――クイズ王ならではの好奇心と探究心で膨大な情報を取捨選択して、自分に合う方法を探した。
「そうですね。クイズとは知識量やひらめき力など比べ様のないものをゲーム化することで比べているものなので、定量化できないものをゲーム化して数値として見ることで納得する癖がついていた人生だったんですね。だから、“痩せる”“かっこいい”“健康”といった基準のないものを数値化、ゲーム化することでモチベーションを保ことはできないかと考え、実際のゲーム機も使いましたし、自分の成果や摂取する栄養などもゲームのように扱いました。
数値化という意味では、『あすけん』というダイエットアプリにも助けられました。食事を記入するとカロリーと栄養素を自動で計算してくれるアプリなんですけど、運動の項目もあるので、消費カロリーと摂取カロリーを把握するのに役立ちましたね」
――記録する＝レコーディングダイエットですね。
「食べ過ぎているのを自覚するまでだったレコーディングダイエットを一歩踏み込んだものにしたのがこのアプリで、タンパク質の高い食べ物や脂質が低い食べ物などもすぐ分かるんです。まさにRPG（ロールプレイングゲーム）のHP、MP、攻撃力…のようなものですよね。この食材にはこんなにタンパク質があるのか。じゃあ仲間にしようとか、と（笑）。ゲーム感覚でやれたことも目標の達成につながりました」
――10ヶ月で48kg減と聞くと、さぞツラい日々を送ったのでは…と想像しがちですが、食事制限に軽い運動というシンプルな方法だったことが驚きです。
「ツラいだけでは人間、続けられないですからね。ダイエットはゲーム性みたいなもの、楽しみを見出さないといけないなと思います。あと、僕の“凝り性”“一番を目指す”“知らないことを知っていくことが面白い”という性格は、ダイエットに向いていたのだと思います。クイズでも目標の大会で優勝した事より“優勝するまで”の方が面白かったので(笑）」
――ダイエットを成功させるためには、何が大切だと思われますか？
「クイズの解答者で例えるなら、基本に強い人。汎用性の高い共通項を覚えている人がダイエットに勝つ。あと何より“知ること”が大事ですね」
「－50kgのシンデレラ」より
――ダイエットは成功したものの、リバウンドしてしまう人も多いです。リバウンドする人、しない人、違いはあると思いますか？
「ダイエットを“体重を減らす行為”だと思っている人はリバウンドしやすいと思いますが、“健康になる行為”だと思っている人はしないと思いますね。そう考えると、陽芽ちゃんと宰くんはちょっとだけリバウンドしやすいカップリングかもしれない（笑）。宰くんは製菓会社の御曹司で、なおかつ太っていた頃の陽芽ちゃんでも好きで…他人依存で痩せた陽芽ちゃんが『太っていてもいいよ』と言われてどうなるのか？ この先のストーリーはまだ分かりませんが、展開が気になりますね」
――ドラマの陽芽もしかり。痩せて周りの見る目が変わったり、ご自身も変化があったと思います。
「そうですね。陽芽ちゃんもそうですが、何をやっても“太っているから”というところに帰結するんですよ。本当は心優しいし、痩せたらキレイな女性なのに、その見た目だけで『陽芽（ひめ）なんて名前負けしてるよな』って陰口を叩かれたり。
僕自身も“カッコいい服を着たところで太っているしな…”“髪型を変えたところで意味ないか…”“どうせ陰でクスクス笑われるんだろうな…と、“呪縛”に取り憑かれていました。そんな思いもあって、目標として定めた64kgになったその日に美容院で髪を染めて、メガネをコンタクトに替えて…なんだか呪縛から解放された気持ちになりました。
洋服も、以前は自分に合うサイズの中から選ぶしかなかったので“僕でも入る布”を探しているという感じでしたが、今は着たいものを着られるのが感動的で。『古川さんって、ファッションセンスがないんじゃなくて、これまでは選択肢がなかっただけだったんだね』と言われた時は、うれしかったですね」
――ほかに痩せてよかったと思うことは？
「とにかく身体が軽い。太っているとキツイことって結構あって、運動もその一つでしたが、最近は友達とフットサルもできるようになりました。あと電車での負い目もなくなりました。以前は2人の掛けの席を1人で占領してしまっていたり、夏場は汗臭いんじゃないかと気になったりしていました。痩せて、隣に女性が座ってくれたときは“許されたんだ”という気持ちになりましたね(笑）」
――現在は75～76kgキープ。これからやっていきたいことはありますか？
「痩せてから“今後の人生どうしようかな？”と考えたんですね。筋トレを始めて、ボディビルダーと同じような食事をして、このまま続ければ大会にも出られそうなくらいどんどん身体も仕上がって。でも、本当にそうなりたかったのかな…と思ったんです。もともと料理と食べることが好きで、お酒も好きで、健康を考えた上で痩せたのに何か違うなと。
そこから、“暴飲暴食を繰り返さない”けど“食べたいものを食べたいときに食べることを時折り許す”ことに。健康的な食事や運動が大事だということは忘れず、少しカロリーオーバーした翌日は節制して元に戻す…というふうに、人生を楽しむことと健康が両立できたらいいなと思っています。やっぱり鶏肉しか食べられない人生はちょっと寂しいじゃないですか（笑）。今もお肉は8割がた鶏肉を食べていますが、週に一度は焼き肉を食べるくらいなら続けられそうな気がするんですよ」
――逆に、週末の晩餐の楽しみが増しますね。
「そうなんです。お寿司はタコとイカと貝類が中心、たまにお酒を飲むときはウーロンハイとホタルイカの沖漬けにたどり着きましたが、これが慣れたらめちゃくちゃ楽しい！ おじいちゃんになっても美味しいものを食べられるよう、健康的に過ごしたいですね」
古川さんが実体験から得たダイエットに関する知識が、ヒロインの恋の行方と、クイズとともに楽しめ、ためにもなる！ Paraviオリジナルドラマ「－50kgのシンデレラ」（全8話）、最新の第6話は本日9月9日（木）19時配信スタート！
（取材・文／橋本達典）
【プロフィール】
古川洋平（ふるかわ・ようへい）
1983年9月13日生まれ。宮城県出身。クイズ作家。仙台一高クイズ研究部時代に「パネルクイズアタック25」「タイムショック21」の高校生大会で優勝。その後、立命館大学クイズ研究会に所属。学生日本一決定戦「abc」3連覇、社会人日本一決定戦「ABC」2度優勝などの成績を収める。会社員、公務員を経て2014年にクイズ作家としてデビュー。現在はクイズ作家プロダクション「クイズ法人 カプリティオ」の代表を務める。著書「－48kgでもリバウンドなし。別人に生まれ変わる クイズ王式ダイエット」（幻冬舎）も好評。
クイズ法人 カプリティオ
Twitter：@Piu_P
@shosesese
YouTube：カプリティオチャンネル
【配信情報】
タイトル：‐50kgのシンデレラ
出演：犬飼貴丈、大原優乃、谷まりあ、綱啓永、南りほ、青木瞭 ほか
公式サイト
視聴はこちら
※第1話はYouTube＆Paraviにて無料配信中！
