大衆演劇オタクの美女が、推しの舞台に初出演!長ゼリフに絶句...夢の結末は!?:YOUは何しに日本へ?

公開: 更新: テレ東プラス

日本を訪れる外国人たちを空港で勝手に出迎え、アポなしインタビュー! そのまま密着取材を行う「YOUは何しに日本へ?」(毎週月曜夜6時25分~)。今回のテーマは「YOUの夢芝居 間もなく開演!SP」。夢や試練、心にしみる人生劇場を楽しめる95分で、はたしてどんな面白YOUに出会えるのか?

you_20221003_01.jpg
街角でYOUの夢を突撃インタビューし、1組だけ全力で夢を叶えるサポートをする「YOUが日本で叶えたい夢は?」。

東京・上野駅前で声をかけたのは、イタリア出身で約10年間日本に住んでいるというアレッサンドラさん(34歳)。日本の大衆演劇が好きで、いつか舞台に立ってみたいという。推しは浅草木馬館などでもやる「劇団 新(あらた)」だそうで、昨日も一昨日も観に行くなど、休みの日はほぼ劇場というハマリっぷりだ。そんな、"数千回は通った大衆演劇の舞台に立ちたい!"という、アレッサンドラさんの夢を叶えることに決定。

you_20221010_02.jpg
後日、浅草の自宅に決定の報告へ。2LDKの1人住まいには、好きな劇団のグッズや座長の直筆サインなどが所狭しと並んでいる。推しは「劇団 新」だそうだが、なんと座長と誕生日まで同じなんだって! こうしていろいろヒアリングして、協力してくれる劇団を全力で探すことになった。

you_20221010_03.jpg
1カ月後、アレッサンドラさんと再会。劇団探しが難航していると報告すると、「難しいと思ってたんで大丈夫です」とご理解をいただいた。が、これ実はウソ。静かな場所でインタビューをすると言って某スタジオへ移動し、"ウソ"インタビューを始めておよそ15分後、突如アレッサンドラさんの前に現れたのは...。

you_20221010_04.jpg
憧れの「劇団 新」のみなさん! アレッサンドラさんは、サプライズに放心状態だ。

そもそも大衆演劇とは? 歌舞伎がルーツで、昭和10年代と戦後に庶民の間で人気になった義理と人情の娯楽性豊かな演劇のこと。そんな大衆劇場は、現在は全国で約100も存在し、芝居や舞踊ショーなどを公演している。アレッサンドラさんが好きな「劇団 新」は、29年前に父が創立した劇団を2009年から座長・龍 新(りゅう・あらた)が牽引する人気劇団だ。家族9人が、オリジナルの芝居や美しい女形などで客を魅了する。

【全力サポート①】 YOUが大好きな劇団の本番の舞台に出演できるよう依頼

アレッサンドラさんの夢を叶えるため、担当Dは2週間ほど前に座長を訪ねた。事情を話すと、ここまで大衆演劇を愛してくれる方のためならと、依頼を快諾してくれた。サプライズ当日も、公演後に現場に駆けつけてくれたのだ。

you_20221010_05.jpg
こうして現れた座長の口から「弁天小僧をやってもらおうかな」と演目を告げられると、アレッサンドラさんは「私、弁天小僧が大好きで」と大感激だ。「弁天小僧」とは、歌舞伎の人気演目『白浪五人男』に登場する5人の盗賊のうちの1人。美少年であることを武器に娘に変装して悪事を働き、見破られる時に言うセリフ、"連(つらね/抑揚をつけたセリフ)"が最大の山場だ。ひととおり座長が見本を披露してくれたが、山場に1分間もの長ゼリフがあるとわかると、アレッサンドラさんは「ヤッベエこれ...」と絶句。1カ月後の舞台(客前)で披露するが、はたして大役を全うできるのか!?

you_20221010_06.jpg
まずは2時間ぶっ通しで立ち回りの猛特訓をするが、「難しすぎる、ヤバイヤバイ...」と大焦り。

そんなアレッサンドラさんが、舞台を夢見た理由とは? もともと中学生のころから演劇などに出て、演じることは好きだったという。『美少女戦士セーラームーン』などアニメの影響で日本文化に興味を持ち、大学・大学院で日本語を学び、10年前に来日して広告代理店で仕事を始めた。だが、多忙過ぎてうつ病になりかけ、心配した両親がイタリアから駆けつけたことも。

そこで一緒に行った『浅草木馬館』が転機となった。そこは全国の劇団がこぞって公演したがる、昭和52年に開場した関東を代表する大衆演劇の専門劇場。

「たまたま両親と入って、その日から翌年の1月まで、ほぼ毎日観てたんです。うつ病の手前から引っ張られたんですよ。心の中に新しい力が生まれてきて、義理と人情の話とか、本当の日本の心を持ってるお芝居で。本当の大和魂を持ってるお芝居。そういうところですね、ヤラれたところは」と振り返る。

こうして、大衆演劇の舞台に立ちたいという夢が生まれたのだ。初稽古から1カ月の間、自宅でエクササイズとセリフの暗記を徹底。体重2㎏の減量にも成功した。夜な夜な、鬼のような猛特訓も続け、迎えた本番当日は...。

you_20221010_07.jpg
【全力サポート②】 数々の有名時代劇などのカツラを手がける床山さんを手配

劇場がある日帰り温泉施設に到着。夢にまで見た初舞台まで3時間半と迫るなか、数々の有名時代劇などのカツラを手がけるレジェンドの床山さんにヘアをお願いした。出番まであと1時間半になると、フーッと呼吸を整えたり、急に練習を始めたりと落ち着かない。座長がやってきて、「緊張してる? 全然大丈夫!」と元気づけてくれた。

you_20221010_08.jpg
【全力サポート③】 有名舞台を担当している衣装さんが、ちりめんの着物を用意し、着付け

いよいよ準備は最後の仕上げへ。衣装を着用し、アレッサンドラさん用に仕立てたカツラも被ると、誰が見ても立派な弁天小僧に大変身だ! 出番まであと10分、舞踊ショーで盛り上がるなか、楽屋を通って舞台袖に移動し待機する。

you_20221010_09.jpg
ついに夢舞台が開演! まずは座長が踊り、続いて背後から現れて踊る第1の見せ場・踊りだ。続いて、第2の見せ場・立ち回りの殺陣(たて)を。そして最大の難関の見せ場・長ゼリフへ。アレッサンドラさんは猛練習の成果を発揮し、しっかり演じることができたようだ。

you_20221010_10.jpg
無事に夢舞台が終演したが、楽屋裏では「クソ~、最初間違った...」と悔しがっている。とはいえ、「やったの、私? やりましたよね。スッゴいリアルな夢見た後、起きて、本当かどうかわからない。今、正直そういう感覚。(衣装を)脱ぎたくね~、幸せだ...。マジ1秒で終わった気がする」と、一気に思いを巡らせた。座長から「相当稽古したんだろうなって。それが伝わる舞台だった」と高評価をもらうと、「今日は本当に私、生まれてよかった」と、何度もお礼を伝え、夢舞台を後にした。今回の密着はここまで! アレッサンドラさん、ステキな舞台をありがとう!!