「報道が忖度して伝えない部分に、ほんの少し突っ込めるところが『ムー』の強み」三上編集長、コンプライアンス・コードについて語る

公開: 更新: テレ東プラス

世界の謎と不思議に挑戦するスーパーミステリー・マガジン「ムー」。
1979年11月号に始まり、2022年7月号で記念すべき「500号」を迎えた「ムー」が、これを記念して500分のライブ配信を実施!
昨今は、YouTubeはもちろんのこと、TikTokでも積極的に投稿を行い、"ムー民"をさらに増殖させている。

「テレ東プラス」は、著書「オカルト編集王 月刊『ムー』編集長のあやしい仕事術」(学研プラス刊)を出版した「ムー」三上丈晴編集長を取材。

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2005年、「ムー」編集長に就任し、「超ムーの世界R」(エンタメ〜テレ)をはじめ、ドラマ25「東京怪奇酒」 (2021年)にも出演。マスメディアにも度々登場する三上氏が、著書で編集人生30年を振り返り、オカルト雑誌の秘められた舞台裏を公開している。

インタビュー前編では、三上氏の幼少期のエピソードやオカルトの魅力について話を聞いたが、後編では、都市伝説、コンプライアンス・コード、競合誌がない理由など、"あやしい"編集長をさらに深掘りする!

この業界をテーマにすると危ないんです。素人は決して手を出してはいけません

――三上さんの著書に、「飲みの席は企画会議」とあります。「ムー」の企画会議は、どのような形で行われるのでしょう。

「これは『ムー』に限ったことではないと思いますが、エンターテインメントを生み出すためには、机にかじりついているだけではダメなんですよ。積極的に外でいろいろな人たちと会った方がいい。
特に20年ぐらい前の編集者は、すべての生活サイクルが普通に働いている人とは違いました。午後2時か3時に出社して、夕方5時ぐらいにやっと編集部のみんながそろい、夜中12時過ぎると"さぁ、飲みに行くか!"みたいな(笑)。当然終電で帰るはずもなく、気がつくと朝まで飲み、また昼過ぎに会社に行くという毎日。飲み会という名の会議で企画を考えていました。
昔は、編集部が今の本社とは違う場所にあったので、目が行き届かないところでいろいろしていましたよね(笑)。本にも少し書いてありますけど、オフレコで話せないこともいっぱいありました」

――確かに昔の編集者は、やんちゃな方が多い印象です。

「昔は、編集者は酔っぱらってよくけんかをしてましたよね。ゴールデン街で、ライバル誌の編集者同士が鉢合わせすると、ネタを取ったの取らないのと殴り合いになるし、本当にろくでもないヤツばかり(笑)。それこそ都市伝説のようなものです」

――そう言われてみると、『ムー』にはライバル誌が存在しないですよね?

「この世界の本を出したら呪われますから。事実、たたられます。この業界をテーマにすると危ないんです。素人は決して手を出してはいけません。必ず廃刊が待っています!(笑)」