都立小石川中等教育学校、文系理系に分けない?”東大現役合格者”が多い秘密とは!?

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名門校の知られざる姿を、生徒や親、教師など、さまざまな視点を通して紐解く情報ドキュメンタリー「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東 毎週月曜夜10時)。「名門とはいったい何か?」常識を打ち破る教育現場に密着する。

今回紹介する名門校は、「都立小石川中等教育学校」。毎年、東大をはじめ難関大学に多くの合格者を出すが、特筆すべきは現役合格率の高さ。そのカギとなっている「教育の三本柱」とは? 番組では、独特なカリキュラムを探るとともに、自由な学習環境のもと、ロボット作りに邁進する男子高生3人組の姿を追う。

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東京文京区にある「都立小石川中等教育学校(以下、都立小石川)」は、完全中高一貫の公立の共学校。卒業生には政治家や小説家が名を連ねる。

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全校生徒数は945人(うち高校生は465人)。2022年春の大学合格実績は、東大・20人、早慶上理ICU・191人、GMARCH・164人。東大には20人中19人が現役合格するなど、現役での合格者が多い点に注目だ。ちなみに、都立小石川に受験対策の補習はなく、生徒が自ら願い出て、教師に学ぶ。この自主性こそが、受け継がれてきた伝統なのだ。まずはその伝統を知るべく、都立小石川の歴史から紐解いていこう。

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小石川の前身「東京府立第五中学校」の創立は、今から104年前の大正7年。初代校長・伊藤長七は、理化学の時代の到来を予見し、実験・実習を中心にした画期的な授業を行ったという。詰め込み型の受験教育ではなく、生徒の自主性を重んじる教育を目指し、生まれたのが「立志・開拓・創作」の三校是だった。

しかし、1980年代の入試制度改革をきっかけに都立の高等学校の進学実績は低迷。そこで2006年、改革の目玉として中高一貫化を図り、現在の「小石川中等教育学校」が誕生した。「自ら志を立て、道を自ら切り拓き、新しい文化を創り出す」という、伊藤長七が目指した人材育成は今に到るまで受け継がれている。

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その教育の根幹となる三本柱がある。1つ目は「理数教育」。文部科学省から「スーパーサイエンスハイスクール」の指定を受け、国際社会で活躍できる科学的人材の育成を目指した教育を行っている。

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2つ目は「国際理解教育」。世界で活躍するのに必要な語学や教養を身につける。中学3年では、オーストラリアでホームステイを行う語学研修、高校2年では海外修学旅行を実施(令和3年度はコロナ禍のため一部変更して実施)。

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3つ目は「小石川教養主義」。なぜ、6年間を通して、クラスを文系理系に分けないのか? そしてそのポイントとなる「小石川フィロソフィー」と呼ばれる課題研究の授業とは? 中高6年かけて段階的に成長していく驚きのカリキュラムの全容は、ぜひ番組でご覧いただきたい。

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独特な教育カリキュラムが特徴の都立小石川だが、生徒たちは皆一様に明るく活発だ。昼休み、廊下には生徒たちの長い行列が。笑顔で並ぶ生徒たちの目的は弁当販売コーナー。一番人気の唐揚げ弁当は毎日が争奪戦だ。さらに小石川生は、大のお祭り好き!

毎年9月には、「体育祭」「芸能祭」「創作展」という三大行事を1週間で行う「行事週間」がある。企画・運営は、高校3年生の行事運営委員が中心になって行い、休み時間になるとあちらこちらで「体育祭」に向けて応援ダンスの練習をする生徒たちの姿が。9月といえば大学受験が迫っている時期なのが気になるところだが...。運営委員の生徒は「『行事週間』なくして小石川は語れない。基本的に6年生(高3)は『行事週間』をやり終えて一気に切り替え、勉強をやっていく」と話す。よく学び、よく遊び、さまざまな可能性にチャレンジするモチベーションの高さには目を見張るものがある。

そんな都立小石川に、未来の科学者を目指す3人の高校1年生がいる。物理研究会でロボットを作るチーム「KARAKURI」のメンバー、機体作り担当・小林凛桜くん、プログラミング担当・三宅智也くん、チームのまとめ役・小森陽向くんだ。

meimonkou_20220724_08.jpg▲左から、小林凛桜くん、小森陽向くん、三宅智也くん

作るのは、自らの判断で動く自律移動型ロボット。目指すのは、今秋開催予定の自律移動型ロボットの国際競技会「ロボカップジュニア」だ。35カ国以上が参加する、19歳以下のロボットコンテストで、「KARAKURI」が参加するのは「レスキューリーグ」というカテゴリー。制限時間内に黒いラインに沿って進み、ロボット自らの判断でさまざまな障害をクリアし、ゴールを目指す競技だという。昨年は関東大会に進出し、日本代表を決める全国大会まであと一歩のところだったそうだ。

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3人はロボットの完成を急いでいた。聞けば、卒業生で伝説のロボットチーム「SKY Crew」のメンバーだった先輩が、様子を見に来るという。ロボカップジュニアの世界大会に進出し2位に輝いた、3人にとっては憧れの先輩だ。その先輩に認めてもらえなければ、日本代表の座にはとても及ばない。張り切っていた3人だったが、当日にトラブルが発生! ただでさえ、日頃のコミュニケーション不足が課題の3人。思うように事が運ばず、さらに心が離れてしまい...!?

気になる続きは、ぜひ番組で!

この他、「小石川教養主義」の全容、校内探訪、図書室で生徒会役員の女生徒が手に取った驚きの本など、都立小石川の魅力を紹介する。

毎週月曜夜10時放送!「THE名門校!日本全国すごい学校名鑑」(BSテレ東)を、どうぞお楽しみに!