被害者は殺人ドクター?法で裁けない人間を狙った「七つの大罪殺人事件」の真相

公開: 更新: テレ東プラス

毎週月曜夜11時6分からは、ドラマプレミア23「警視庁考察一課」(企画・原作:秋元康)を放送中!

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「テレ東プラス」では、12月12日(月)に放送された第9話「"七つの大罪"殺人事件⁉」の内容をプレイバックする。

大東京警察署・考察一課...それは、現場へ行かずに捜査する考察専門部署。
考察官の山村楓(山村紅葉)、西村まさ雄(西村まさ彦)、名取悠(名取裕子)が、未解決の「顔面タトゥー殺人事件」について考察していると、考察一課管理官の徳永りえ(徳永えり)がやって来る。

黒いトレンチコートを着て出かけようとする考察一課長の船越慶一郎(船越英一郎)に、「どちらへ?」と声を掛けると、トレンチコートをバッとはだける船越。思わず目をつむる徳永だが、トレンチコートの下には黒いスーツを着こんでいた。

「見りゃ分かるだろ、葬式だよ」

「ああ...どなたのですか?」

「古い知り合いだ。じゃ、行ってくるぞ」

神妙な面持ちで出ていく船越。その背中を見送って、「どなたか親しい人が亡くなられたんでしょうか」と徳永。名取は、斉藤ゆり(斉藤由貴)という人物が病気で亡くなったと説明する。

「とても美人で頭のいい人だったって」

船越は、同期で捜査一課長の柳沢慎三(柳沢慎吾)と、かつて1人の女性を取り合った過去がある。亡くなったゆりが、まさにその女性だ。

「さっきね、出かける前に見せてくれた写真」

山村は、一枚の古い写真を見せる。そこには、若かりし頃の船越と柳沢、ゆりの後ろ姿が写っていた。「2人とも昔から顔は全然変わってないですね」と思わず吹き出す徳永、名取も「なんかこれ、若返り加工のアプリを使ったみたいよね」と笑う。

「2人が新人研修で一緒だった頃に撮ったものらしい」

「じゃあ斉藤さんも警察関係の方ですか?」

「ううん、弁護士よ」

「この頃担当した事件で出会って、年齢が近かったから、意気投合したんですって」

「聞いた話だと、この頃の2人はとにかくゆりさんにぞっこんで、彼女に気に入られようと必死にアピール合戦をしていたらしい」

「へぇー! で、決着はついたんですか?」

「どっちと付き合ったのかまでは聞いてないけど、どっちもフラれたんじゃないか? 知らんけど」

「で、この出会いから5年後、3人は意外な形で再会を果たすことになるの」

「どういうことですか?」

「当時捜査一課で一緒だった船越さんと柳沢さんは、とある事件で彼女と...」

そこへ、徳永のスマホに着信が。「いいところなのに!」と顔をしかめて電話に出る徳永だが、捜査一課からの新たな考察の依頼で、すぐに仕事モードの表情に。それを聞いた考察官たちも、真剣な顔になる。

徳永はホワイトボードに5枚の変死体の写真を貼り、概要を説明する。

「こちらは、先月から都内で発生している5件の殺人事件の写真です。この事件について、犯人の目的を考察して欲しいという依頼が来ました」

「ってことは、捜査一課は全部同一犯と見ているのか」

「はい」

それぞれの事件は被害者同士に接点がなく、殺害方法もバラバラなため、同一犯の可能性は薄いと考えられていた。ところがここにきて、同一犯による犯行の可能性が高まったという。すると、考察一課随一の勘の良さを誇る名取が、「ピンと来た!」と何かをひらめく。

「犯人は、何か挑戦状みたいなものを送ってきたんじゃない?」

「なんでそんなことが分かるんだ?」

「写真よ。これ、普通のカメラじゃなくてインスタントカメラで撮った物じゃない? 警察では、普通こんな写真使わないわよね」

確かに、貼られているのはインスタントカメラの写真を印刷したもののようだ。

「はい、そうです。写真のオリジナルは今、捜査一課に」

「じゃあ犯人は、写真そのものを送りつけてきたのね」

「さすがです、名取さん。この5枚、殺人事件が発生したそれぞれの所轄宛てに送られてきたそうです」

「文書は添えられていたの?」

「写真のみで、それ以外は何も...」

「連続殺人犯の可能性が高く、目的は不明、だから考察してほしい、と」

「このシリアルキラーが一体何を考えてるのか、っていうこと?」

「はい」

「でも正直、シリアルキラーの考察って...」

「身も蓋もないこと言っちゃうと、何を考えてるか分からない人たち...」

すると西村がスッと出てきて「知りたいですか? シリアルキラーのこと」と物知り顔で言い、資料を渡す。

「一口にシリアルキラーと言っても、いろんなタイプがあります」

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西村によると、シリアルキラーのタイプは4つ。徳永が「今回の犯人はどのタイプになるんでしょうか」と聞くと、「断定は難しいな」と西村。

「警察に写真を送っているから、何か自分なりの正義があっての殺人かもしれない。妄想に憑りつかれている可能性もあるし、快楽型やパワー・コントロール型の可能性も捨てきれない」

「?」という空気の一同。

「嬉しそうに出てきたわりに、何の解決にもなってないじゃない!」

「なんだと! そっちがシリアルキラーについて知りたがっていたんじゃないか」

「そっちが説明したがったんでしょ!」

「はいはい、ストップ!」

揉める西村と名取を、山村が制止する。

「今度は被害者の方を探っていきましょう。被害者同士、何か共通点が見つかるかも」

「そうしましょう!」

ハラハラと見守っていた徳永も、それに同意する。

「物事はね、あらゆる角度から見なきゃダメなの。考察は、キティちゃんを愛でるのと同じよ♡」

徳永は、5人の被害者について説明する。
会社経営者の長谷部慎は、自宅付近で撲殺。タレントの卵の芝井美月は、ジョギング中に襲われ、絞殺死体で発見。商社マンの祖父江聖人は、新宿で刺殺。飲食店経営者の安曇敬介は、自分の店で毒殺。佐多優哉は学生で、自宅近くの路上で刺殺された。

「この5人って直接知り合いだったり、つながりがあったりはしないのかしら」

「今捜査中ですが、まだ見つかっていません」

すると山村が、祖父江の写真に何か書いてあるのを発見する。よく見ると、すべての写真に小さくアルファベットの文字列が記入してある。解読しようと文字に赤丸をつけていると、いつのまにか名取がいなくなっていた。「打ち合わせを忘れてたみたいで、急いで出て行きました」と徳永。

「なんの打ち合わせ?」

「スワヒリ語教室の事件ファイル。単発の2時間ドラマだそうです」

「こっちはラテン語だ!」

西村は、写真に書かれた文字列がラテン語だと突き止め、意味とともにパソコンに打ち出す。

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「これ、『七つの大罪』じゃない!?」

ひらめく山村。ネットで調べると、『キリスト教における、傲慢・嫉妬・憤怒・怠惰・強欲・暴食・色欲の7つで構成される、死に至る罪の総称』と出てきて、「確かにかぶってるな」と西村。

「じゃあ、あと2人犠牲者が出るってこと...?」

「残っているのは、"傲慢"と"強欲"」

「おいおい、そうこう言ってる間に"傲慢"と"強欲"の写真が届くかもしれねぇ...!」

勢いよくドアが開き、驚く一同。入ってきたのは、京都に行っていた内藤昌志(内藤剛志)だ。

「たっだいまー!」とお土産を掲げる内藤に、「傲慢と強欲!」と西村。何のことかわからない内藤は、「何? おおきに!」とニコニコする。

お土産は「東京ばな奈」で、「京都に行ってたんじゃないの?」と不思議がる山村。

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「いや、京都でお土産買って帰ったんだよ『阿闍梨餅』。でもさ、あれおいしいじゃない?新幹線の中で全部食べちゃって、腹いっぱいで、品川でそれ買ってきた」

ガハハと笑う内藤に、西村が「強欲...」とつぶやく。

ホワイトボードの『七つの大罪殺人事件』という文字を見て、「あれ、なんだっけ? 映画?モーガン・フリーマンが出てくるやつ?」と思い出そうとする内藤。

「ショーシャンクの空に?」

「違う」

「ドライビング Miss デイジー?」

「そんなマニアックチョイスじゃなくて、刑事ものだよ」

「ああ! 踊る大捜査線でしょ?」

「それはモーガンさんじゃなくて、いかりやさんだろ。有名なやつあるだろ? モーガン・フリーマンで一番有名なやつが...」

「もしかして、セブンですか?」

退室していた徳永が、写真と資料を手に戻ってきた。「それだ、正解!」と「東京ばな奈」を差し出す内藤。

一同、考察に戻る。徳永が所轄に確認したところ、新たに2人の被害者の写真が送られてきていた。2つの写真には、やはり『傲慢』と『強欲』を意味するラテン語が書かれている。

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6人目の被害者は医師の藤原誠一朗で、品川区の自宅で死亡しているのが確認された。死因は筋弛緩剤を注射したことによるもので、注射器は発見されていない。

「事件と自殺、両面で捜査を進めています」

「医者だから筋弛緩剤も自分で手に入れることはできるよな」

「はい。で、この藤原なんですが、実は...」

藤原は、「金のためなら何でもやる」と評判の医者で、筋弛緩剤を使って病人を安楽死させているという噂も。

「死を処方する医者...」

「で、こっちの人は? 名前書いてないけど」

7人目の被害者は女性。写真は髪が顔にかかっているため人相は判別できないが、口元の下に特徴的なホクロと、手首にリストカットの痕が見える。

「この女性に関しては、どの所轄にもそれらしき事件の報告がないんです。念のため、3ヵ月さかのぼって失踪した人物、不審死した人物で該当者がいないか調査してもらっています」

「とはいえ、7人出揃ったということだな」

「すっごく単純に考えると、犯人は"七つの大罪"を犯した人間を処分しているということになるわよね?」

「患者を安楽死させてる藤原は悪人っぽいけど、他の人たちも何か殺されるような悪事を...?」

「それもあわせて捜査中です」

内藤がふと高島のデスクに目をやると、ちょうど「BUBCCA」の見出しに『恐怖の殺人医師・患者を次々と安楽死に!』と書いてあるのを発見する。「

「この雑誌、タイムリーなことが書いてあるぞ!」

「BUBCCA」を見ると、余命わずかな"医師F"が自暴自棄になり、患者に死をもたらしているという内容が書かれていた。"医師F"とされる人物には目線が施されているが、藤原と同一人物であることが分かる。

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「この余命わずかっていう件、捜査一課に確認します」

さらに、別の「BUBCCA」を見ていた西村が、被害者の1人である芝井が、ライバルタレントへの誹謗中傷をネット書き込み、それを苦にして相手のタレントが自殺したという記事を見つけた。

「なぁ、7人を結ぶのは『七つの大罪』だろ? そしてそのうち2人は現に悪行を働き、それに見合ったかのような殺され方をしている。やっぱり、この被害者たちはみんなそれなりの悪人で、その制裁として殺されたってことじゃないか...?」

果たして、被害者たちの裏の顔とは? そして身元不明の女性遺体の正体とは...? 衝撃の事実が明らかになる!


【第10・11話合体スペシャル】
珍しく全員が揃った考察一課に、「顔面タトゥー事件」の新たな被害者が出たとの一報が。だが柳沢慎三(柳沢慎吾)は「このヤマには触るな」と事件の考察を禁じる。
今回は捜査一課で犯人を挙げるというが、船越慶一郎(船越英一郎)は何かが引っかかっている様子で...。名取悠(名取裕子)は犯人の心理を探るべく、連続殺人事件を起こした死刑囚"女殺人鬼"こと忍(中山忍)に協力を仰ぐ。