「佐野(史郎)と久しぶりに長いシーンを演じたことに喜びがあった」刑事ドラマを極める内藤剛志が”現場で大切にしていること”

公開: 更新: テレ東プラス

この人の刑事ドラマは間違いない! 7月15日(金)夜8時から、内藤剛志が主演を務める金曜8時のドラマ「今野敏サスペンス 警視庁強行犯係 樋口顕Season2」がスタート!
"警察小説の第一人者"である今野敏原作の本格ミステリーをドラマ化。2003年の単発ドラマから始まり、去年連ドラになった「樋口顕」シリーズが、この夏、再び帰ってくる。

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内藤演じる樋口顕は、高い洞察力や推理力を武器に、誠実に事件に取り組む警視庁捜査一課強行犯係の警部。内藤いわく"樋口は無色透明"とのことだが、そのリアルな刑事像が多くの視聴者の共感を呼んだ。そしてそれは、内藤がドラマの仲間たちとともに育ててきた賜物でもある。

「テレ東プラス」では、内藤の「樋口顕」シリーズに懸ける熱い思いをお届け。さらに、プライベートにおける"家庭の事情"も探った。

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時代の空気をドラマに反映させたい

――いよいよSeason2を迎えました。まずは現場の雰囲気を教えてください。

「私語9割、セリフ1割でしゃべりながら、コロナ対策もしつつ、毎日楽しくやっています(笑)。それがこのチームのやり方なので、シーンとしていることはまずないですね。本番に向けておしゃべりすることで、みんながアイドリングしているんです。チームワークですからね、刑事ドラマは。犯人側のキャストも含め、楽しんでいただくためのチームだと僕は思うんです」

――樋口の盟友・氏家役を演じる佐野史郎さんが「1話で樋口と氏家が20年前を回想していて、それは我々の実人生と重なる」という趣旨のコメントを出されています。内藤さんは、そのシーンについて、どのように感じましたか?

「まったくその通りですね。このドラマは約20年やっていますが、佐野史郎と僕の関係は、もっと長くて30年...存在を意識した頃から考えると、40年ぐらいかもしれない。
佐野とは、俳優としてずっと一緒にやってきたので、このドラマでも演技ではありますが、今までの自分の思いを重ねている部分はたくさんありますし、この20年がちゃんと映っていると思いながら演じています。
佐野だけでなく、ずっと一緒にやってきた他のメンバーもみんな良い仲間ですから、自然とドラマの中に、そういう思いが込められていると思います」

――療養していた佐野さんが復帰、その喜びも感じられたのではないでしょうか。

「そうですね。佐野とはずっと連絡を取っていたんですけど、彼が元気になって、長いシーンを一緒に演じるのは久しぶりです。病気と闘う中で、佐野自身が感じたこともたくさんあったと思います。それが彼を通じて、このドラマにプラスされていくのでしょうね」

――今シリーズから、監察医・御子柴役で竹財輝之助さんが加わります。新キャストの加入で、チームの雰囲気は変わりましたか?

「またイケメンが増えますね(笑)。新しい風を吹き込んでくれると思いますし、どんな変化が起こるのか予測できない分、楽しみでもあります。
僕らは長くやっていますけど、メンバーを固定しているわけではなく、今まで登場した人物も、画面には出てこないけれど、樋口たちと同じ世界に住んでいると思っています。
例えば、『ビート』(2015年)で柄本明さんが演じた島崎はまだ捜査二課にいるかな?、『暁鐘』(2022年)で宅麻伸さんが演じた外事一課の戸川はどうしているかな? など、想像しながらやっています。どんどん新しいメンバーを加えて、"樋口顕シリーズ"として大きなファミリーを作っていきたいですね。」

――樋口は難事件を解決する名刑事である一方、家では妻の恵子(川上麻衣子)や娘の照美(逢沢りな)にめっぽう弱いですよね。その感じは、内藤さんご自身と近いのでしょうか。

「その通りです(笑)。樋口と恵子は大学の先輩後輩みたいなイメージで、2人の間には娘がいて。その感じは自分の家と似ているので、やりやすいというか(笑)。樋口のように、家族に感謝の気持ちを伝えられているかどうかは分からないですけど、僕も妻と娘を尊敬しています」

――刑事役を演じるにあたり、内藤さんが常に心掛けていることはありますか?

「正義を背負うじゃないですか、刑事って。視聴者の方がご覧になった後、自分の人生やこの世界に希望を持っていいのかなと思ってもらえるような作品にしたいんです。"生きるっていいな"と感じてほしい。大きな言葉で気張って言いすぎかもしれないですけど、希望を届けることがドラマの大きな使命でもありますから。
そして、このシリーズに関して言うと、僕らが生きる時代の空気をドラマの中に反映できればいいなと考えています。去年、そして今クールの連ドラでは、コロナ禍で打ち上げができない、みんなで食事ができないことを、現実の俺たちがどう思っているのかが映し出されるようにしたかった。次の機会をいただいた時に世界が変わっていれば、それをまた反映させなければいけないと思います。
このシリーズは、現実に日本で起きていることを背負ってやってきたと思うんです。樋口だけど、内藤自身でもあるというか...。そこが映るドラマにしたいので、今後もちょっとずつバージョンアップしていきたいですね」