全アカウントを乗っ取られる被害も!元敏腕警部補が”フィッシング詐欺対策”をわかりやすく解説

公開: 更新: テレ東プラス

――SMSやメールに来たURLをクリックしない、IDやパスワードを使い回さないに加え、やるべきことはありますか?

「クレジットカードやオンラインバンキングだけでなく、今は多くのサイトやアプリで二段階認証を推奨しています。二段階認証を設定すれば、不正ログインされるリスクを軽減できますから、ぜひ設定するようにしてください。

その他、セキュリティを上げるため、WEBブラウザを常に最新のバージョンにアップデートする。セキュリティソフトもインストールし、こちらも常に最新バージョンにしてください。誤って不審なサイトにアクセスしそうな時、警告を表示してくれます」

――二段階認証やカード会社などの監視対応で、不正利用が未然に防げた場合は、安心していいのでしょうか。

「IDやパスワードを犯人に知られたら、『もう盗まれている』という前提で動くのが大切です。仮に1つのクレジットカードで被害が防げたとしても、他のカードや銀行口座、SNSで被害が出るかもしれません。全てのパスワードを変更するなど、その後の被害を防ぐ対応はしてください。

実害がない場合でも警察相談専用電話『#9110』に連絡すれば、サイバー犯罪窓口に繋ぐなど、相談に乗ってくれます。今回お話した対処法を含め、状況に応じて何をすべきかアドバイスをもらえるので、心配な方は相談してみてください」

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『スマホで子どもが騙される』(青春出版)

【佐々木成三 プロフィール】
元埼玉県警察本部刑事部捜査第一課の警部補。多くの捜査本部に従事し、被疑者の逮捕、取り調べ、デジタル捜査班の班長としての情報収集ほか、数多くの実績がある。現在は、犯罪コメンテーターとして多くのメディアに出演し、YouTube「佐々木刑事チャンネル」でも防犯対策を解説。著書に『スマホで子どもが騙される』(青春出版)『「刑事力」コミュニケーション』(小学館)など。『アノニマス〜警視庁“指殺人”対策室〜』『大川と小川の時短捜査』他、刑事ドラマの監修でも活躍している。

(取材・文/鍬田美穂)