【3行まとめ】
・ドラマ24「雪女と蟹を食う」第7話「生き甲斐」をプレイバック
・札幌で彩女と離れ離れになってしまった北は、路上で倒れていたところをマリアに拾われ、マリアの家に身を寄せていた
・一方の彩女は、夫・一騎の担当編集・巡とある教会で落ち合う
毎週金曜深夜0時12分からはドラマ24「雪女と蟹を食う」(主演:重岡大毅 ジャニーズWEST)を放送!
「テレ東プラス」では、第7話「生き甲斐」をプレイバックする。
※下記ネタバレあり
痴漢冤罪により全てを失い、人生に絶望した男・北(重岡大毅)は自殺を図ろうとするが、あと一歩踏み切れずにいた。
テレビでグルメ番組を見た北は「人生最後の日は北海道で蟹を食べたい」と思い立ち、図書館へ。そこで見かけたセレブ妻・雪枝彩女(入山法子)に狙いを定め、家に押し入り、金を要求するが、彩女に促されるがまま情事を交わしてしまう。彩女に「私も食べたいです、蟹...」と告げられた北は、戸惑いながらも2人で不思議な旅を始めることに。
旅の途中、北は彩女が死ぬために自分についてきたこと、夫で小説家の雪枝一騎(勝村政信)との間で孤独を感じていることを知る。
札幌で彩女と離れ離れになってしまった北。路上で倒れていたところを、ニュークラブのホステス・マリア(久保田紗友)に拾われ、マリアの家に身を寄せる。マリアは素性を明かさない北を「コタロー」と呼び、寝食を共にしていた。
◆
ある夜、マリアから渡されたスマホに着信が。北が出てみると、電話の相手はマリアと同じクラブで働く涼香(橋本萌花)。
「とにかく、今すぐうちの店まで来て。マリアが大変なの!」と言う。
北が走ってクラブに向かうと、マリアがソファで倒れていた。泥酔しているようだ。
「これはいったい...」
「飲みすぎたみたいで、ひっくり返っちゃったのよ。もうプロ失格だわ。悪いけど、持って帰ってくれる?」
「えっ? まず病院に」
「マリア、保険証持ってないんで」
「ええ...」
北が戸惑っていると、マリアが目を閉じたまま「う〜ん、おかわり」とつぶやく。
「大丈夫。うなされてるけど、寝言言えるくらいなら。じゃ、よろしくね~」
北にマリアを任せ、涼香たちは去って行った。仕方なくマリアをおぶって帰る北。マリアは北の背中で眠りながら、数年前のことを回想していた。
〜〜〜
「男の子かな、女の子かな?」
車内で年上の男と話すマリア。うれしそうにお腹にそっと触れる。
「男の子だったら名前何にしようかな? 何がいい? 私だったら...」
「あのさ」
マリアとは対照的に男は気まずい表情で、封筒を差し出す。中には札束が入っており、男の左手薬指の指輪に気付くマリア。
「ごめん...」
男はマリアを教会の前に残し、車で走り去って行った。道に立ち尽くし放心状態のマリアの足元に、ゴムボールが転がってくる。拾い上げると、それを取りに来た子どもがにっこり笑い「ありがとう」と言った。子どもは母親の元へ駆けて行き、その背中を切なく見送るマリア。
〜〜〜
現実と回想の狭間で、涙を流す。ふと北の背中で目を開けると、状況が飲み込めず「何、誰!?」と叫んで暴れる。
「ちょっと待って!」
「コタロー? なんでいんの?」
「なんでって...」
徐々に状況を把握するマリア。
「私、まさかやらかした?」
「飲みすぎて、突然倒れたって」
「マジか...。最近若い子がどんどんお店に入ってきてさ、売り上げ抜かれちゃって、それでちょっと...。コタローも若い子の方がいい?」
「俺はそんなことはないよ」
「気ぃ遣わなくていーよ。男はいつもそう、嘘つき」
「......」
「あーでも、体壊しちゃダメだ~。せっかく生かしてもらってんのに」
「え?」
「だから生きなきゃいけないんだよ。...何度死にたいって思ってもさ」
遠くを見ながら、マリアは再び回想する。あの日、教会の前で封筒を握りしめながらためらっていると、神父に手を差し伸べられた。その優しい眼差しを思い出す。
「それに、生きてりゃいいこともある。私、男ってコリゴリでさぁ。だから熊飼ってみたかったの。強くて優しくて、私を守ってくれる優しい熊」
マリアはそう言うと、北の首元に顔をうずめる。
「コタロー、迎えに来てくれてありがとう」
瞼を閉じるマリア。
家に着き、マリアをベッドに寝かせる北。ふと、マリアの鞄からロザリオが落ちていることに気づく。拾ってみると、ロザリオの裏には"HIKARI"の文字が。
「?」
翌朝。ベッドで目覚めたマリアは、二日酔いから頭痛に見舞われていた。体を起こすと、枕元には薬と水が用意されている。さらに、荒れ放題だった部屋は片付けられていて、「きれいになってる...」と驚く。
北はソファで眠っていた。すやすやと眠る寝顔を見ながら、微笑むマリア。おもむろにスマホを取り出し、その寝顔を写真に撮る。