父と祖母を介護する29歳のリアルな恋愛事情と夢。7年後、手にしたものは...:家、ついて行ってイイですか?(明け方)

公開: 更新: テレ東プラス

11月14日(月)に放送した「家、ついて行ってイイですか?(明け方)」(毎週月曜深夜)では、池袋駅前で出会った、ワケあり女性のお家について行きました。

池袋駅前の花壇でぼんやり座っている女性に声をかけると、「出会い系で知り合った人にバックレられて...」と怒りの告白からスタート! やさぐれて、御茶ノ水駅から池袋まで歩いて来たら、靴が壊れてしまったんだとか。仕方なく接着剤を買って、壊れた靴底をくっつけている最中だといいます。そこで「家、ついて行ってイイですか?」と聞くと、あっさりOKしてくれました。(取材日:2015年5月24日)

タクシー代をお支払いするかわりに、はなちゃん(29歳)のお家へ。お仕事を聞くと、「アルバイトをしてたんですけど、契約が切れたので探している」とのこと。バックレられた相手への怒りをぶちまけるうちにお家に到着しました。

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6LDK、築40年。階段にはホコリが目立ちます。2階のはなちゃんのお部屋へお邪魔すると、ベッドの上には洗濯物が乱雑に積み上げられていました。「(この)部屋で生活していないから。普段は1階のリビング以外は生活空間じゃない」と話すはなちゃんの言葉を、この時点ではまだ理解していなかった番組スタッフですが、後ほどその真相が明らかとなります。

ひとまず、はなちゃんの部屋でお話を伺いました。「出会い系の男は何者?」と、あらためて聞くと...「わかんないけど、クッソむかつく」と、はなちゃんもまたまた怒りがこみあげてきた様子。気を取り直して、乱雑に物が詰め込まれている棚の中を見せてもらうと、民法の本を発見。「介護が必要な父親がいるので、成年後見人とか勉強しないと話にならなかったから」と、民法を読んでいる理由を明かします。

ここでふっとはなちゃんは真顔になり、「親御さんって元気だと思ってないですか?」と番組スタッフに逆質問。「元気ですよ」と応えると...「と、思うじゃないですか? いきなり脳出血、脳いっ血で倒れますよ」。

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実ははなちゃんが26歳の時に父親が病に倒れたといいます。「要介護5」で、介護が必要な状態の一番高いレベルだそうです。

1階へ戻り、リビングのベッドで寝ている父親に「寒い? 寒くない?」と明るく声をかけるはなちゃん。自分の意志をうまく伝えられない父親には「こっちからイエス、ノーが言える言葉をかけないといけない」といいます。

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食器棚のほうに目を移すと、「食べ物は食器棚に入れない」と書かれた張り紙が、存在感を放っていました。その理由は「おばあちゃんがボケちゃってるから、そういう事書かないと」と明るく教えてくれるはなちゃん。「要介護5」の父親と認知症の祖母、2人の介護をしていることがわかりました。

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おばあさまは、はなちゃんが23歳の時に認知症で介護が必要になったそうです。もともとは別に暮らしていたそうですが、「お父さんと弟、働いている男2人じゃおばあちゃんの面倒みるの大変だってなっちゃって。じゃあ手伝うよ」と、実家に戻り、正社員からパート社員になって介護をすることに。

そうして3人で面倒をみていたそうですが、その後「お父さんが倒れちゃったから...」と、はなちゃん。ご両親は、はなちゃんが9歳ぐらいの時に離婚したそうです。部屋は片付いていませんでしたが、冷蔵庫は作り置きの料理が入っているなど整理が行き届いている様子。「病院並みのごはんを食べさせてあげないといけない」ということで、毎日作っているといいます。

「90歳のおばあちゃんと車イスに乗らなきゃいけない父親の面倒をみなきゃいけない、20代で背負わなきゃいけない、っていうのは、他の人から見て大変に見えるんですかね?」と、問いかけるはなちゃん。

「大変なのよってアピールしているつもりは全然ない。親を背負ったことがない人のほうが多いと思う。親とかおばあちゃんとか。だから、大変に見えるんじゃないかなって思う。でも背負っちゃえば意外と軽い。重くない。他の人にはわかるかわからないか私にはわからないけど、私の言葉に返事してくれるお父さんは私にとって大事なお父さんだから」と明るく話します。

そんなはなちゃんのこれからの夢は?

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「自分の家族が、私と家族でいてよかったって思ってくれる人生であること。死ぬ時に、『はなこが家族でよかったな』って思いながら死んでくれること」と、自分に言い聞かせるように語ってくれました。