐるみがあれば眠れるんです。旅行や泊りの仕事には絶対に持って行く必需品で、今回の京都での撮影にももちろん持って行きました」

時代劇スターの大立ち回り

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――家光の教育係・大久保彦左衛門を演じる里見浩太朗さんをはじめ時代劇スターが多く出演されています。共演されて、どんなことを感じましたか?

「時代劇の扮装をされた時の完成度とオーラが素晴らしくて、"こちらが本当の姿なんじゃないか"と思ってしまうくらいでした。京都の東映太秦撮影所で撮影したのですが、"ここでいろんなものを吸収し積み重ねて、今も同じ場所に立っていらっしゃるんだ"ということが一目で分かる姿でした」

望月「僕は将軍役なので、脚本に『周りの人がその風格に圧倒される』という描写があるのですが、将軍らしい風格や佇まいがどういうものなのか分からなくて。現場で先輩方の姿を見た時に、『これや!』と思いました。この風格は、先輩方がいろんな経験をされてきたからこそ。まだ経験のない僕は、家光はどのように育ってきたのかといった過去をしっかり埋めなければいけないと考えました。今回、先輩方とご一緒することで学べたことがありがたかったです」

――里見さんは本作で「本格時代劇の大立ち回りは最後」とおっしゃられているそうですが、ご覧になった感想は?

望月「カッコよかったです。家光を守るために戦ってくれるシーンでの大立ち回りで、里見さんが今まで積み重ねてきたものを見せていただいて幸せでした。自分も立ち回りがあったのですが、段取りを覚えるのに必死で。里見さんや他の方と同じく短い時間で覚えきらないといけないので頑張りました。敵役の皆さんも『敵を切って落とす時は、力でちゃんとねじ伏せてから落とした方がツワモノ感があるよ』など、役に沿ったやり方を教えてくださって。大変でしたが楽しかったです」

「大立ち回り、すごかったです。皆さん、段取りをすごいスピードで覚えて、敵役の方々も含めて阿吽の呼吸で進んでいくんです。近くで見られて、感激しました」

――最後に、タイトルの「ホリデイ」にちなんで、もし10日間休みがあったらやりたいことを教えてください。

望月「理想は、朝早く起きて、運動して、コーヒーを飲んで...という規則正しい生活ですね。でも結局、夜更かしして、お昼過ぎに起きて、映画を観たりゲームをしたりする10日間になると思います(笑)」

「旅行したいです。九州の温泉に行きたいです」

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望月歩様
スタイリスト:有本祐輔 (7回の裏)
衣装:ジャケット(ホワイトマウンテニアリング)
Tシャツ(アー・ペー・セー)
その他スタイリスト私物

葵わかな様
スタイリスト:武久真理江
ヘアメイク:竹下あゆみ

(取材・文:伊沢晶子)

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新春ドラマスペシャル「ホリデイ~江戸の休日~」は、2023年1月6日(金)夜7時30分放送!

【あらすじ】
会社員の鍵山孝平(望月歩)は、家から"徳川家光が描いた絵"が出てきたという、幼なじみの戸倉詩織(葵わかな)の付き添いで、「なんでも鑑定団」に出演することに。ところが収録当日、楽屋で不思議なことが...。突然現れた鑑定人風の老人(里見浩太朗)が「これは真筆」だと絵を絶賛。2人の顔を眺めると、絵にまつわる切ない恋の逸話を語り出したのだ――。
時は江戸時代。城では若き徳川家光(望月歩)が「自分は将軍の器ではない。こんな窮屈な生活なら魚屋のほうがましだ」などと言い出し、問題となっていた...。そこで教育係の大久保彦左衛門(里見浩太朗)は一計を案じ、懇意にしていた町の魚屋・一心太助(高嶋政伸)とお仲(戸田菜穂)夫婦に家光を預け、身分を偽って修行させることにした。そ んな中、家光は医者を目指す町娘・お仙(葵わかな)と出会い、やがて恋に落ちるが...そんな中、次期将軍の座を巡る暗殺計画が持ち上がる!

【プロフィール】
望月歩(もちづき・あゆむ)
2000年9月28日生まれ。2014年、宮部みゆき原作の映画「ソロモンの偽証」での怪演が話題に。ドラマ「元彼の遺言状」(フジテレビ系)、「17才の帝国」(NHK)、「量産型リコ -プラモ女子の人生組み立て記-」(テレビ東京系)、映画「五億円のじんせい」(2019年公開)、「妖怪シェアハウス〜白馬の王子様じゃないん怪〜」(2020年公開)などに出演。出演作、映画「カムイのうた」が2023年秋公開予定。
Twitter:@hiratahirata18
Instagram:@ayumumochizuki_official

葵わかな(あおい・わかな)
1998年6月30日生まれ、神奈川県出身。2009年、俳優デビュー。連続テレビ小説「わろてんか」(NHK)ヒロインを務める。主演ドラマ「三千円の使いかた」(東海テレビ/フジテレビ系)が2023年1月スタート。また3月に2夜連続スペシャルドラマ「キッチン革命」(テレビ朝日)放送、9月10月にはミュージカル「アナスタシア」の公演など出演作が控える。
Twitter:@AoiWakana0630
Instagram:@aoiwakana0630