「報道が忖度して伝えない部分に、ほんの少し突っ込めるところが『ムー』の強み」三上編集長、コンプライアンス・コードについて語る

公開: 更新: テレ東プラス

――「ムー」の編集長をやっていて、一番大変なことは?

「単純にネタ。初代の編集長はすでにお亡くなりになり、2代目の編集長が創刊当時のことを、ある取材で語っていました。“当時はネタがたくさんありました”と。でも、決してそんなことはありません。今と変わらず、どの時代もネタを探すことは本当に大変なんです」

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――著書の中で、昨今のコンプライアンス・コードについて、三上さんの見解が書かれているのも興味深かったです。

「今の時代、コンプライアンス・コードを外れると、すぐ叩かれますからね。でも内心は、“コンプライアンス・コードなんてクソくらえ!”と思っていますよ(笑)。確かに昔は緩かった。コンプライアンスなんて概念もありませんでした。ただ、メディアには放送コードがありますから、その辺はしっかり遵守していましたよね。新聞や雑誌が書けないギリギリのところを攻めるというか。
報道が忖度して伝えない部分に、ほんの少し突っ込めるところが『ムー』の強みでもあります」

――ぜひ“その先”を伺いたいところですが、「テレ東プラス」も忖度して、ここでやめておきます(笑)。三上さんは、ドラマ25「東京怪奇酒」にも出演していますし、「男子ごはん」もよく観る番組の一つだそうで……テレビ東京とは、何かとご縁がありますよね。

「ドラマといっても、セリフはひと言しかありませんでしたからね(笑)。バラエティー番組では、“あやしい世界のコメンテーター”として出演しています。立ち位置が決まっているのでやりやすいですし、やはりテレビに出るのは楽しいです。テレ東さんはいいですよね。新しい企画、番組はテレ東からしか生まれない…本当にそう思っています」

――ありがとうございます! 最後に、「ムー」の今後の展望と、本の見どころを教えてください。

「とりあえず、『ムー』の今月号と来月号のネタを考えるのが先(笑)。未来を考えることはできません。この本では、『ムー』のバックヤードを書いているので、副題に“あやしい仕事術”とありますが、おそらくビジネスマンの皆さんにはあまり役に立たないでしょう(笑)。読んで役に立つか立たないかは……あなた次第です!」

(取材・文/今泉)

三上丈晴 プロフィール】
1968年生まれ、青森県弘前市出身。筑波大学自然学類卒業。
1991年、学習研究社(学研)入社。「歴史群像」編集部に配属されたのち、入社半年目から「ムー」編集部。2005年に5代目編集長就任。
2021年6月24日より、福島市の「国際未確認飛行物体研究所」所長に就任。
CS放送エンタメ~テレ「超ムーの世界R」などメディア出演多数。
趣味は翡翠採集と家庭菜園。

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