「触りたい」!?1000年以上続く防府の”デンジャラスな”祭りに3人のYOUが参戦!:YOUは何しに日本へ?

公開: 更新: テレ東プラス

日本を訪れる外国人たちを空港で勝手に出迎え、アポなしインタビュー!そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(毎週月曜夜6時25分~、12月26日(月)は夜5時55分~)。今回のテーマは「全国YOUだらけの空港を完全封鎖!ガチる大捜査線"4時間"SP」。2022年の最後を飾るにふさわしい超超特大4時間スペシャルで、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか?

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空港を飛び出し、日本各地のYOUが集まるイベントを直撃する「イベントYOU」!今回はYOUが集まるビッグイベントに参加するぞ!

新幹線でやってきたのは、山口県防府市。この町の名物イベントについて取材すると、参加した父親が血だらけで帰ってきたと、地元の人からから恐ろしい証言が飛び出した。関係者によれば、例年の参加者は5000人ほど、救急車や消防団まで待機させ、かなり危険を伴うらしい。いったいどんなイベントなのか...?

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ということで翌日、舞台となる「防府天満宮」の方に話を聞くと、それは「御神幸祭(ごじんこうさい)。通称「裸坊(はだかぼう)祭り」といって、防府天満宮の神様を御神輿にお乗せして練り歩くお祭りです。今回が1019回目」と、教えてくれた。

コロナ禍以降、3年ぶりに開催される裸坊祭りとは、西暦901年に無実の罪で左遷された菅原道真の御霊を慰めるお祭りだ。その魂を乗せた、「御綱代輿(おあじろこし)」と呼ばれる重さ約500㎏の巨大御神輿を担いで練り歩く。しかも、まずは大石段から下まで滑り降ろす過激な荒祭りなのだ。

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そこに、裸坊たちが"触ろう"と群がるという。「どうにか御神徳をあやかりたい裸坊と呼ばれる方たちが、一斉に御神輿に近づき(御利益を得るために)、我先に神輿に触りにくる」。しかし、「御綱代輿の近くにはお世話する人がいるので、簡単に触ることはできない」という過酷な祭りなのだ。

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ここで祭りに参加するYOUを紹介してもらい、3人に密着決定!

1人目(左)は、2015年から日本で暮らすミャンマー出身のピョーさん。左官工事や造園業を営む会社に勤務し、左官工事などを手伝っている。かつて参加した時は、危なすぎて触れなかった。だが今度こそ「やっちゃろうかなって思おちょる」と、やる気満々だ。

2人目(中)は、2021年から防府市で中学生に英語を教えるアメリカ合衆国出身のジョンさん。「日本の伝統文化に触れてみたくて、僕にとっていい経験と思って参加したんだ。初めてなので何が起こるか全然わかってないけど」と、ビビりぎみで初参加。御綱代輿を触って元気になりたいと言って、さっそく祭りの白装束を着始めた。元々は裸の祭りだったが、寒いので近年は白装束着用となった。

3人目(右)は、2019年から山口県で英語を教えるアメリカ合衆国出身のマシューさん。触れたらコロナ終焉を祈り、宴会がしたいという。

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裸坊祭りは、午後2時に御神輿で町を巡り、午後4時に神社に奉納、午後6時に御綱代輿の巡幸となる。各団体が、この日のために作ったオリジナル神輿で町を盛り上げる。ピョーさんたちも米俵を乗せた神輿を担ぐが、激しすぎて米俵があらぬほうにぶっ飛ぶありさま...。地元の人たちはそんなやんちゃも、「今年は例年通りの盛り上がり。3年ぶりで気合入りまくり」と、温かく見守っている。

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午後4時。一足先に神輿を奉納したジョンさんとマシューさんは、全身に印をぺたぺた押されていた。これは『裸坊潔斎』といって、朱印で身体を清める伝統の儀式だそうだ。番組の通訳さんも、顔中に押されて思わず悲鳴!(笑)

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ピョーさんチームも無事に神輿を奉納し、岡部部長(左)と一緒に一休み。岡村部長は、ピョーさんにとってお父さん的存在の方だ。来日当初は大人しかったものの、町の人と触れあって変わるきっかけとなったのが岡部さんと参加したこの祭りだった。「防府の人たちがスゴく優しくて、おかげで僕も明るくなれた。今度は僕がみんなを盛り上げていきたい」と願う。

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御網代輿の登場まであと1時間、ジョンさんとマシューさんに朗報が入った。関係者から、もしかしたら触れるかも、と聞いたのだ。マシューさんが「宴会のために触るぜ! 再び宴会ができる世の中になることが僕の夢だからね」とテンション爆上げしていると、いよいよメインイベントの巡幸が始まる。最後の御網代輿の登場を、裸坊たちがギラギラと待ち構え盛り上がるなか、ジョンさんだけは控えめに後方で見守るのだった(笑)。

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午後6時。境内の扉が開くと、裸坊たちがドッとなだれ込んだ。まずは第一・第二神輿が運ばれ、最後に御網代輿が登場する。境内から世話役たちが引っぱって降ろそうとするが、重さが500㎏もあってびくともしない。カウントダウンを唱え、やっとのことで第1の階段から滑りおろすと、触りたい裸坊と触らせない世話役の間で闘いが勃発。「ごるあ~!」と怒号が飛び交う大パニックのなか、YOUたち3人は各所で触るチャンスをうかがっていたが、あまりの迫力にフリーズ状態。

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そんななか、マシューさんは隙をついて、しれっと御網代に触ることに成功していた(笑)。一方近づけなかったピョーさんも、岡部部長らの粋なサポートもあって、どうにかお触り成功!

残るジョンさんの姿は見当たらず...。

この後は、いよいよ御網代輿が長い石段を滑り降りるクライマックスだ。関係者に「火花散らしながら降りていくんで」と、注意も促された。

カウントダウンと共に、少しずつ滑り落ちていく威力はすさまじく、人が何人も押し倒されていった。石段の隅には、ケガ人まで倒れている。心配で見れば...な、なんと行方不明だったジョンさんではないか! 人が流れてきて、柵に足をぶつけたらしい。なんとか自力で立つことはできたが、大事をとって休むことになり無念のリタイヤとなった...。叶えたかった夢は"元気になりたい!"なのに、残念だ。

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その頃、御網代輿はようやく最後の石段へ。激しい火花を散らしながら、雪崩のごとく無事に下まで降ろしきり、見事なフィナーレを飾ることに成功!! YOUらは「グッドミッション!」と肩を抱き合いながら喜んだ。その後は、神社に置かれていた巨大台車に乗せて町を練り歩き、神事を行って祭りは終了となった。

マシューさんは「来年もう1回行きたい」、ピョーさんは「ミャンマーが平和になるように」と願ったところで、2022年最後の密着も終了! 2023年がみなさんにとって良い年になりますように!