ペルーで牛を育てる男性が、初めての和牛に感動!”幻の和牛”の飼育方法を学び、大成功!:世界!ニッポン行きたい人応援団

公開: 更新: テレ東プラス

続いて紹介するのは、ドイツに住む、「抹茶」を愛してやまないフローラさん。

nipponikitai_20220725_11.jpg
今や世界の共通言語、ニッポンの抹茶。その起源は800年以上前、臨済宗の開祖・栄西が広めたといわれ、当時は二日酔いを治す薬としても飲まれていたそう。
紅茶や緑茶が茶葉を湯に浸して成分を抽出したものを飲むのに対し、抹茶は茶葉を挽き、お湯に溶かして飲むもの。そのため、茶葉に含まれる食物繊維やビタミンの多くをそのまま摂取できるのです。

ドイツで剣術道場に通うほど、ニッポンの侍に興味を持っているフローラさん。侍が「闘茶」という遊びをしていたと知り、自分も飲んでみたいと思ったとか。闘茶とは、鎌倉時代から武士などの間で流行した、お茶や抹茶を飲んで産地を当てる遊び。憧れの侍が愛した抹茶とはどんなものなのか知りたいと、14年前から抹茶を飲み始め、1日1回は必ず飲むほど虜に。

2006年、世界最大のコーヒーストア・スターバックスが抹茶ティーラテを発売。抹茶は世界で広く知られるようになり、ドイツでも人気に。フローラさんは、日本から輸入される上質な抹茶が広まることを期待しています。そんなフローラさんの一番の夢は、京都の宇治に行くこと。「宇治で抹茶がどんな風に作られるか、一から学びたいんです」と語ります。

高級抹茶の産地として知られる京都府宇治市。今から650年ほど前、足利三代将軍義満が宇治七茗園と呼ばれる茶園を作ったことから、お茶の栽培が盛んになりました。宇治のお茶の収穫は5月に最盛期を迎えますが、5月の時点ではニッポンへの入国にはまだ制限が。そこで、ご招待できないフローラさんの希望を叶えるため、スタッフが代わりに京都・宇治へ向かいます。

お世話になるのは、300年にわたり抹茶の原料である碾茶(てんちゃ)を生産する茶農家「茶園 清水屋」。十代目を務めるのは「宇治碾茶ブラザーズ」こと、兄の清水大嗣さんと弟の康平さんです。宇治の抹茶作りを知りたいフローラさんのために工程を撮影させていただき、そのビデオレターをフローラさんに見てもらいます。

nipponikitai_20220725_12.jpg
抹茶ができるまでには、大きく分けて7つの工程が。まず行われるのは「覆下栽培」。寒冷紗と呼ばれる黒い布で茶園を覆い、太陽光を遮ります。お茶の旨味成分であるテアニンは、日光が当たるとカテキンという渋みの成分に。そこで、新芽が出る4月に覆いをかけ、旨味成分がより多く残るようにしています。

この覆下栽培で育った新芽を蒸して乾燥させたものが碾茶で、この碾茶を石臼で細かく挽いたのが抹茶。ちなみに、同じ茶の木から作られますが、太陽光のもとで栽培されるのが煎茶。

覆下栽培で育った茶の葉は、年に1回手摘みで収穫。機械刈りだと高さが決まった状態で刈っていくため、葉が切れてしまうことも。手摘みは葉がきれいな状態で摘めるのが良いところだそう。

茶葉の収穫ができるのは、新芽が柔らかい1ヵ月の間のみ。この期間は総勢40人の「お茶摘みさん」を雇い、サッカースタジアムほどの大きさの茶畑で新芽を摘んでいきます。茶摘み歴20年の方の作業を見たフローラさんは「すごいスピードですね!」とびっくり。摘み終わった新芽は2時間おきに計量します。こうしてひたすら摘むだけの作業を、1日10時間ほど行うそう。

nipponikitai_20220725_13.jpg
新芽は摘んだ瞬間から酸化が始まり、そのままにしておくと品質が劣化するため、すぐにトラックで碾茶にする工場に持っていきます。工場でまず行われるのは、蒸す作業。蒸すことで品質の劣化を止めると同時に、お茶の香りを引き立たせる大事な工程。その日の天候や気温によって新芽の状態は違うので、常に人が蒸し具合を確認し、温度を調整します。

続いて行うのが、攪拌と冷却。蒸して高温のままだと色や香りが悪くなってしまうため、散茶機と呼ばれる装置の中で、風で吹き上げて茶葉を冷ますと同時に、重なりあった葉をバラバラにします。

nipponikitai_20220725_14.jpg
バラバラになった葉は、180度前後に熱せられた碾茶炉の中でじっくり乾燥させ、香りと甘みを凝縮。しかし、高温の炉がある工場内は一番涼しいところでも約45度! サウナのような状態で作業をするそうですが、「美味しいお茶を作るためなので」と大嗣さん。

乾燥を終えた葉は、茎を取り除かれて碾茶になります。碾茶を収める茶びつからは、なぜか海苔のような香りが。実は、碾茶には青海苔と同じジメチルスルフィドという成分が含まれており、同じ香りがするのだそう。この碾茶を石臼で細かく挽き、ようやく抹茶の完成です。

抹茶を作る工程を見たフローラさんは、「若者が伝統を受け継ぎ、碾茶を作っていてくれることが何よりも嬉しいです。彼らなら、きっと新しい世代にも抹茶を伝えてくれると思います」。

ここで、お茶農家ならではの「美味しい抹茶の飲み方」を教えていただくことに。一般的に知られる抹茶のたて方は、茶碗に抹茶を入れ、70度くらいのお湯を注ぎ、茶せんでかき混ぜるというもの。しかしどうしてもダマになってしまい、抹茶本来の味を引き出すのは難しいそう。

nipponikitai_20220725_15.jpg
そこで、まず抹茶にペットボトルのキャップ1杯分ほどの水を入れ、茶せんでよくかき混ぜます。そして、沸騰したお湯を一度別の器に移し、抹茶の中へ。こうすることで、お湯は適温である70度前後に。抹茶がダマにならずに混ざり、泡立ちの良いクリーミーな仕上がりになるのです。きめ細かい泡を見て、フローラさんは「とても輝いているわ!」と大興奮。

さらに、碾茶を水出しにする方法も紹介。碾茶は抹茶の原料なので市場に出回ることはありませんが、フローラさんにぜひ味わってほしいと、今回特別にプレゼントしてくださることに。

1週間後、フローラさんのもとに「清水屋」から抹茶と碾茶が届きました。早速、貴重な水出し碾茶をいただくと……「信じられないくらい爽やか! 濃厚な旨味も感じます」と絶賛! 教えていただいた方法で抹茶も堪能したフローラさんは、「清水屋の皆さん、この素敵な機会と素敵な贈り物を本当にありがとうございました!」と感謝を伝えました。

「ニッポンに行けたら、清水さん一家と一緒に抹茶を飲んで、碾茶ブラザーズと一緒にお茶摘みもしたいです! それに碾茶の工場へも行ってみたい! コロナが収まったら、ニッポンに行きたい!」

一日も早く、ニッポンにご招待できる日が来ることを願っています!

月曜夜8時からは、ゲストにIKKO、内藤秀一郎を迎えて、月曜プレミア8「世界!ニッポン行きたい人応援団」“ご招待で人生変わっちゃった!”を放送!

「ニッポンの“カレーライス”が大好き!」
週に4日はカレーを作るフランスのセバスティアンさん。マイスプーンを持参しカレーの聖地、東京・神保町にある「キッチン南海」へ。元祖カツカレーを食べ、目を見開くほど感動!他にも、東京・根津の「すみれ」で家庭の味のカレー、大阪では雑炊に似た「ニューライト」のセイロンライス、中華料理店なのにジャパニーズカレーアワードを受賞した「八戒」のスパイシーカレーを堪能!

「ニッポンで“浴衣”作りを学びたい!」
南米アルゼンチンで浴衣を作るレダさんが、愛知県名古屋市・有松へ。“有松絞り”が有名で創業100年以上の老舗「張正」で色鮮やかで涼し気な“雪花絞り”を学ぶ。そして、“和裁”を学ぶため東京・上野の「お仕立て処 うえの」へ。日本を代表する和裁士3人で娘イアラちゃんの浴衣を縫い上げることに! あれから3年…教わった“絞り染め”や“和裁”でレダさんが驚きの進化を遂げていた!

どうぞお楽しみに!