国公立大学医学部に強い北陸の名門・富山中部高校。勉強も部活動も全力で挑む、”意欲”を生み出す教育とは?

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名門校の知られざる姿を、生徒や親、教師など、さまざまな視点を通して紐解く情報ドキュメンタリー「THE 名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週土曜午前10時30分)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回紹介する名門校は、「富山県立富山中部高等学校」。毎年、東大理三をはじめ、医学部に多くの合格者を出す県内屈指の進学校だ。合格実績のみならず、英語や生物、スポーツなどさまざまな大会で全国レベルの成績をおさめる生徒も。実は、同校には、多方面で活躍する生徒たちの意欲を支える独自の取り組みが!

番組では、プロサッカークラブに所属、年代別日本代表候補にもなった3年生に密着。プロサッカー選手になって日本代表のセンターバックになることを目標にしている彼には、もう1つ叶えたい夢があった...。

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雄大な立山連峰を望む富山市。「富山県立富山中部高等学校」、通称「中部」は、市の中心部を流れる神通川沿いにある。男女共学で全校生徒数は833人。

2022年春の大学合格実績は、東大・京大21人を含む国公立に229人。特に、医学部医学科は31人と県立高校では北陸トップを誇る。

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築8年の新校舎には学びの施設が充実。登校時間、生徒たちはそれぞれ好きな入り口から校舎へ向かう。外履きのまま入れるため下駄箱はなく、「朝日のプラザ」と呼ばれる開放的な中庭が広がっている。

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校内に入ると、目につくのが多様な学習スペース。休日も開放されている自習用の「学習室」や、少人数学習で使用する「ゼミ室」を完備している。さらに職員室の隣には「学びの広場」と呼ばれる空間が。先生に教科の質問や進路相談ができるようになっており、まるでカフェのような半オープンテラスまである。ある生徒は、「富山県内の志の高い人が集まっているうえに、さらに校舎がきれいなのをオープンスクールで知り、先生方も丁寧に対応してくれるのがわかったので、精いっぱい受験勉強を頑張って中部に入学した」と同校の魅力を教えてくれた。

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公立校には珍しいカフェテリアは11時にオープン(~13時30分まで)。休み時間であればいつでも利用できるため、早めに昼食をとり、長い昼休みを丸々自習にあてる生徒も多いようだ。ちなみに人気メニューはご当地ラーメンの「富山ブラックラーメン」(300円)。一番人気の日替わり定食(400円)はすぐ売り切れてしまうそうだ。

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高い合格実績を誇る中部には、普通科と探究科学科がある。そのうち探究科学科は、「理数科学」と「人文社会科学」の2学科があり80人が在籍している。1年生のうちに発展的な学習に備える基礎を身につけるための「基幹探究」という授業が週3コマあり、少人数のゼミ形式で生徒16人に教員が2人以上つく充実ぶりだ。与えられたテーマについてグループで研究、「テーマだけを与え、そこから自分たちで規則性などを見出し、わかったことを発表する」(数学科・上山哲司先生)。

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さらに、探究科学科では1年生から企業研修を行い、知見を広げる。この日学んでいたのは「まちづくり」。講師は中部の卒業生で、地元の酒蔵の当主、桝田隆一郎さんだ。事業に成功する秘密など、企業家ならではの視点で伝えていた。客席が10席しかなく、12月中旬まで予約がうまっているという蕎麦店を例に挙げ、授業を進めていく。さて、ハードルを乗り越えてでも蕎麦を食べたいと思ったら、どうすればいいのか? 気になる桝田さんによるユーモアたっぷりの授業の模様はぜひ番組で。

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勉強以外にもさまざまなことにチャレンジする中部生。文化祭も独特だ。模擬店もなく文化部の展示や発表がメイン。好奇心が強い中部生たちは、目を輝かせながら各部のコーナーを見て回っている。

実は中部の文化部は強豪ぞろいで、美術部は、この秋、県の美術展「富山県青少年美術展」で彫刻部門・金賞と絵画部門・大賞を受賞。生物部は、「生物学オリンピック」本選出場をはじめ、さまざまな大会で活躍している。展示もユニークで、今年はカエルが大好きな部員が自宅で飼っている「アルビノツメガエル」を持ち寄り、カエル専門のコーナーを設けていた。

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運動部も盛んだ。高校では珍しいアーチェリー部があり、好成績をおさめている。テニス部も男女ともに強豪。女子は、今年の「インターハイ」出場も果たした。全国大会に13回出場しているサッカー部は、取材時、ちょうど冬の「高校サッカー全国大会」を目指し県予選の真っ只中だった。

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世界的な大会にも数多く挑戦する中部生。中には、米国スタンフォード大学のオンラインプログラムで最優秀賞を獲得した女子生徒もいる。天谷優來さん(3年生)だ。「意欲の塊というか、学びたいっていう意欲が、本当にこの学校はみんなすごい。周りにも挑戦している人が結構いるのでそんな特別じゃない気がして。そういうことをやっているときのほうが、勉強もうまくいっているような気がしますね」という。

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そしてもう一人、常識外れの挑戦をしようとしている生徒が。3年生の小川遼也くんだ。小川くんには壮大な構想がある。「将来はサッカー日本代表になって、その後、医師になる夢も叶える」というものだ。実は遼也くん、プロサッカークラブ「カターレ富山」のアンダー18の選手で、年代別日本代表候補に選ばれ、合宿にも参加している。だが、サッカーの練習で入試勉強が出遅れ、入学時よりテストの順位は落ちているのだとか。入試まで残り3カ月...巻き返すことはできるのか!? 妥協しない遼也くんの奮闘の様子はぜひ、番組で。

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このほか番組では、在校生や卒業生の保護者による中部生の印象や授業風景、遼也くんの両親が語る息子への思いなどを紹介する。

毎週土曜午前10時30分放送! 「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)をどうぞお見逃しなく!