"話術"だけで勝負するラジオパーソナリティ。日常の些細な出来事を、どうしたらそんなに面白おかしく話すことができるのか!?
ラジオ好きも必見の番組「盛ラジオ」(毎週木曜深夜1時放送/テレビ東京ほか)がスタート(全6回)。芸人たちがラジオのためにロケを行い、そのロケについて話すラジオをSpotifyで配信。ところが、ラジオ"だけ"ではなかった! 後日、別番組の収録としてテレ東スタジオに呼び出された芸人たちは、トークの元となったロケ映像を見ながら、どれだけエピソードを盛って面白く演出しているか"盛力"を検証されることに!?
番組MCは、元テレビ東京プロデューサーで今やラジオスターでもある佐久間宣行と、切れ味鋭いツッコミで大人気の小峠英二(バイきんぐ)。第1回は三四郎(小宮浩信、相田周二)、第2回は鬼越トマホーク(坂井良多、金ちゃん)の"盛り"を丸裸に。
今回、ラジオ好きゲストとしてスタジオ収録に参加した松田好花さん(日向坂46)にインタビュー。番組の感想や自身がパーソナリティを務めるラジオ番組、そしてあふれるラジオ愛をお届け!
エピソードトークの"盛力"は?
――「盛ラジオ」初回収録を終えての感想は?
「テレビもラジオも両方好きなので、企画を聞き、"THE現代"っていう感じがして、とてもワクワクしました。
普段ラジオを聞いている時は、エピソードの情景を目にすることは出来ませんが、この番組ではロケの映像まで見られるので、どこをどう盛ったかを分析できて楽しかったです」
――今回ロケを行った三四郎さんと鬼越トマホークさんでは、盛り方が違っていましたね。
「芸人さんによって、それぞれのスタンスがあるんですね。技術があるから出来ることだと思いますが、三四郎さんのちょっとした盛り=小盛りが面白くて(笑)、自分も出来るようになれたらいいなって思いました」
――今回、松田さんが"ラジオ好きゲスト"に抜擢されたのは、ラジオ好きが浸透してきたからでしょうね。
「ラジオ好きな方はたくさんいらっしゃいますし、公言していないだけの方もいると思うので、おこがましいんですが...。ちょっとでも私のラジオ愛がこの番組で出せるようにしたいです」
――ご自身がパーソナリティを務める「日向坂46松田好花の日向坂高校放送部」(ニッポン放送)は、1周年を迎えたばかりですが、この1年間での手応えは?
「始まった当初より、慣れてきた感じはあります。一人でしゃべる会とゲストのメンバーとしゃべる会との隔週で放送されていますが、一人回は『好きにやっていいよ』とスタッフさんが言ってくださることもあって、好きにしゃべっています。ゲスト回は、ゲスト目当てで聞いてくださるリスナーの方もいると思うので、リスナーはどんな話を聞きたいかを意識していますが、まだ完璧には出来ていなくて、反省することが多いです。ありのままの自分で話せたらいいなと思っています」
――メール選びは、松田さん自ら?
「全部には目を通せていないんですけど、作家の方が選んでくださった中から私が選んでいます。ちょうど自分が話したかった内容を突いてくれているメールや、純粋に響いた内容のメールを選ぶことが多いです。困った時はリスナーさんからのメールに頼って、メールから話を広げることもあります」
――今の松田さんなら、どんなメールが響きそう?
「番組の感想、それこそ『盛ラジオ』の感想とか(笑)。『この時、こういう裏話があったんですよ』とつなげやすいので。
コーナーメールだと、自分が面白いと思ったものを直感で選んでいますが、自分自身にそんなにセンスがあると思っていませんので(笑)、基本的にはいろんな方のメールをたくさん読むつもりでいます」
――ご自身のエピソードトークは、どうやって話題を選んだり、構成されているんですか?
「『日向坂高校放送部』が始まる時に、番組のスタッフさんからノートとストップウォッチをいただいたので、ノートに書き込むようにしています。第一段階は、ケータイにメモることが多いんですが、ラジオの収録の前により細かくノートに書き移して、『こういう順番で話したらいいかな』と考えたりします。
初めの頃は、収録で話す内容を事前にスタッフさんに全部話して聞いてもらっていました。でも、初めて話す方が新鮮だと気づいて、今は本番までその話はしないようにしています。目の前でいいリアクションが欲しいですし、その方が私的にもノっていけます」
――番組スタッフ以外の、例えばメンバーにトークを聞いてもらったりは?
「それは申し訳ないです。家族は京都にいますし。近くに話せる相手がいたら、アドバイスをもらえて、成長できそうですね」
――ラジオパーソナリティのお仕事を始めると、トークのために能動的になる方が多いようですが、松田さんの場合は?
「それはあります。普通に暮らしているだけでは、あまり話すことが見つからないので、お休みの日がエピソード探し旅みたいになることも。『ちょっと面白くなりそうだな』と一歩前へ進むことは、確かにあるかもしれないです」
――ちょっとした嫌な出来事も、トークのネタに出来ますよね。
「そうですね。昇華できるのは、とても素敵です。リサイクルみたいな(笑)」
――ご自身のエピソードトークに、"盛り"はありますか?
「技術が全然ないと思っているのもあって、盛ることはないです。面白くなるように、ニュアンスを変えたり、感情を乗せる時はありますけど、ゼロイチで作り上げるようなトークは、勇気がなくて出来ていません」
――「日向坂高校放送部」内で、お父さんからお菓子の「きのこの山」がワンカートンも届いたというエピソードトークをされていましたけど、それも盛っていませんね?
「盛っていません(笑)。でも言い方は考えました。大きいダンボールの中に12箱入っていたんですけど、12箱でも1ダースでもなく"ワンカートン"って言う方が面白いかな、と。カートンの概念はイマイチわかっていませんが(笑)、ちょっとした響き、ついつぶやきたくなるようなワードチョイスが出来たらといいなとは思っています」
――ワードチョイスのためにされていることは何かありますか?
「う~ん...意識的にはないんですけど、たくさんラジオ番組を聴いていることですかね(笑)。"この言い方いいな"と、ちょっとずつ染み付いているのかもしれません」