サブスク時代の作詞家ギャラ事情...不況でも年収1億円!地下アイドルの曲は3万円で買い取りも?

公開: 更新: テレ東プラス

ここ数年、音楽業界はCDセールスが低下し、サブスクへと移行。某アーティストの「サブスクというシステムを考えた人は地獄に堕ちてほしいと思っている」というSNSでの発言があったように、サブスクでの利益は非常に少ないという。そうなると、当然作詞家の収入も減ってくるのだ。

そこで今回の「テレ東プラス 人生劇場」では、40年近く音楽業界の変遷を見守ってきた作詞家・Oさん(仮名)を取材。前編では、作詞家業界の裏側を聞いたが、後編では、作詞家のギャラや印税事情など、誰もが気になる"マネー"について深掘りしていく!

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カラオケ印税はコロナで大打撃

――前編の記事ではOさんが作詞家になった経緯などを伺いましたが、30年以上も作詞のお仕事をされていると、仕事のやり方も変わってきますよね?

「そうですね。できた詞をFAXで送る時代からやってきたので、それはもう、いろんな変化がありましたよ。なので、配信が中心のサブスクへ移行したのも、しかたがないことなんだなと思っています。CDが100万枚とかガンガン売れていたのが異常だったんだと思うようになりました(笑)。
当然、仕事のやり方も変わってきて、昔はレコード会社のディレクターに売り込みに行き、指名で仕事をもらって打ち合わせをして、というルーティンでしたが、今は『こんなコンペがあるよ~』とメールで参加を促されることが多いです」

――なるほど。コンペに通るのはなかなか難しいことなのでしょうか。

「昔より、コンペが全く決まらない状況です。1曲に対し100個ぐらいの詞を集めているという噂も耳にしますし...。ここであえて"噂"と言わせていただくのは、知り合いの知り合いぐらい関係の薄い作家事務所からの仕事なので、正直、実状がよく分からないんですよ。今の私はそんな状況なので、コンペではない仕事をくれるプロデューサーとのご縁を大切にしています」

――ここで一番気になるところのお話を...作詞家のギャラ事情はどうなっているのでしょうか?

「基本的には、著作権印税のみをいただく形が多いですね。なので、CDが売れていた時はある程度収入が補償されてましたが、今はかなりの収入減です。
昔は普通にCDが売れていましたが、サブスクになってからは、1曲再生されても0.16円ほど。1万回再生されても1,600円の計算になります。この辺の金額は変動がありますが、なかなか厳しいギャラ事情になってしまいました」

――印税といえばカラオケというイメージがありますが、そこで儲かるみたいなことは?

「カラオケはコロナで大打撃を受けました。それに、カラオケに自分の曲が入っても、かなり歌われるような曲じゃないとあまりおいしくないんですよ」

――他に印税が入るものは?

「結婚式場でかかるようなラブソングを書いていたら、結構お金が入ってきます。昔だったら安室奈美恵さんの『CAN YOU CELEBRATE?』や木村カエラさんの『Butterfly』。結婚式場でかける音楽はサブスクから流すことができないので、きちんとお金が入ってくる仕組みです。コロナの影響もありましたが、また復活してるのではないでしょうか。
あとは、何と言ってもYouTubeの収入が大きいですね。再生数に応じて収入があります。私は経験がありませんが、自分が書いた曲がパチンコに入ると、結構お金が入ってくるようです。ところが、パチンコ業界も厳しいのか、既存の曲を使うとお金がかかるので、なかなか使いたがりません。有名な時代劇ドラマがパチンコに入っても、『あれ? 主題歌が使われてないな』と思うことありませんか?(笑)」