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企業でリスクテイクをしながら前進してきた人に学ぶ番組『ハイパーリスクテイクビジネスパーソンファイル』。この番組は、サラリーマンであるテレビ東京の高橋弘樹プロデューサーが、同じくサラリーマンでありながら、自身でリスクを背負うことで、ビジネスを成功に導いてきた先達にその秘訣を学ぶ。
今回のテーマは『マーケティング』ということで、明治乳業・エステーという日本を代表する大企業でリスクを背負いまくりながら、「消臭力のCM」など印象に残るプロモーションを実施し、マーケティング戦略を成功させてきた鹿毛康司さんをゲストにお招きし、リスクテイクの秘訣を学ぶ。
エステーの人気CMを生んだ人
記念すべき1人目のゲストにお迎えしたのは鹿毛康司さん。現在は独立し、自身の会社を経営しているが、60歳の定年を迎えるまで企業人としてリスクテイクをし続けてきた経歴を持つ。
司会の高橋Pは鹿毛さんを「会社とケンカしてのち消臭力」と紹介。このキャッチコピーについて、鹿毛さんも「(会社・上司を)怒らせたら世界一と周りから褒められる」と会社や上司とケンカをしまくってきた過去を認めた。
会社とケンカをしまくってでも自身がやるべきと思うことを貫いた結果、数々の名作CMを産み出した鹿毛さんから、上手なリスクの取り方を学ぶ。
雪印乳業では退路を断って消費者の信頼回復に奔走
鹿毛さんと言えばエステーのイメージが強いが、新卒入社は雪印乳業(現・雪印メグミルク)である。
雪印乳業時代に鹿毛さんのリスクテイク人生を象徴する事件が起きる。それが2000年の雪印集団食中毒事件、2001年の牛肉偽装事件だ。
鹿毛さんは、会社の命令ではなく、自ら社員7人の有志を募って「雪印体質を変革する会」を結成。度重なる事件で地に落ちた消費者からの信用を回復するべく、「雪印社員一同」名義で新聞に謝罪広告を出すなど、被害者・マスコミ対応の最前線に立った経験を持つ。
会社の命令ではなく、勝手に組織を結成し、新聞広告まで出してしまうというスタンドプレイには驚くばかりだが、結集した7名は優秀な社員だらけだったらしく、2名は同社の幹部に上り詰めたそうだ。
一方、発起人であった鹿毛さんは、この退路を断ったリスクテイクによって、転職をせざるを得ない状況となり、希望退職制度を活用し、エステーへ転職することに。
早速大胆なリスクテイクの経験談が飛び出したが、その後、雪印乳業は雪印メグミルクと社名を変えながらも信頼を回復しているのは、鹿毛さんのハイパーな行動のおかげかもしれない。