ファーストクラスにも登場!老舗醬油蔵で女性にのみ受け継がれる”ご飯のおとも”とは!?

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ニッポンの「リアルなご飯」にスポットをあて、「あなたのご飯見せてください」を合言葉にリポーターが旅を敢行する「昼めし旅」(毎週月~金曜 昼11時40分)。その土地ならではのお昼ご飯や人気店、魅力的なご飯を紹介します。

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9月30日(金)は、山形県長井市で昼めし旅。最上川、野川、白川が合流する水の豊かな町。水路は江戸時代、氾濫しやすい河川の水を分散するために築かれ、生活用水としても利用。風景の国宝ともいわれる重要文化的景観にも選定されました。街中のいたるところに大小さまざまな水路が張り巡らされています。そんな水の都・長井市を、元プロ野球選手でタレントの宮本和知さんがご飯調査します。

老舗醤油店が受け継ぐご飯のおともの意外な食べ方

街中で水路沿いを散策していた宮本さん、「醤油」と書いてある立派な蔵を発見!

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なんとも趣のある建物は、江戸後期から続く老舗醤油店「山一醤油製造所」です。九代目の齋藤弥助さんが出迎えてくれました。

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看板商品は、醤油をベースに昔ながらの製法で3年以上かけてつくられる「本かえし」。そばつゆのほか、煮物やすき焼きにも使われ、料理にコクと風味が増します。

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自慢の味噌は100年以上たつ木桶で仕込む粒味噌。「天然木桶熟成味噌(擂)」は、大豆の形が残り、昔ながらの手前味噌の風味を楽しめます。「地豆厳選粒味噌 山一 吟」は1年に1桶だけの限定仕込み。創業以来同じ木桶を使っています。

さらに、JALのファーストクラスにも出されたという逸品を見せていただきました。

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醤油と米麹を原料に、和がらしと三温糖を合わせて発酵、麻の実を炒って加え熟成した「あけがらし」。当主の結婚式の晩にだけ作られていたものだそうで、作り方は代々女性の手で守り継がれてきました。1995年から販売を開始しています。

ご飯のおともにぴったりで、食欲のないときにもおすすめなのだそう。ご厚意で白飯にかけていただいた宮本さんも「何杯でもいけるな~」とご満悦!

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さらにおすすめなのが、アボカドの上にのせてオリーブオイルをたっぷりとかけていただく食べ方。一流レストランなどで出された食べ方だそうで、また全然違ったおいしさが味わえます。

今も大女将と若女将だけで作っているため、あまり量は作れないそうですが、レストランなどプロのお客様が増えてきたのだとか。JALのファーストクラスでは、厚揚げにのせて出されていたことも。

貴重なお話と逸品をいただき、ごちそうさまでした!

もちもち粒々!おばあちゃん手作りの「じんだん」とは!?

町歩きを開始し、誰にも会えないまま1時間。とまどう宮本さんに「こんにちは」と手を振りながら声をかけてくれたのは、「和食れすとらん八千代」を営む村上さんご一家。

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初代の八千代さんが、亡くなった夫の義美さんとお2人で「八千代食堂(ラーメン店)」を創業。昭和59年、「和食れすとらん八千代」に新装開店、2017年に息子さんが店を受け継ぎました。

メニューは定食やどんぶり、そばなどがあり、町の人の宴会などもよく開かれるそうです。

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中でも人気なのが「さくら(馬肉)ラーメン」。長井市では、草競馬場があったことから馬肉文化が根付いており、馬肉で町を盛り上げようと店では2016年から出しています。お話を伺ったあと、例のお願いを...。

「あなたのご飯、見せてくださ~い」!

交渉成立!

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まずは、すでに作ってあったずんだのおはぎを取り出した八千代さん。長井産の枝豆と小豆であんこから手作りしているおはぎです。「ずんだ」のことを山形弁では「じんだん(じんだ)」と言うそう。

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こちらは自宅のそばでとったミョウガを千切りし、白出汁につけておいたもの。味がついているのでそのまま食べてもおいしいそうですが、そばの薬味としても活躍します。お店でも出している日本そばは、父の代からの味を守りつつ改良を重ねています。冷たくておいしい地下水でそばを洗い、水を切って盛りつけます。

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こちらが村上さん家の昼ご飯。おそばにずんだおはぎと、山形らしい品が並びました。餅やおはぎが大好きという村上家では、小豆のおはぎと「じんだん」をつねに作り置きしているのだとか。これからもご家族で力を合わせてお店をがんばってください! 声をかけていただいてありがとうございました。