レディコミ界の女帝をメロメロにさせた「国際ロマンス詐欺」大金を引き出す巧妙な手口:じっくり聞いタロウ

公開: 更新: テレ東プラス

また、男が札束の中のひと束に油のようなものをかけると本物の1ドル札が! そのドル札は本物で、日本円に換金できた。本物はそのひと束だけで残りはただの紙切れだったが、井出は例の油さえあればすべてを換金できると思い込んでしまう。やがて井出の貯金も底をつくが、偽マークは「君の家には僕の12億円がある。その半分はあげるから、今すぐ〇〇円振り込んでくれ」との要求が続く。さらに、全額ではなく「100万円のうち30万円は僕が払うから残りは君が払ってくれ」と、自分も負担する態度を見せることも。井出は「まさか私が!」と自分はだまされるはずがないとの思いから、要求された金額を振り込み続けてしまう。

乙女心につけこむ悪質な詐欺

そして、知り合ってから4ヵ月後、偽マークから「イタリアでは結婚証明書よりも価値がある」と言われ、画面越しに“血の誓い”を交わしたことで、井出はますます彼にめり込むことに。そこからは「僕の奥さんなんだから、なんでお金を貸してくれないの」と要求され、合計100回以上もお金を振り込んでしまったという。

2021年、娘から諭されようやく詐欺だと目が覚めるが、時すでに遅く7500万円奪われてしまっていた。送金をやめると、次に詐欺グループは「マネーロンダリングに関与したから同罪だ」と脅してきたという。

jikkuri_20220722_04.jpg
思い出すのも辛いながら、井出は同じような被害に遭っている人を救うため警鐘を鳴らす意味も込めて多くのメディアで自身の体験を語るように。「被害者は孤独で年をとっている。パソコンのことも知らない。そんな人たちが『愛してる』なんて言われたらだまされてしまう」と井出。自分も相手がマーク・ラファロを騙っていなかったら応じなかったと振り返っていた。くれぐれも国際ロマンス詐欺にはご注意を!