森永卓郎「円安を止める原資はあるのに...岸田さんはセコい!!」円安を徹底分析

公開: 更新: テレ東プラス

ホンモノの経済でもっとたのしく!「日経テレ東大学」YouTubeチャンネルで配信中!

Twitterフォロワー約45万人を誇る人気経済ジャーナリスト・後藤達也さんが司会を務める経済番組『あつまれ 金融の森』
外から見るとよくわからない、でも中を見ると様々な生態系がうごめいていて、知れば知るほど面白い金融の世界ーー。後藤達也さんが"森の案内人"として皆さんをナビゲートする。

今回のテーマは『円安』。日経テレ東大学ではお馴染みになっている"経済オヤジ"森永卓郎さんと、番組初登場で日経テレ東大学を勤務中にも観ているほど大ファンという大和証券チーフエコノミストの末廣徹さんをゲストに迎えて、為替相場の行く末を語りつくすーー!

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経済オヤジと番組大ファンのチーフアナリスト

1人目のゲストは、当番組で"経済オヤジ"としてお馴染みの経済アナリスト・森永卓郎さん。今回も「炎上発言しまくるのでは?」と心配だが、それと同時に期待も?

2人目は、初登場となる大和証券チーフエコノミストの末廣徹さん。末廣さんは番組の大ファンで、知り合いの紹介をきっかけに番組を見始め、今では番組を流しながら作業をするほどハマっているという。日本を代表するエコノミストの時間を奪っていることが良いかどうかはわからないが、有益になるような発言に期待したい。

円安は短期的には厳しいが、中長期的には明るい!?

早速、本題である「止まらない円安」についての議論を開始。9月22日、1ドル=145円を超えたタイミングで為替介入があり、一時は円高に動いたものの、その後再び円安に転じ、進行を続けている。番組が配信された時点では149円に近い水準に来ており、150円の突破もあり得る状況となっていた。

この状況について、まずは森永さんに所感を伺うと「1年ほどの短期的に見れば物価高など厳しい面もあるが、中長期的に見ればものすごい追い風になる」と頼もしい発言。

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「ものすごい追い風」になる理由としては、1ドル=150円を超えてくると製造コストが中国よりも日本の方が安くなり、製造工場の国内回帰が一気に進むからだという。既に一部の日本企業では、国内に製造拠点を移す動きが始まっているそうだ。

ここで後藤さんが「円安になったからといって、すぐに海外に移設した工場を閉鎖して日本に戻すことは難しいと思うが、どれくらいの期間が必要か?」と質問すると、森永さんは「経済用語ではヒステリシス効果と呼ばれる、一時的な影響がずっと続くという現象はありえるが、数年間あれば日本に戻ってくる」と回答。
森永さんは日本のメーカー社員と会う度に「国内に戻そうぜ」と呼びかける草の根活動もしているという。
果たして、森永さんの草の根活動の効果も含め、今後日本回帰はあるのだろうかーー。

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続いて末廣さんは「まだ良いか悪いかは判断はできない」としつつ、「一般的に為替変動から2年くらい時差があって企業の動きなどに影響が出るので、そこを見てから」とコメント。基本は森永さんと近い考えを示した。企業の意思決定や実際にヒト・モノの移動などもあるため、少なくとも2年は必要だそうだ。

しかし、不安材料としては円安メリットを享受しやすい製造業からも暗い話を多く聞くという。暗い話が多い理由としては、日本の景気自体が悪く、景気の良い話やポジティブなマインドが生まれづらい状況があるという。暗いマインドのままでは、円安の良い面にも目を向けられず損をし続けて終わってしまう可能性もあるとのこと。結局、経済も人が動かしているので、数字以上にそれを捉える人間の心理が最重要ということだろうか。

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