「平和ボケの日本をアメリカは守らない!」元自衛隊ドンが語る国防のリアル

公開: 更新: テレ東プラス

ここからは本日のメインテーマ、「平和ボケした日本ではアメリカは守ってくれない」の講義が開始。なぜ日本が平和ボケをするとアメリカは守ってくれないのかーー。理解するためには、アメリカが日本を守ってくれる原点となっている日米安保条約の歴史を紐解く必要があるそうだ。

nikkeitvtokyo_20221018_06.jpg
敗戦後の日本は、アメリカの占領国となり進駐軍が日本各地にいた。その後、主権を回復する中で、進駐軍がいることは矛盾が起きるということから、在日米軍という形にしようというのが日米安保条約の原点だという。そして「在日米軍が日本を守ってくれる」という神話のような考えが日本に根付いていった。

しかし、戦後間もない頃から状況は変わってきているという。アジア地域では中国の急成長によって、アメリカの力は相対的に弱くなってしまったのだ。そのため、アメリカに頼るだけでなく、日本もきちんとアジア地域で役割を果たさないといけなくなっているという。何もしない日本のことをアメリカは守ってくれないし、守れる余裕もなくなっているというわけだ。

やられたら"必要最低限"にやり返す?

アジア地域で役割を果たす必要が高まっている日本だが、河野さんは、憲法9条を拡大解釈しすぎているせいで、役割が果たしづらくなっていると指摘する。

防衛力の議論になると、憲法9条を引き合いに出し、「必要最低限に抑えるべき」という声が上がるそうだが、憲法9条には「必要最低限」とは明記されていないというのが河野さんの解釈だ。

また、必要最低限という基準は非常に曖昧であり、人によって考え方もバラけてしまう点も良くない表現であると指摘する。
例えば、ウクライナのように日本がロシアや中国に侵攻された場合、"全力"ではなく"必要最低限"の抵抗しかできないのか? そもそも必要最低限の抵抗とは何か? という議論になってしまい、本当に戦う現場の士気に関わる問題になるという。戦う自衛隊員の士気という視点での議論は、さすが前統合幕僚長ならではかもしれない。

また、日本は既に最高度の民主主義国家になっており、旧日本軍とは命令体系も違うので、下手に「必要最低限」という曖昧な表現で自衛隊を縛る必要はないという考えを示した。

nikkeitvtokyo_20221018_07.jpg

そもそも「国を守る」とはどういうこと?

そんな最高度の民主主義国家である日本だが、「国を守るとはどういうことか」という議論がされていないと河野さん。シンプルに言えば「国民の生命・財産を守ること」だが、それだけではないという。

nikkeitvtokyo_20221018_08.jpg
ロシアのウクライナ侵攻を見て「ウクライナが早く降伏すれば国民の命と財産だけは守られる」という意見も出るというが、そもそもロシアが命を補償してくれるのかという点は置いておいても、視野が狭いと指摘。もし、ロシアに降伏してしまったら、例え命と多少の財産は残ったとしても、ウクライナという国の文化・伝統・歴史・言葉が途絶えることを意味するという。

国を守るとは国民の命と財産だけでなく、その国が積み上げてきた文化・伝統・歴史・言葉を守ることのようだ。それを聞いてみりちゃむさんも「(日本が)アメリカになったら英語になんの? 絶対無理!」と国を守る重要性が急激に身近になったようだ。果たしてみりちゃむさんが日本語で楽しい日々を送れる日本を守るには何が必要なのかーー。義務教育では教えてくれない講義の続きは日経テレ東大学で!

nikkeitvtokyo_20221018_09.jpg
日経テレ東大学」YouTubeチャンネルで配信中!です。お見逃しなく!

※番組情報
成田悠輔の弟子&みりちゃむ】憲法第9条は矛盾!破綻している!【前・自衛隊のドン&舛添要一

MC:‎吉田翔栄(成田悠輔の弟子)、高橋弘樹(テレビ東京プロデューサー)
ゲスト:みりちゃむ(eggモデル)
舛添要一(政治家、元東京都知事)
河野克俊(前統合幕僚長)

日経テレ東大学とは?
テレビ東京コミュニケーションズと日本経済新聞社が「本格的な経済を、もっとたのしく学ぶ」をコンセプトに立ち上げたガチで学べる経済バラエティYouTubeチャンネル。

お仕事文化祭」も見逃し配信中!