森永卓郎「円安を止める原資はあるのに...岸田さんはセコい!!」円安を徹底分析

公開: 更新: テレ東プラス

円安について、製造業のマインドが弱気になっているという話を受け、後藤さんは「なぜ2005年頃の円安と、今の円安は受け止められ方に差異があるのか?」と質問を。

末廣さんは、その理由を2つ挙げた。1つ目は「日本の景気が暗いこと」で、先ほどと同じ背景があると分析。2つ目は「グローバルでの競争力の低下」。00年代までは、まだグローバルで戦うという機運が日本に残っていたが、その後金融業も製造業もグローバル競争に敗れ、円安を利用してグローバルで戦おうという考えが生まれづらくなっているという。グローバルに目線が向けづらくなった結果、国内市場における円安の悪い影響にばかり目が行き、さらに暗いムードになっている負のループになっているようだ・・・。

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森永さんも、日本企業のグローバル競争力の低下を嘆いている様子。悪い例として、かつて世界の工場だったイギリスが、ポンド高になってから金融立国へ方向転換をした結果、競争力が低下してアメリカに負けてしまった歴史を力説した。
日本も同じような道を進もうとしている、改めて汗をかいてモノづくりをし、まずは国内、そして世界に消費して貰うことが重要と説くが、この考えは金融関係者にはウケが悪いと愚痴をこぼした。

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製造業だけでなく、全国民が為替差益で爆儲け!?

円安は短期的には物価高など厳しい面が多いが、中途半端に金融立国イギリスのような道を歩んでいた日本が、再び製造大国に戻れる絶好のチャンスという面もあるようだ。
岸田政権も、ようやく円安の良い面に目を向けた政策を行うと発言するようになってきたが、果たして日本はこの円安を“最大のチャンス”にすることができるのだろうか・・・。

また、製造大国回帰だけでなく、日本が持っている外貨資産を売却することで、巨額の売却益が手に入るという側面もあるようだ。
森永さんは「為替介入の資金は潤沢にあるのに、たったの2兆8000億円。岸田さんはせこい!!」と憤慨する。例えば、為替差益を非課税にすれば、多くの国民が大儲けできる可能性もあるというが、負けマインドが染みついている岸田政権に期待できるのだろうかーー。

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※番組情報
【MC後藤達也】円安、物価高…この先どうなる?森永卓郎、大和チーフエコノミスト末廣徹と徹底討論!【あつまれ金融の森】

司会:
後藤達也(経済ジャーナリスト)

出演:
森永卓郎(経済アナリスト)
末廣徹(大和証券 チーフエコノミスト)

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