7月11日(月)に放送した「家、ついて行ってイイですか?(明け方)」(毎週月曜深夜)では、東京・吉祥寺駅前で出会った「技術系の会社をやっている」という男性のお家について行きました。
かわいい2匹の愛犬とお散歩中だったかすがさん(66歳)。コンビニでお買い物代をお支払いするはずが、あっという間にご自宅に到着。夜でもひと目で豪邸とわかる一軒家! 1階が仕事場で2階を住居として使用しているといいます。そして仕事場には驚くべき技術の結晶が!(取材日:2022年4月27日)。
もともとは、かすがさんのお母さまが暮らしていた家だそうで、螺旋階段のある大豪邸の間取りは5LLDDKK。ご夫婦そして2匹の愛犬とともに暮らしています。
さっそく趣味のオーディオルームを拝見。なんと映画館用のスピーカーだそうでお値段は約100万円!!
続いて、1階の仕事場へ案内していただきました。玄関には、かすがさんが手掛けたロボットが飾られていました。もともとはキッチンだった場所を作業場として使用、食器棚には食器のかわりにさまざまな種類のネジがずらっと収納されています。ヤカンの横には、ロボットの部品をつくる3Dプリンターが!
先ほど玄関に飾ってあったロボットも、この3Dプリンターでつくった部品を組み合わせてつくったそうです。
かすがさんの会社で制作しているのは「可愛いロボット」。4月に発表したばかりという、細かい動きを表現できるロボットには番組スタッフもビックリ! このかわいらしいロボットの名前は「フィギュア3.0クレア」。フィギュアの第3世代という意味が込められているそうです。
ちなみに第1世代は動かない(固定ポーズ)もの、第2世代は関節が動かせるものを指しているそうで、かすがさんが制作した第3世代は自動で動くうえにカメラもついているというもの。遠隔操作も可能なこのロボットのお値段は9万5000円です。
かすがさんが手掛けたロボットはこれだけではありません。ここで販売価格1000万円!という等身大の「高坂ここな」ちゃんの登場です! あまりに艶めかしい表情としぐさに「ちょっと好きになっちゃいそう」と番組スタッフ。
ここなちゃんは、アパレルショップでお客さんを呼ぶためのデモをしたり、プロモーションなどに使用。「あまり動くフィギュアってないので。僕らぐらいしかつくっている人はいないんで」と、かすがさん。過去には、東京・神田明神で本物の巫女さんの服を着てデモをしたこともあるそうです。
気になる年商は...「何千万円か」、さらに月収は?「今は全部で30万~40万円くらい」。
早稲田大学の理工学部を卒業後、某大手電機メーカーに就職したかすがさん。ロボットに興味を持ち始めたのは、人気を博したペットロボットの試作品を見た時だといいます。「開発している雰囲気がもの凄く未来的な感じがした。これは、将来ロボットの時代が来るなと思ったのでやりたいなと思った」。
そこで20年前に退職して、ロボットの会社を設立。当初は2足歩行のロボットを造り、1台50万円ほどのロボットを200台売り上げたことも。単純計算すると1億円の収入! ですが...「それでも元は取れていない。開発費に何千万円もかかっているので。それ以上伸びないなと思ったので途中で方向転換」したそうです。そして生まれたのが、現在の「可愛い系のロボット」。
可愛いロボットをつくるために工夫したのが、モーターを設置する位置だそう。通常は関節にモーターを入れるそうですが、「それだとゴツくなってしまう」。そこで、「関節を動かすモーターをちょっと離れた部分に置いて、ベルトやシャフトとかで離れたところから回転力を伝えて動かすっていうのをやれるようにした」。この技術で特許を取得したそうです。
そもそも、なぜ可愛い系のロボットをつくろうと思ったのでしょうか?
それは「感情移入のできるロボットを作りたかったから」。かすがさんは、ロボットはコミュニケーションをサポートするものだと考えているといいます。「スマートスピーカーに毛が生えたようなちょっと動くようなものはあるけど、なんか侘しくないですか? あれがこういうコになって、しゃべってくれたらもっと愛着が湧くじゃないですか」。
将来的には、手掛けているロボットを身振り手振りで感情を伝える「人と人を繋げるコミュニケーションの媒体にしたい」と、かすがさん。さらに...「街の中にレンタル自転車があるように、レンタルロボットもあるようになっていくと思う。そのロボットにログインして操縦して街なかを自由に歩いて買い物だってできるかもしれない。面と向かって言えないこともロボットを介して人に伝えるという、そこまでになりたい」と、大きな未来を語ってくれました。人とロボットが共存する未来、その時が少しずつ近づいていると思うとワクワクしますね!