船越英一郎、山村紅葉、西村まさ彦、高島礼子、名取裕子、内藤剛志と、サスペンスドラマ界のレジェンドたちが夢の競演を果たす、超豪華な刑事ドラマが誕生。
秋元康が企画・原作を手掛けるドラマプレミア23「警視庁考察一課」(毎週月曜夜11時6分)を放送中!
現場の状況から妄想を膨らませ、事件のあらましを勝手に考察するのが彼らの仕事。被害者は誰に、なぜ殺されたのか? そして彼らはどんな考察を話すのか!?
個性豊かなクセの強いベテラン刑事たちの考察が時にぶつかり、時に二転三転していく...。果たして最後に見えてくる真実とは...?
レジェンドたちが出演した"名作ドラマのパロディ要素"も見どころのひとつだ。
「テレ東プラス」では、10月31日(月)に放送された第3話「不可解な一家失踪事件」の内容をプレイバックする。
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大東京警察署・考察一課...それは、現場へ行かずに捜査する考察専門部署。ある朝、新人考察官の藤井龍(藤井流星)が早めに出勤すると、考察一課にはまだ誰もいない。それをいいことに、藤井は考察一課のロゴが描かれた壁の前で自撮りする。
すると、部屋の片隅からスマホでこちらを撮影する音が。藤井が驚いて目をやると、そこには考察官・西村まさ雄(西村まさ彦)の姿が。どうやらソファで毛布にくるまり寝ていたようだ。
「西村さん!?」
「自撮り世代か...」
「西村さん、スマホカメラのシャッター音、生かし世代ですか?」
「警察内は機密情報の塊だ。そんな写真、外部に漏らしてみろ。どうなるか分かってるよな?」
「SNSにアップしたりしませんよ」
再び毛布にもぐり込む西村に、「泊まり込みになるような案件、うちにありましたっけ?」と怪訝な顔をする藤井。すると考察官の高島誠子(高島礼子)が出勤し、驚きもせず「定期的に泊まり込んでるのよ」と言う。西村は、真面目だと思われるのが嫌で、毎日無理に遅刻して来る男だ。
「たまに忙しい感じを出したくなるみたい」
「奥さんと揉めてるんですか?」
「どうかしらね。まあ、そこまで興味ないから」
すると窓際から、「藤井」と声がする。考察一課長の船越慶一郎(船越英一郎)がいつの間にか出勤していて、ブラインドの前で外を見ている。
動揺する藤井に、船越は芝居がかった口調で「いい朝だろ? こういう朝に事件は起きるんだよ」と言う。
「何でですか?」
「誰もが幸せを感じる朝...青空は事件を連れて来る」
「よく分からないです。やっぱり現場に出ていないせいでしょうか?」
「違う、若さのせいだ。まだまだ崖が足りてない」
「意味が分からない......」
すると高島が「船越さんは、『刑事っていうのは、崖に行った分だけ経験を積む』と言ってるの」と補足する。
「そうだ。崖の数だけ、事件があるってことだ...」
壁に貼られた崖の写真を指さす船越に、「ますます分からない」と混乱する藤井。
すると船越のスマホに着信があり、「なに!? 分かりました、すぐ行きます」と深刻な雰囲気に。
「何かあったんですか? 崖だったら僕も連れてってください!」
「崖じゃない...平地だ」
トレンチコートの襟をビシッと立て、船越は出て行った。
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考察官の山村楓(山村紅葉)、名取悠(名取裕子)も出勤し、しばらくすると、捜査一課長の柳沢慎三(柳沢慎吾)がやってくる。考察一課と捜査一課は犬猿の仲。柳沢が部屋の中を見回し、船越の居場所を尋ねると、名取がそしらぬ顔で「病院の定期検診じゃないですか? 昨日、尿酸値がどうこう言ってましたから」と答える。
「みんな聞いてくれ、事件だ。捜査一課だけでは解決しそうもない。考察してくれ!」
真剣な表情の柳沢に、「ごめんなさ〜い。私、衣装合わせがあるのよ」と名取。
名取は刑事ドラマの監修をした縁で、京都を舞台にした検事のドラマに出演。それがシリーズ化することになったらしい。
さらに高島は、ここのところ考察一課が追っている『顔面タトゥー連続殺人事件』の件で気になることがあると出て行ったばかりで、「ここは全員が揃うことはないのかよ!」と呆れる柳沢。出欠ボードを見ると、内藤昌志(内藤剛志)のところには『ほぼ京都』と書かれたままだ。
「まあ...本来は、それぞれが主役の刑事ですからね」
「一刻を争っているんだ。ある家族が行方不明なんだ。命が危ないんだよ!」
「穏やかじゃないわね」と山村。
「それを警察に教えてくれたのは...この子だ」
タブレットを出す柳沢。そこにはドッグウェアを着た犬の写真が表示されており、名取は「あら、かわいい♡」と釘付けになる。
しかし次の写真にスクロールしてみると、ウェアには「た、す、け、て」と読める赤い文字が。さらにウェアには血痕も付着しており、家族のものか鑑識が調べているという。
「その家族が飼っているペットか?」
「ああ、そうだ」
「じゃあ、これを書いたのは飼い主...」
名取は「飼い主じゃないわよ、家族でしょ? あなたは大事な家族よね。必ず、あなたの家族を助け出しまちゅからね〜」と犬の写真に語りかける。
考察一課の管理官・徳永りえ(徳永えり)がホワイトボードに被害者や家の中の写真を貼り出し、事件の概要を説明する。
消息を絶ったのは、東京・荒川区在住の会社員・立花直也(荒井しき)、専業主婦の妻・香織里(松丸春奈)、小学生の息子・涼(西川晃一朗)の3人家族。
直也は主に望遠鏡を製造販売する会社の営業マンで、勤務態度は良好。現状の聞き込みでは、夫婦ともに借金やトラブルなどの情報はなく、証言の大半は『子ども思いの仲の良い夫婦』といったものだ。
ドッグウェアの『たすけて』の文字は、赤い口紅で書かれていた。筆跡から見て、息子の涼が書いたものとみられる。
「涼くんが、お母さんの口紅を借りて書いたってことね」
子ども部屋には、星空の写真や体望遠鏡が飾られている。
「星が好きな少年だったんですね」
「お父さんが望遠鏡の会社だからね」
事の発端は、今朝8時15分頃。荒川区宮松通りを散歩中だった藤間麻里子(松本海希)が、迷い犬を発見。藤間は犬を抱いて千住南交番へやって来たため、犬は保護された。
犬の首輪には携帯電話の番号が印字されていたが、かけても応答がないため、巡査が携帯の持ち主・立花家を訪ねるも、不在。扉が開いていたので、不審に思った巡査が中を確認すると、リビングに何者かが争った痕跡が。ソファーからは血痕が発見されたという。
「ひでぇな。周辺の住人は異変に気づかなかったのか?」
「ああ。ただ近所の住人によると、立花家の前に不審な車が停まっているのを見てるんだよ。今朝の7時半頃だ」
柳沢は「船越が帰ったら連絡してくれ」と、捜査一課に戻って行った。