紙袋が3000円以上に...買い取りビジネス最前線!老舗百貨店の参入も:ガイアの夜明け

公開: 更新: テレ東プラス

8月26日(金)に放送された「ガイアの夜明け」(毎週金曜夜10時)のテーマは、「お宝買い取り新時代!」。
コロナ禍で在宅時間が増えたことなどをきっかけに、自宅の片付けをする人が急増。あなたの家を宝の山に変える、新時代の"買い取りビジネス"最前線に密着した。

紙袋から仏像まで...なんでも買い取ります! あなたの家に"買いにクル"

最近街でよく見る"買い取り"の店。いわゆる中古品買い取り&販売の"リユース業界"は急拡大し、市場規模は今や3兆円に上っている。"買い取り業者"の中にはいろんなジャンルの商品を取り扱う「総合リサイクルショップ」、高級ブランド品に特化した「ブランド品リサイクルショップ」、特定のジャンルに特化している「セレクト型リサイクルショップ」などが乱立し、競争が激化している。

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そんな中、いま急成長しているのが「買いクル」という出張買い取りサービス。モットーは「なんでも買い取る」。その買い取り現場に密着すると、他店なら買い取り不可だという背面がひび割れたスマートフォンや紙袋まで査定の対象に。65枚の紙袋は3250円もの値がついた。合計9点の買い取り総額は1万円で、その場で現金払い。
「買いクル」の島津大輔本部長は、「買えるものだけ買うと、他の業者との背比べは難しい。他ができないことをいかにできるようにするかの工夫をする」と話す。

「買いクル」鶴見事務所(神奈川・横浜市)には、昔のテレビゲームや懐かしのプラモデル、カセットテープなどが並ぶ。島津さんによると、未使用のカセットテープは1本1500〜2000円で売れるという。

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買い取った品は写真を撮り「ヤフオク!」や「メルカリ」など、フリーマーケットのサイトで販売。出張専門で実店舗を持たないのが最大の特徴だ。
「固定家賃がかからないし、大手の商業施設にテナントで出店したら10〜19時は人がいないといけないが、無店舗の買いクルはそうではない」と島津さん。

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フランチャイズ展開する「買いクル」は、各オーナーの裁量で営業できるため、兼業で始める人も多い。北九州市の居酒屋オーナー・川野さんもその1人。「自由度が高く、無店舗で初期費用が抑えられる」と話す。

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この日、川野さんは、車で広い一軒家へ。昔のおもちゃなどはスマホで撮影し、Google検索で素早く査定を行う。査定が難しい不動明王の仏像は、本部にLINEで写真を送り、専門スタッフに判断を委ねる。その他、掛け軸や鍾乳石の置物など計8点を査定し、合計金額は9万7600円。依頼主は「そんなお金になるんですね」と驚く。

川野さんの仕事場は自宅のガレージ。買い取った商品を撮影やサイトへのアップも、パソコンを使わずにスマホで済ませる。本部のフランチャイズの責任者でもある島津さんは、毎日のように、ECサイトに上がったオーナーたちの出品をリアルタイムでチェックしている。

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島津さんは川野さんに連絡し、不動明王の仏像の説明をもっと細かく書いた方が売れやすい、ゲームのまとめ売りはボリュームが多いとその分売れやすくなるなどとアドバイス。気になったことをきめ細かく伝え、アフターフォローする。

「買いクル」のオーナーは加盟金198万円を支払い、本部から開業支援を受ける。開業後は、月7万円(税別)のロイヤルティーを支払い、経営のサポートを受けることができる。
川野さんは開業当初、売り上げが20万円に届かない月もあったが、順調に業績を伸ばし、直近では130万円を超えている。

2018年にサービスを始めた「買いクル」は全国で展開し、開業予定も含めると、拠点は70以上に拡大。「買いクル」を運営する「RC」大堀直樹社長は「2年以内に120拠点を目標として掲げている」と話す。

番組ではその他、8月に三重・津市で開業を目指すオーナーに密着。オープンを1ヵ月後に控え、奔走する姿を追った。

査定額が1000万円以上⁉︎ 三越伊勢丹が仕掛ける百貨店"初"の買い取りサービス

去年10月、「伊勢丹新宿本店」にオープンした「アイムグリーン」は、百貨店"初"の買い取りサービス。ブランド品や貴金属が中心で家具や家電などは対象外だが、骨董品や美術品なども取り扱っている。1日10組、多い時は15〜20組の客が訪れ、これまでの最高買い取り額は1000万円超えだという。

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この日、利用客が持ち込んだのは、ブランドの服や靴など計6点。百貨店ならではの丁寧な接客で査定や説明を進めていく。買い取り総額は11万円で、利用客は「納得しています。ブランドものを扱っている館だからこそ、持ってくる物に対して正当な評価をしてくれる」と話す。「アイムグリーン」利用客の約95%は「三越伊勢丹」の顧客だという。

続いてやってきたのは、両手いっぱいに伊勢丹の紙袋を抱えた親子。艶のあるカシミヤのコートや年代物のバッグ、貴金属などでテーブルが埋まった。

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持ち込んだのは計70点以上。鑑定専門スタッフによる真贋チェックや査定も参考にしながら40万円と弾き出した。利用した客は「買い物するより楽しかった。説明がわかりやすかった」と笑顔で話した。
ここで買い取った品は「なんぼや」などの買い取り専門店を全国で展開する「バリュエンスジャパン」へと送られ、業者向けのネットオークションや直営店で販売される。

このサービスは、百貨店の本業にも相乗効果をもたらしていた。不用品を売った客を追いかけると、立ち寄ったのは靴売り場。迷うことなく1万5000円のサンダルを購入した。買い取りを利用した客の約8割が、当日「伊勢丹」で新しい商品を購入するという。

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「アイムグリーン」を一から立ち上げたのが、「三越伊勢丹」の大塚信二さん。これまで主に婦人服売り場を担当してきたが、常連客の「伊勢丹で買ったものは伊勢丹で買い取ってほしい」という一言が立ち上げのきっかけになった。

大塚さんはすぐに新規事業として社内で提案したが、役員会議の判断は保留。
「販売をメインにしている企業なので、逆のことをすることへの抵抗感はすごく大きかった」と話す。
そんな逆風の中、後押ししてくれたのが「三越伊勢丹ホールディングス」竹内徹副社長。竹内副社長は、世の中のサステナビリティに対する関心の高まりに目をつけ、事業にGOサインを出したのだ。
トライアルを経て、去年秋にサービスをスタートさせると、わずか半年で黒字化。成長事業の一つとして期待され、現在「日本橋三越本店」でも展開中だ。

7月中旬、大塚さんは"ある秘策"を実行に移そうとしていた。「アイムグリーン」は、自宅を訪問する出張買い取りも行なっているが、その比率はわずか3%に過ぎない。
そこで、購入額が大きい顧客を個別に担当する外商部のスタッフとお得意様のお宅を訪問し、出張買い取りをしようと考えたのだ。
訪ねたのは超お得意様の自宅。そしてそこで待っていたのは、まさにお宝の山だった。驚きの査定額は......?

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